柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

遺体の管理、葬儀社の役目です

2008年09月08日 | ご遺体のケア
葬儀社の役目に、ご遺体の管理があります。

医師や看護士さんが体の管理をしてくれるのは、病院にいる間だけです。

亡くなった故人の管理は、家族に任せるには無理があります。

人が死ぬと体がどう変化するか・・・なんて普通は知らないでしょう?

病院で亡くなった人は、看護師さんが死後の処置をしてくれています。

亡くなる直前までつけていた、呼吸器や点滴や様々な器具を外して
体をきれいに拭いてくれます。

注射の跡や切開した傷口や、床ずれ等は絆創膏で覆ってくれます。

そして、鼻や耳に綿が詰まっているのを見たことがあるでしょう?
あれも大抵は病院で詰めてくれます。

最近では丁寧に、亡くなった後にお風呂に入れてくれる病院もあるんですよ。

なるべく生前の穏やかな姿に処置してくれます。

しかし、ずさんな病院もあって、ほとんど形だけ繕っておしまい!
そんな感じの病院も少なくありません。

ご家族に故人の体の変化や管理を教えてくれる病院はごく稀でしょうね。

そこで、その後火葬するまで、お世話する葬儀社が
ご遺体の管理をすることになるのです。

「管理、管理って言うけど、それってドライアイスをのせる事でしょ!」

そう思っていませんか。

確かに、ご遺体は死亡と同時に腐敗が始まります。
それを遅らせる為にドライアイスを体に施します。

でも、それだけでは不足なんです。

最近は病気や薬のせいで腹水が溜まったご遺体が多くなり、体液が
漏れてしまったり、出血することもあるんです。

故人の体から出た体液、血液や口や鼻の中の粘液などには
人に感染しやすい菌がある場合が往々にしてあります。

解かり易く言えば
そういうものに触れたらその感染症が移る危険があるのです。
ご遺体に触れる葬儀社の人間にも、ご家族や親戚や親しい人にもです。

もし、触れた手に傷があったならその危険性は更に増えます。

手に傷が1つも無い人なんて、先ずいないでしょう。

その為に、葬儀社の人は
お布団に安置する時には、再度ご遺体を確認して処置をし直します。

そして、ご遺体の危険性を家族の人に教えておかなくてはなりません。

もし、故人の衣服が濡れていたら、布団が濡れていたら
鼻や口から血が出ていたら・・・
決して、自分で拭いてはいけません。
必ず、葬儀社の人に知らせて処置をしてもうように。

そう伝えなければいけないのです。

ところが葬儀社の人がそこまでの知識を持ち合わせていない・・・事が多い。

以前の葬儀社は全員がそんなことを知らずにご遺体に触れてました。
自分も、ご家族も危険にさらしていたんです。

でも、最近では遺体の危険性は多くの葬儀社の知る所となりました。
それなのに、ご家族にそのことを伝えていないんです。

それどころか、自分を守る為の手袋さえもはめていない人が大勢います。

その理由を聞くと
「手袋をすると、故人に触るのがイヤだと家族に思われるので」というんです。

きちんと感染症を説明すればいい事なのに。
何もしないのが、一番無難と思っているのです。

今は、そんな時代じゃありません。
正しい情報をきちんと伝えて、安全を確保すべきです。

こういう葬儀社のほうが信頼してもらえます。

そういう葬儀屋さんが多くなると良いんですが。
葬儀やさんて、頑固な人が多くて。
結構、難しいんです。