海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

枯れた植木

2011-07-25 | 写真日記

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どうもこの国は、くだらないメンツにこだわり過ぎてトラブルが起こると筋の通らない言い訳をする子供のようなところがかなりある。

メンツという言葉は、この国に来ると非常によく聞く言葉だ。こちらに8年以上住み色々なトラブルにも合って来たが、自分の非を絶対に認めず謝らない人が多過ぎるのと、とんでもない言い訳をして相手に詰め寄る人が多すぎるので、時には滑稽に見える事も多い。

嘘がバレたらさらにメンツを失うと思うのだが、嘘がバレるとさらに言い訳してくる人も結構多い。

言い方を変えると、強度の自己中心的風土と言える。

何でも世界一が好きなようだが、その世界一を早急に達成しようとする所に問題がある。それは、地道な研究と努力に時間をかけ、それに金をつぎ込み達成できるものであり、そんなに簡単にできるものではない。文化や技術というのは、長い歴史の上に成り立っているのであって、途中で否定して破壊したらまた一から積み上げていくしかないのだ。この国は、新しい国が出来ると過去の文化を否定し破壊してきた歴史がある。もしかしたら、それがこの国の風土かもしれない。

 

話は変わるが、こちらで新しい商品を企画し提案した事がある。即座に返って来た言葉は「それはとても難しい」。その提案した商品は簡単な構造なので、なぜ?と問い返すと「コピーする物があれば簡単だが、コピー元が無ければ出来ない」という返事だった。つまり、最初から新しい物を企画し造るという発想すら無いという事になる。

今年、北京の展示会での出来事を聞いたのだが、世界中で売れているある中国メーカーの商品を他の競合他社がコピーして製造展示していたようだ。それが、一社でなく数社がそれをやっていたので、同じフロアーに同じデザインの商品溢れかえっていたようだ。

コピーされた中国の会社の人達は、その時にどう思ったのかは知らないが、愕然とした事は確かだろう。しかし、この会社もヨーロッパのメーカー数社の商品をコピーして成功した会社としてとても有名な会社なのだ。

 

「この国は発展はするだろうが、進歩は難しい」とある人が言った言葉を思い出す。

 

コメント (4)
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