西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

臨時特別給付金の所得制限について考える。これで「少子化の進行は国家的問題!」とか言われても…

2021-12-22 15:42:46 | 主張・広報と活動のお知らせ

次のブログも一般質問の続きかな???と思っていたのですが、一回パス。
とても興味深いニュースがありましたので。
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尼崎市が地域通貨5万円 10万円給付の所得制限世帯に@2021/12/21付・日本経済新聞WEBニュース

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そもそも健康増進や環境美化の活動等に参加することでたまる地域通貨があるからこそ、こういう取組ができたわけで、そこが非常に興味深い。
そして、もひとつ興味深いのが、政府が示した所得制限のため、支給対象外となる世帯を対象にしたという点ですね。

臨時特別給付金については
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●なんで、18歳以下限定なの?
●世帯合算での計算ではなく、世帯主の収入で判断するのは不公平では?
●子育て支援という観点からは、所得制限をなくすか、もっと高くするべきでは?
●困窮世帯の支援という趣旨からは、むしろ所得制限をもっと低くして、1人あたりの給付の金額を増やすべきでは?
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等、さまざまな声が上がっていたと認識しています。
今回の尼崎市の対応は、こうした声の一つである「所得制限をなくすべき!」に応えたものであり、英断だと受け止めています。

私の基本的な姿勢は、様々な政策等について
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●コストを削減して効率を上げていく
●負担能力があるところには、一定の負担を求める!
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というものであり、そうした視点から様々な問題提議等を行う場面が多くなっています。
が、子育て支援について、いわゆる所得制限を行うことには、きわめて否定的な立場にいます。
子供は社会全体として育てるべき宝物であり、子供の笑い声が響かない社会に明るい未来などないでしょう。
そうした社会を作っていくために、具体的な支援策は欠かせないと思っています。
いくら「子育てするなら西宮」と唱えたところで、それに相応しい中身がなければ意味がない。
そういう意味で、西宮市には現時点で、所得により給付対象外となっている世帯に対する給付を講じる考えがないことを残念に思っています。
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【ご参考】
乳幼児等医療費助成の拡充は一歩前進。でも、小さな子供を持つ世帯には一層の支援が必要では???と思うわけで。@2021年2月のブログ

今回の件については「それだけの収入があればいらないでしょ!?」「それだけの収入があれば、10万円なんてあってもなくても一緒でしょ!?」という声がある一方で、「決して、そこまで余裕があるわけではない」「大都市圏と地方では生活費の水準が大きく異なるし、子供の年代・人数によっても状況は大きく異なる」「金額の問題ではなくて、児童手当は減額・医療費助成は対象外・税金社会保険料は高いし、このうえ、ここまでというのは、あまりにも不公平」等、様々な意見があるようです。
子育て世帯と一括りにしていても、その実態は、それぞれ大きく異なることから、こうした様々な意見が出てくるのは当然だと思います。
ただ、そこで同じ子育て世代内でもめるのは違うとも思うんですよね。
より重要なのは「そもそも日本の子供関連予算がGDPに占める割合は、欧州の半分程度と、圧倒的に少ない。その表れの一つが、こうしたところに出ている」ということだと思うので。
こういう現状をほっておいて、「少子化が進んでいる!このままではまずい!!」みたいなことを言われても、「そら、そうなるわな…」と思うわけで。
とりわけ、ぎりぎりで対象外となる世帯にとっては、その不公平感は非常に大きいものだと思います。

ちなみに甚だザックリですが、西宮市の18歳以下の児童数は約85,000人。
そのうち給付対象となるのは約70,000人で、給付対象外は約15,000人とのこと。
この数字からも「ものすごく恵まれたごくごく一部の層だけが対象外!」というわけではないことが、お分かりいただけると思います。
もっとも、市は「だからこそ対象児童数が多く、市が独自で支給した場合、巨額の財政負担が必要となるため、できない…」ということになるのだと思います。
この問題については、市は国に振り回されっぱなしですし、必ずしも市のことを責める気にもなれないんですよね。
とはいえ、やっぱり、「これで『子育てするなら西宮』はないやろ…」とも思うわけで。

なお「世帯収入ではなく、世帯主の収入で判断するのは不公平…」という話にもいろいろと思うところはあります。
が、そこは児童手当制度によるものであり、私の職務の範囲からは外れてしまうので、触れずにおいておきます。
というわけで、今日のブログは、このへんで。
それでは失礼いたします。