なにかと話題の、18歳以下の方を対象に現金5万円とクーポン5万円分を支給するという話。
ここまでくれば、「むしろ現金支給するのが当然でしょ!?」くらいに思っていた方も多いかと思うのですが、やっぱり、こういう話があるんですよね…
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内閣府から「全額現金なら財源措置しない」 大阪市・松井市長が説明@昨日付・朝日新聞WEBニュース
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要は「ちゃんと5万円分はクーポンで支払わないと、その分は市で負担してもらうことになりますよ!」という脅しがかけられている的な話かと。
見えにくいところで、国が変な制約を仕込んでくるというこの構図、ほんとやめた方がいいと思うんですよね。
「××計画みたいなのを、やたらと作らねばならない…」ということで、地方自治体の現場に過大な負担が生じている背景にも、こういう構図が影響している面、少なからずあると思っています。
なお、この話、西宮市では
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●5万円の現金支給分を先行実施
→申請不要の方へは、12月27日(月)に児童手当振込口座に振込予定
→申請が必要な方へは申請書類等の審査後、指定口座に振込。支給は、令和4年1月以降になる見込み。
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とのことです。
詳しくは以下をご覧ください。
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「令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金(先行給付金)」のご案内@西宮市HP
と前振りが長くなりましたが、本日からは一般質問のご報告。
まずは「環境学習都市宣言に相応しい街並みを実現するために」からですよ。
それでは早速始めます!
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温暖化やヒートアイランド現象の激化を受けて、欧米の多くの都市では緑化推進のための取組が進められています。
都市の緑化推進には景観向上はもちろん、木陰の確保や蒸散機能による大気冷却・浄化、野生生物の生息空間確保など様々な効果があります。
また都市型洪水による被害の防止・緩和という観点からも大きな効果が期待できます。
都市では、雨は道路や建物の表面を伝って排水溝に流れ込みますが、近年の集中豪雨では道路の冠水や、建物への浸水といった深刻な状況が多発しています。
これに対して、例えば、街路樹が植わっている植樹帯や植え枡の土壌には雨が浸透して表面排水を減らす効果があります。
また気温が上がり乾燥すると、土壌から水分が蒸発し、気化熱によって地表面の温度が下がって、ヒートアイランド現象を緩和する効果も期待できます。
繰り返しになりますが、都市の緑化推進には様々な効果が期待できるのです。
日本では緑化の指標として、一般的に「緑被率」が用いられますが、欧米では高い木の枝や葉が茂っている部分である「樹冠」が街並みに占める割合を示す「樹冠被覆率」が重視されます。
両者の違いは、緑被率が芝生や低木・中木が植えられている場所の面積も含めるのに対して、樹冠被覆率は高木の樹冠で覆われる部分しか含まないという点にあります。
土地全体に占める緑の面積が同じでも、芝生が張られただけの公園と、大きな樹冠に覆われた公園では緑の規模が大きく異なることは容易にご想像頂けるものと思います。
こうした観点を踏まえ、私は本市の本当の意味での緑化、すなわち樹冠被覆率を上げるための取組を進めるべきと考えます。
行政が樹冠被覆率を向上させるためにできる方策の一つに、公共用地の緑の大きな比率を占める街路樹を大きく育てることが挙げられます。
これを実現するためには、街路樹の管理・育成がきわめて重要です。
市が高木の剪定を業者に委託する際には、目標とする樹形を設定したうえで、仕様書を作成します。
木は生き物なので、同じ木を植えて街路樹として育てようとしても、高さ、枝下、樹形などが異なっていたり、こずえが突出していたり、下枝が高かったりと、それぞれ特徴は異なります。
また大きくなりすぎて通行の邪魔になったり、強風で倒れたりといったリスクが生じるほか、景観という観点からも剪定をしてきれいにそろえておく必要があります。
こうした様々な条件がある中で、街路樹をきれいに大きく成長させるためには高い知識とノウハウに基づいた管理を行わなければなりません。
しかしながら実際には担当者は数年で異動することが多く、落ち葉などのクレーム対応を優先するといった短期的な対応に陥りやすいと言われています。
落ち葉を減らすために一番手っ取り早いのは、必要以上に枝や葉を切り詰める強い剪定、すなわち強剪定を行うことです。
ところが、このように樹種本来の樹冠を崩すような強剪定を行うと樹木の美観を損なうのはもちろん、日陰を遮る効果もなくなりますし、光合成量が低下して樹勢が衰え、最悪の場合、木が枯れてしまうこともあります。
これは緑化の推進という目指すべき方向とは大きく異なります。
そして残念ながら本市においても、これに近い事例が散見されます。
一方で、市内全域あらゆるところで街路樹を大きく育てるのも、十分な道路幅員が確保できない場所での安全確保や、落ち葉のことを考えると難しいというのも分かります。
そこで、こうした課題を踏まえつつ緑化を推進するため、私は、全市一律に樹木を管理するのではなく、地域・道路によって運用に差を設けることを提案したいと思います。
例えばメインとなる道路沿いでは木と木の間の距離を十分確保して大きく育てる方針を明確にする。
そのうえで十分な道路幅員が取れない道路での植樹は見送るなど、地域・道路に応じた方針を定め、方針に則った管理を進めることで管理にかかわる手間を一定程度抑えつつ、市全体としての緑化を推進することが可能になります。
一方で、こうした取組を推進した場合、街路樹が大きく成長することに伴って根が太くなり、その根が歩道の縁石や舗装を持ち上げ、歩道がでこぼこになる「根上がり」が、より一層、問題になる可能性もあります。
この根上がりによって歩行者、特にお年寄りや車いす、ベビーカーの通行に支障をきたす状態が生じている事例も多くあることから、対応が必要です。
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要するに「都市景観の向上や温暖化・巨大災害による被害の抑止という観点から、街並みの緑化推進が重要。そのための具体策として、街路樹を大きく育てませんか?」ということですね。
次回以降で、この内容を踏まえての具体的な質疑の内容についてご報告します。
それでは本日のブログは、これにて失礼いたします。