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というわけで、やや時間が空きました。
なので、ちょっと気になっていた件についてブログの更新をば。
6月議会内容を報告する最新の「西宮市議会だより」が現在、絶賛・配布中。
その中で、6月定例会の主な内容が掲載されています。
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このうち、一番左下の「中学校における35人以下学級の着実な推進と義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充に関する意見書」については、市議会だよりに掲載されているとおり反対多数で否決されました。
私と私が所属する「会派・ぜんしん」も、当該意見書には反対しています。
ただ「少人数学級って、子供たちの学びのためにもいいんじゃないの?なんで反対するの??」という思いをお持ちの方、少なからずいらっしゃると思うんですよね。
というわけで、今日はこれについて。
まず大前提として、私は、これからの次代を担っていく世代の支援に繋がる政策・施策は強力に推進していくべきだと考えています。
一方で、厳しい財政状況の中、財源は限られていることもあり、費用対効果の高い施策に集中していくべきだし、そうでない施策についてはむしろ見直していくべきとも考えています。
そういう観点から見たときに、少人数学級は極めて費用対効果の低い施策とされているんですよね、やや意外に感じる面もあるのですが。
この分野において、もはや古典的名著ともいうべき大ベストセラー『「学力」の経済学』では
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●1985年から89年にかけて、米国のテネシー州政府で行われた少人数学級に学力を上昇させる効果があるかを明らかにすることを目的とする実験
●開発途上国で500以上もの教育に関する実験を実施してきているマサチューセッツ工科大学の貧困アクションラボの研究成果
●横浜市の事例から行われた、少人数学級が子供の学力にもたらす因果効果の推計
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を紹介した上で、「国内外の研究蓄積をみる限り、少人数学級を積極的に推し進める理由は見当たりません。巨額の財政赤字を抱えている日本で、少人数学級になるときめ細かい指導ができるなどという根拠のない期待や思い込みで、財政支出を行うのは極めて危険だといわざるを得ないのです。」と断じています。
(ちなみに、同書の第4章「”少人数学級”には効果があるのか?」では、より費用対効果の高い施策として
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●教育の収益率に対する情報提供(←例えば「高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人との間では、生涯で稼げるお金に1億円の差がある」ことを知らせる)
●習熟度別学級
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等が紹介されています。)
なお、この内容に対し、予想される反論への事前説明的な内容として、この本の冒頭に近い部分で
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「教育の効果は数字では計れない」という指摘もあります。
しかし、私はそれには賛成できません。
もちろん、教育のすべての側面を数字で表せるわけではありませんが、最近の経済学や心理学の貢献によって、さまざまな過程を置きつつも、教育の効果は数値化が可能になってきています。
教育以外の政策では-地球温暖化対策も、高速道路建設も-それらにどのような効果があったのかを数字で示すことが定着しています。
そうしないと、税金を払っている国民の納得を得られないからです。
教育も、例外ではないでしょう。
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と述べられています。
こうした観点、きわめて重要であり、重視すべきだと私は考えています。
この本、とても面白く、興味深い内容だと思いますので、興味と関心おありの方は是非どうぞ。
言って頂ければ貸出もいたします。
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直感的に思うことと、厳密に検証した結果が異なるということは、残念ながらよくある話。
そうした原則を忘れず、今後も努めてまいります。
というわけで今日のブログは、このへんで。
それでは失礼いたします。