柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

きれいな故人に触ってください

2008年09月09日 | ご遺体のケア
前回の続きです。

ご遺体の体の中は、感染症の危険があると、お話ししましたが
きちんと処置すれば、大丈夫なんです。

簡単に言えば
「遺体から漏れた、体液や血液や尿や便等を素手で触ってはいけない」
ということです。

そういうものが無ければ、体や顔や手に触れても大丈夫なんですよ。

ご遺族が安心して故人に触れることが出来るように
葬儀社の人は、きちんとご遺体の処置をしないといけないのです。

体液や血液が体の外に出ないように
殺菌剤を使って、しっかり詰物をする、事が重要になります。

又、自然な容貌を作るためには
口の中に含み綿をしたり
落ち込んだ瞼が開かないようにしたりするのです

ご遺族が故人の顔や手をさすれるように
頬ずりできるように。
生前の面影が残るように。

その為に、葬儀社の人は
きちんと手袋やマスクやエプロンを着け
遺体の隅々まで手を抜かずに処置をして差し上げるのが
仕事なのです。


きれいになったお体なら
触ってあげてください。

亡くなったばかりの時は、まだ温かくて柔らかいんです。
そう、まるで寝ているようです。

時間が経ってくると
冷たくなり、体に硬直が起こります。

髯や爪が伸びたように感じますが
皮膚の細胞が乾燥して縮んでくるのです。

お布団から、柩に納められ
やがて火葬場で荼毘にふされます。

遺骨になったのを見て
「もう、この人は生き返ってこない、戻ってくる体が無くなった」

そう思った時に、遺族は
最初の諦めをつけるのだ・・・・

私はそう思っています。

出棺する時は心が乱れていても
遺骨を抱いて帰ってきた遺族は
皆、気が抜けたような
ホッとしたような表情をしています。

亡くなった人の体に触れて、その変化を感じる事は
死を自然に受け入れることなんですね、きっと。

その大事な状況を作るのは
葬儀社の人の努力が必要なんです。

葬儀社の人は、自分にも、ご遺族にも、安全を確保してあげることですね。

手袋をつけてください

2008年09月09日 | ご遺体のケア
先週末、宮崎県に出かけてきました。

良い所ですね。

宮崎空港は海の近くですが、伺ったのは車で1時間ほど
入ったところです。

都城と言って、鹿児島に近いところです。

宮崎県はいたるところに神話の名所があるんですね。
四方に連なる山並みも、深くて美しい。
車で通り過ぎただけですが、すがすがしい気分を味わいました。
又、行きたい処ですね。


今回は、葬儀社の社員の方に
ご遺体の安全な取り扱いの講演をしてきました。

まさしく、昨日のブログの内容です。

病院に故人をお迎えに行く所から説明をします。
写真を見ると、担架や布団が置いてあるでしょう。

この葬儀社の方々も
ご遺体は危険だと解っていても、お客様の前では
手袋をせずに素手で故人のお迎えをしていたそうです。

葬儀に関与する人達に、葬儀社として正しい姿勢や考え方を
教えていますが、これには時間が掛かりそうです。

手袋をはめてご遺体を触ると、お客様に怒られると
いう思い込みから脱することが出来ません。

こうなったら、お客様である皆さんに情報発信したほうが
早そうですね。

「葬儀社さん、おじいちゃんの体に触る時は、手袋してね」
そういってもらえませんか???