西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

こんな見通し、ありですか。。。

2009-03-02 15:17:34 | 市政全般に関連すること

本日の門戸厄神で、ようやく今タームの朝立ちも終了。
しかし、こんなに時間がかかるのも、珍しい。。。
とはいえ、一部、やり残していた地域のポスティングも
昨日、無事完了しました。
こちらも含めて、ようやく一段落です。

さて明日からは、各会派の代表による代表質問が行われます。
この代表質問は、
 ○市長&教育委員長によって演説された「平成21年度・行政方針」
  の内容を踏まえて、
 ○各会派を代表する立場から、各会派の(たいていは)幹事長が、
  市政全般について、意見を述べたり、市の見解を質したりする
というものです。
例年、硬軟取り混ぜ、様々な立場から多様な意見が述べられる、
この代表質問ですが、個人的には、全会派が市(市長)の見解を
質すべき、重要な問題が一つ、あると考えています。
それは西宮の現在&未来における財政見通しについての話です。

例年2月に「西宮市財政の現状 ~西宮市の財政を考える~」
という資料が作成・配布されます。
これを見ると、今後の本市の財政推移予測が理解できるのですが、
本年度版で示された今後の予測は、とんでもないことになっています。

昨年2月に示された予想と、今年2月の予想を比較すると、
 ○市税収入は、7年間で合計・約180億円減少
 ○人件費負担は
7年間で合計・約70億円増加
、大幅な見込み違いが発生しており、その結果、
昨年版⇒「平成25年度に9億円の黒字。その後は好転。」が、
本年版⇒「平成25年度に138億円の財源不足。その後も悪化の一方。」
という予想に変わってしまっているのです。

一年前と比べて、なんと、実に147億円分、財政が悪化するという予測!!
なんじゃ、こりゃ。

資料によりますと、昨年版では、
「平成22年度以降、一時的に財源不足が生じる見通し」だが、
「その後は、公債費や人件費の減等により、単年度収支が
 黒字になるものと見込んでおります」と、
「一時的には苦しいですが、その後、きちんと改善していきますよ~。」
という立場に立っていたのが、本年度版では、
「22年度以降は財源不足が続く見通しです」
 (=貯金も使い果たしたうえ、毎年の収入を支出が上回るため、
   首が回らない赤字自治体になってしまう、ということを意味します。)
となってしまっています。
これ、も少し、分かりやすく、かつ刺激的に書くと、
「このままでは赤字が増え続けていく一方ですよ~。
 将来的には、財政破綻まっしぐらですよ~。」
ということになります。

で、その理由なのですが。
本年版を見ると、この大幅な悪化に関連して
「景気の急速な悪化により、
 21年度以降は市税の増収が見込み難いことなどから」
と、まるでサブプライム問題に端を発する世界大不況の影響で、
本市の財政予想も去年から一転、厳しくなったようなことを
書いているのですが、いやいや違うでしょ、と。

昨年の予想内容を見ますと、例えば、
 ○毎年市税収入が約2%ずつ伸びる
 ○人件費は、毎年大幅に削減されていく
という予想になっています。
けれども昨年の時点でも、「税収が毎年2%ずつ伸びていく」というのは
楽観的過ぎる予想でした。
人件費の削減は、ほっておけば、勝手に達成されるようなものでは
ありません。
毎年大幅に削減するという予測を立てるのであれば、
それに向けた取り組みが必要ですが、結局、
そんな考えはなかったことは、今回の予測からも明らかです。

率直に言って、私は、去年の楽観的過ぎる予測は、
現市長が昨秋の市長選において「財政基盤は確立した」と
主張したいがために、無理につじつまを合わせたものだと考えています。
そして選挙を終えてみますと。
ある程度現実を踏まえ、市長選挙での公約も反映した財政予測は
このような悲惨なものになってしまいました。
繰り返しになりますが。
僅か一年前の予測と比べての、この異様な見通しの悪化は
経済危機によるものではありません。
むしろ、昨年の予測があまりにも楽観的なものであったことに起因すると
私は、考えています。
この構図は、総合計画の策定において、犯した過ちと、
根を同じくするものです。
(なお私は、本市の財政状況は、本当は、この予測で示されたものより
 はるかに悲惨なものだと考えています。
 いろいろと理由はありますが、とりわけ、公共施設の維持・補修、
 フレンテからのコープ撤退問題に関連して発生が予測される大規模支出
 中央病院が抱える諸問題に対応するために必要な費用等、
 将来、ほぼ確実に発生すると見込まれる費用が、
 なんら、想定されていないことが、大きな理由の一つです。)

市長の行政方針演説では、
「事業・施策の平準化や優先度付けを行うなど、堅実な行財政運営に
 努めてまいります」
「社会が成熟する中で人々の価値観が大きく変化、多様化し、
 市民ニーズが増加し続けております。しかし、財源に限りがあるため、
 全てのニーズを充足させることは、大変困難になっています。
  このようなことから、限られた経営資源を有効に活用し、
 最小の経費で最大の効果を生み出せるよう、事業の取捨選択や
 資源の最適配分につながる行政マネジメントシステムの構築に、
 引き続き取り組み、市民満足度の高い行政運営を行ってまいります。」
などと、ごもっともなことが述べられています。
でもね、実際の予算案のどこに、こうした理念があるのかと。
私には、総花的で、バラマキ的な、いつもと同じような予算にしか
見えないのです。
だいたい、この厳しいご時勢の中、就職支援活動などの分野で
重要な役割を果たすべき勤労福祉課がやっていることが、
『「ボールペン習字体験講習会」を開催します』
って。。。
こんな状態で、よくもまあ、
『「限られた経営資源を有効に活用し、最小の経費で最大の効果を
 生み出せるよう、事業の取捨選択や資源の最適配分」に努めていく」
なんちゅうことを口にできるなあと。

このままでは近い将来、西宮市は、
本当に財政破綻してしまいかねません。
それは、すなわち、市民の皆さんに対して、きちんとしたサービスを、
適正な価格で提供するという、行政が果たすべき、当たり前の役割が
果たせなくなることを意味するのです。
果たして議会は、他の会派は、そうした認識に立っているのか?
この点を、明日からの代表質問で確認したいと考えています。