もうすぐ4月。
いろいろ込みで、つくづくと、春は出会いと別れの季節ですな。
感慨深い。
昨日、西宮市役所の春の人事異動に関する資料が公表されました。
団塊の世代の方々の多くが、ここ数年で退職されるため、
市役所の人事異動も、かなり大規模なものとなっています。
私ら、半分、外部の人間には分からんことが多いのですが、
さぞかし、悲喜こもごもなんやろうな~、と。
異動に関する個人的な感想は置くとして、なにはともあれ、
皆さん、前向きに頑張っていただきたいものです。
さて、本題。
先日の日記では、今回の人事制度の見直しについて、
「国の見直しに準じたものです!」
的なことを言っている割には、その中身に、うなずきかねる部分がある
ということを書きました。
そもそも、今回の西宮市の給与制度の見直しは、
平成17年の人事院勧告の内容に則って、行われたものです。
この時の人事院勧告では、公務員給与制度の抜本的な改革が
勧告されたのですが、その肝は、
①地場賃金の適正な反映
②年功的な給与上昇の抑制
③勤務実績の給与への反映
といったところにあります。
①は、常々、この日記でも取り上げている
「民間同職種に比べて、市職員の賃金水準が高すぎる」という話。
「民間同職種の給与水準を参考に、公務員の給与水準を
是正するべきだ!」
ということですね。
②は、「年功序列すぎる賃金体系を見直すべきだ!」という話。
③は、「頑張った職員が報われるよう、昇格・昇給や、
勤勉手当(いわゆるボーナス)に差をつけるべきだ!」という話です。
いずれも、きわめて重要な課題です。
ところが今回の見直しでは、こうした肝心の部分には、
ほとんど触れられていません。
職種や業務内容・達成実績等によって、個人の処遇が異なるのは
当然のことだと思っています。
ところが西宮市役所(他の多くの役所でも)においては、全職種の全職員が、
同じ給与表の下、同じように昇給していきます。
個人的には、これで、「やる気を保て!」という方が、
無茶だと思っておりまして。
今回の国の制度見直しの趣旨は、こうした状況を改めるため、
先に述べた①②③の考え方を核として、
給与制度全般を見直すよう求めたものなのです。
ところが西宮市の見直しを見てみると、
この核に当たる部分については、ほとんど触れようとしていません。
率直に言って、私には、付随する部分だけを手当して、
お茶を濁そうとしているように見えるのです。
これでは見直しの意味がありません。
本気で人事制度を見直そうとするのであれば。
国が、そもそも、制度を見直そうとした本来の趣旨をこそ、
重要視するべきだと思うのです。
(とは言うものの、その国自体が、地方自治体のことを偉そうに言えるような
立派なもんかいな???という話もありますが。)
本市だけの問題ではありませんが。
公務員の人事制度には、過去の負の遺産とも言うべき、
多くの縛りが存在しています。
一朝一夕で、抜本的に改めることは難しいのかもしれません。
しかしながら中長期的に考えますと。
公務員の世界においても、適正な人事考課を行い、
達成実績や職責と給与を連動させることが重要になるのは確実です。
そして、当然、そうならなければなりません。
そのためには、給与表の大幅な見直しや、
「査定昇給の実施」「勤勉手当への成績率の反映」といった、
頑張った職員・結果を出した職員が報われる仕組みづくりの推進、
「技能労務職独自の給与表」の作成といった、
人事制度の根幹の見直しこそが必要なのです。
それはすなわち、やる気のある職員を後押しし、
庁内全体を前向きな姿勢にすることにつながり、
ひいては市民サービスの向上という形で、実を結ぶはずです。
人事は、組織の要です。
そうした視点に立った取り組みこそが必要だと思うのです。
総務常任委員会において、こうした意見を、るる述べてきたのですが、
まだまだ言い足りませんし、納得できるような返事を得ることも、
できていません。
というわけで現在、絶賛調査中の車両課の話と合わせて、
6月議会で詳しく取り上げようと思っています。
こちらも、ずいぶん、ムムム・・・な実態が見えてきていますので。
詳細については、また別途。
それでは失礼いたします。