柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

寝ずの番

2008年09月23日 | お葬式
このところ、映画づいていて、昨夜も、お葬式の映画を見ました。

「寝ずの番」という映画です。

落語の師匠が亡くなって、家族や弟子が密葬をするんです。
通夜の晩に、みんなが師匠との思い出話をするんですけど
それが、抱腹絶倒の話しばかり。
おかみさんは、「今夜は無礼講よ」

そのうちに弟子で師匠の長男の発案で「この際、落語にある死人のカンカン踊りを
師匠の体で、実感しよう。知らないで、話すのと、知って話すのじゃえらい違いだ」ということに。

三味線を弾き、唄い、師匠の体を抱き起こして、肩を組み
手を添えて、カンカン踊りのごとく足を上げたり、宙に浮かしたり。

初めはクタクタの師匠の体が
皆と踊るうちに
ところどころで、目は開けるわ、うっすら笑うわで
しまいには、一緒に足まで上げる大騒ぎ。

踊りつかれて、師匠に抱きついた一番弟子が
涙を流して「師匠~!」って泣き叫ぶ。


イヤー、こんなに故人も送る人も
いい別れが出来るなんて。

葬儀社は要らないね~。と感心しました。

実はね、この映画は師匠が危篤の所から始まるんですが
一番弟子が師匠の最後の望みを聞き出して
弟子達が、「てんやわんやの大騒ぎ」になるんです。

いかにも落語家らしい落ちがあるんですけど・・・
私からはチョット説明しにくい。
どうぞ、映画を見てください。
面白いです。

師匠の通夜だけでなく
その後、一番弟子
おかみさんと続いて亡くなり
その都度、皆で通夜の「寝ずの番」をするんです。

それぞれの縁の話が出て
その場に故人が生き返ってくるような気がする。
家族や、周りの人が傍観者じゃないんです。
参加者なんですよ、一緒に送ってるの。
いいですね。
昔の通夜はこうだったんでしょうか?

いまの葬式は、ひょっとしたら違うかもしれませんね。
もっと、それぞれの別れ方を重視したほうがいいような気がします。

この映画は
俳優の津川雅彦が
マキノ雅彦として、初めて取った作品です。

面白かったです。