西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

議員年金は必要ですか?

2008-12-28 16:54:55 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

一般質問のご報告は、一回パス。
今日は別の話です。

何年か前に、国会議員年金が問題視され、廃止されたことを、
ご記憶の方もいらっしゃることかと思いますが。
実は、我々、地方議会議員にもよく似た趣旨の制度があります。
で国会議員年金の廃止後も、こちらの制度は残っているのですが、
その制度に関連して、12月26日付・読売新聞の一面トップに
「市議会議員年金が破綻の危機」という記事が掲載されました。
この話、12月の頭ぐらいに、議会事務局から聞いておりまして。
思うところがあったものですから、会派内の了解を得た上で、
地方議会が国の各機関に対して、公式に意見を述べるための手段である
↓「意見書」↓を作りました。

市議会議員共済年金制度の廃止を含めた抜本的見直しを行うことを求める意見書(案)

 平成の市町村合併に伴い、市・町村議員共済会の会員である市議会議員が大幅に減少する一方、年金受給者は、市町村合併に伴い市となり、あるいは市に編入された町村の議員共済会の受給者が市議会議員共済会の受給者として移換されたこと等の理由により、急増している。その結果、市議会議員共済年金においては平成19年度末、会員1人で年金受給者2.86人を支えるといういびつな構造となっており、こうした状況を反映して制度の財政状況は急速に悪化している。平成11年度以降は単年度赤字を補填するための積立金の取り崩しが毎年続いており、平成18・19年度には連続して200億円を超える当期損失金を計上、平成20年度に繰越した給付積立金は440億円にまで減少し、積立金は数年で枯渇することが予想されるなど、危機的な財政状況にある。こうした現状を踏まえ、本年7月、都道府県・市・町村の3共済会及び学識経験者、総務省関係者によって「地方議会議員年金に関する研究会」が設置され、明年2月の報告書提出に向けて、鋭意検討が進められているところである。
 市議会議員共済年金制度は、議員にとって引退後の生活設計に大きく影響を及ぼすものである。制度設立の趣旨からすれば現制度での存続が望ましいが、現状と今後の情勢を考慮するなら、根本的な対策を取らなければ、多くの議員の引退後の生活に大きな影響を及ぼすことが危惧される。
 よって、国におかれては、制度の現状を踏まえ、下記の事項を実現されるよう強く要望する。

                  記.

1 制度の廃止を含めた抜本的な対応策を検討し、早急に実施すること。
2 仮に議員年金制度が廃止される場合、議員年金への加入は法によって強制されていることに鑑み、会員が積み立てた金額は全額保障すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月18日

西宮市議会

(提出先)
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  総務大臣
  財務大臣

意見書では、「制度の廃止を含めた抜本的な対応策」の「検討」「実施」を
求めましたが、私はこの制度は、廃止するのが一番すっきりすると思っています。
私達、地方議会議員にも国民年金制度への加入が義務付けられている以上、
「議員の老後の生活保障のために必要だ!」
という声に集約される考えには、一般の方々との公平性からも
無理があると感じますし。

一方で、この制度は法律によって定められたものであり、
制度を変えることができるのは国だけです。
なので地方議会としてできることは、公式文書である「意見書」という形で、
意思を示すことぐらいしかありません。
で、この意見書は12月議会で諮られた結果、賛成多数で可決され、
無事、国へと送り届けられることになりました。
まずは、よかったなと。

この意見書を提出したことが、どの程度、議論に影響を及ぼすのか?
については、正直、心もとない限りではあります。
とは言え、今、自分の手で出来ること(=意見書を提出すること)がある以上、
ちゃんと、それをやっておきたいなと思ったのです。
進むべき方向に、議論が進んでくれるとよいのですが。
今後の展開に期待します。