柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

映画 おくりびと

2008年09月17日 | 葬祭スタッフ
納棺師。
今や、有名な言葉になってしまいました。

亡くなった方を、きれいに身支度して柩に納める専門職です。
葬儀屋さんとは違います。

「おくりびと」って、いい響きですね。
納棺師だけでなく、葬儀社も霊柩車の方も火葬場の方も
同じように「おくりびと」だと思います。

封切り日に映画「おくりびと」を見てきました。

もう粗筋は、皆さんご存知だと思います。

ひょんなことで納棺の会社に入ってしまった主人公が
「この仕事は普通じゃない。人に言える仕事じゃない
 いつ辞めようか・・・」と悶々としているのです。

事実、友人からは「もっとマシな仕事につけ」と言われるし
娘の死の原因になった青年に親戚は
「この人みてぇな、仕事をして償っていくのか」と
遺体の側で納棺している主人公を指差して怒鳴りつけます。
5分遅れて到着した家では喪主から「あんたら死んだ人間相手に稼いでいるんだろう」と暴言が浴びせられます。

そして主人公も「こんな仕事」と思っているから妻にも言えないでいるんです。

でも、納棺会社の社長の仕事を見ていくうちに
変わっていく遺体に感激し始める
それは自分だけでなく、そこにいる人全員が感じ始めるんです。

主人公は自分の心がいつしか変わっていくのに気付き・・・。

そんな話しです。




私が、15年前に葬儀の世界に足を踏みいれた時も
確かに同じような、雰囲気が周囲にありました。

ただ、私は主人公と違ってこの仕事を特別な物とは
思ってなかったので、イヤとは感じなかったんです。

それどころか、やればやるほど奥が深くって。
勉強も努力もしたつもりなので
プライドを持っていました。

へんな言い方ですけど
胸張って、葬儀をしていました。

この映画見て
久しぶりに、その感覚を思い出しました。