二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ③

2010年01月16日 | 癌(ガン)

アメリカでは様々なガン治療への変化の中で、日本のがんセンター総長にあたる NCI(アメリカ国立ガン研究所)のデヴュタ所長が1985年のアメリカ議会において次のように証言しています。

≪分子生物学の発達などで遺伝子の仕組みや働きが詳しく調べられるようになってショキングなことがわかった。それはガン細胞の中には抗ガン剤対抗遺伝子(反抗ガン剤遺伝子:ADG)とも呼ぶべき遺伝子があることだ。抗ガン剤をぶつけてもガン細胞はこの遺伝子の働きで、抗ガン剤に負けない細胞に自分自身を変身させてしまうことがわかったのだ。ガンのプロとしてこれに大きなショックを受けている」

つまり抗ガン剤ではガンには対抗できない、抗ガン剤でガンが治せないことが理論的に立証されてしまったわけです。

≪NCI所長のADG(反抗ガン剤遺伝子)証言に続いて、1988年にはガン研究・治療期間としてNCI自身が「がんの病因学」というレポートを出し、そこで決定的な指摘をしています。今村氏の著書から、さらに引用を続けます。

〈さきほどホジキン病(注;悪性リンパ腫の一種)の治療が、新しいガンを生むという指摘を紹介した。しかし話はホジキン病だけに限らない。他の多くの抗ガン剤治療も、また放射線治療も、もとのガンのほかに新しいガンを生むことを、1988年にはなんとNCI自身が3000ページの大レポート「ガンの病因学」で指摘した。
デヴュタ所長の指摘や1988年の日本癌学会で問題にだれたのは、抗ガン剤ではガンは治せないということだった。しかし、NCIのこのレポートでは、抗ガン剤や放射線治療はガンを治せないだけでなく、”抗”ガン剤などは抗ガン剤にあらず、正確には新たなガンを増やす向ガン剤で増ガン剤だということが指摘されたのだ。〉

恐ろしい話とは思いませんか。抗ガン剤はガンを治療するどころか、新たなガンを生み出す”増ガン剤”である……。
NCI所長の議会での証言からすでに22年(今年からすると25年)、NCIレポートからでも19年が経過しています。にもかかわらず、日本のガン治療の現場で抗ガン剤、放射線が大手を振ってまかり通っているのです。≫


日本でもガン治療に関しては多くの研究がなされていますが、こと治療成績ということになると、このアメリカでの報告を上回る、科学的根拠や客観的事実があるのかが問題となってきます。また何を目的に治療するのか、というのはガンを縮小させるためだけを目的とするのか、ガンを生んだ身体自体を根本から治すことを目的とするのかにより、どの治療方法を選択するのか変わってくると思うのです。

自分の身体は、医師が治すものでもなく、鍼灸師が治すものでもありません。本人の身体自体にその力があり、身体の健康はご本人の決断に委ねられます。

また、OTA(アメリカ議会技術評価局)という、さまざまな政策の立案にあたって基礎調査を行う専門機関があります。この機関が3年の時間をかけて、ガンの通常療法(現代医学的治療)と非通常療法(代替医療)について調査を実施しました(1987年~1990年)。その報告書(OTAレポート)は300ページにものぼる詳細な報告です。

≪〈3年前(1987年)、アメリカの上下両議員40名は、連名でOTAに非通常療法のことを調査するための専門プロジェクトを発足させた。40名の議員たちはこう主張した。
「通常療法では治らないとされた末期ガン患者が、非通常療法でたくさん治っている。議会はこれらの療法のことを詳しく調べ、国民に知らせる義務がある」
こうして発足したOTAのヘルス・プロジェクトは非通常療法のことを調べるとともに、現在主流となっている通常療法に関しても独自に調査し、両者の比較検討などを行った。…中略…
OTAのレポートは非通常療法による効果を数多く紹介するとともに、通常療法の欠陥を指摘し、NCI(アメリカ国立ガン研究所)やACS(アメリカがん協会)などに厳しい批判と叱責を加えているほどである。抗ガン剤ははたしてその使用を正当化するだけの根拠があるのかという疑問もで持ち出している。これは、「抗ガン剤の抗腫瘍効果は、逆に患者のためにはマイナスにしかなっていないことも多い」ことが分かったからで、こういう現代医療の欠陥に手を打たずに(正確には手を打てずに)きたNCI に対しては「これでは国民のガン・センターとはいいがたい」とまでその責任を追及している。

ガンの治療研究は医学の諸分野の中でも、もっとも熱心に進められている。読者もガン治療も年々、進歩していると思いこんでいる人が多いに違いない。そういう人には、OTAレポートの次のような指摘は不思議に思われるかもしれないし、大きなショックに違いない。
「ガン療法(通常療法=現代医学的治療)には過去、数十年ほとんど見るべき進歩がなかった。〉
つまり、1971年にニクソン大統領が号令を発した「ガン征服戦争」は、まったくの敗北に終わったことを決定づけ、ダメ押ししたのがOTAレポートです。≫


このOTAレポートには、このようなことも書かれています。

≪「生存期間や病気のない期間の伸長、さらに生の質(QOL)の向上を図ることが、望ましいガン治療の姿であるのはいうまでもない。現在までのところは生存期間の伸長できる療法は、ガン細胞やその腫瘍に直接的な効果があり、腫瘍の場合はそれを退縮させることのできる療法だと考えられている。確かに場合によって腫瘍を小さくすることが、その腫瘍のある位置、腫瘍の大きさゆえに患者を苦しめている苦痛を軽減させ、生存期間を延ばし、さらに生の質をも向上させる場合がある。しかし、多くの抗ガン剤は激しい副作用を伴っていて、腫瘍を縮める効果が必ずしも生存期間の伸長という治療の本当の目的にはつながっていない」〉

日本の抗ガン剤治療に関しては、

少し回りくどい説明ですが、要するに現代西洋医学のガン専門医たちは「ガンを小さくすること」を治療の第一義にしていますが、それが患者さんのためになってはいないということです。これは現在の日本にもそのまま当てはまります。抗ガン剤治療は「四週間にわたって腫瘍が縮小した」ということだけで「効果あり」とされ、専門医は得意になります。しかし、その間、患者さんが直面するつらい副作用に対してはもちろん、四週間後に再び腫瘍が大きくなっても、そのことは知らん顔です。≫

副作用に関しては様々な対症療法が行われるようになってきましたけれども、依然、ガン細胞以外の細胞には非常に強いダメージがあるということには変化がありません。

また、抗ガン剤の認可を行っている厚生労働省では、

≪厚労省の紀平担当技官に「抗ガン剤はガンを治せるのか?」と質問。すると回答は①ガンを治せないのは常識…には驚きます。さらに②猛毒物である、③強い発ガン性物質、④多臓器に発ガン、⑤ガン細胞は耐性を持つ…なども”周知の事実”とアッサリ認めたのです。また同省保険局の麦谷医療課長も「抗ガン剤はいくら使っても効かない」と公言しています。≫

抗ガン剤の認可基準が、4週間投与し、10人中1人のガン細胞が縮小すれば認可されるのです。4週間投与するとガン細胞は抗ガン剤に対して耐性を持ちます。ということは、4週間後のガン細胞は衰えた周囲の正常細胞をよそに大きくなっていきます。抗ガン剤治療後、標的のガン細胞が大きくなろうが、他に転移しようが、抗ガン剤の薬としての認可基準には関係ないということです。

OTAレポートによると、東部共同ガン研究グループ(ニューヨーク大・シカゴ大・アインシュタイン大・など20近くの大学病院、研究所などが参加)の治療実験では…

1年7か月かけて、743人の肺ガン患者(Ⅳ期)を対象に広範な実験を行いました。
①マイトマイシン、シスプラチン、ビンプラチンなど三種の抗ガン剤を同時に与える組
②シスプラチン、ビンプラチンの2種を与える組(幾組もの抗ガン剤の与え方)
③カルボプラチン ④イプロプラチン などどれか1種しか与えない組
に分けて治療実験が行われました。結果は…

抗腫瘍効果→①20%の患者に効果 ②は13%に効果 ③は9% ④は6% という結果。

検討されたのはこれだけではなく、
①・②→副作用がひどく、白血球減少症からくる細菌感染症や不造血性貧血(血球の再生ができないために血中のすべての細胞が減少してしまう状態)のため、薬投与数週間で亡くなる人もあった。ひどい副作用や命にかかわる副作用が多く、命にかかわる副作用は③・④の7~11倍も出た。

生存期間→①=22.7週、③31.7週だった。

腫瘍を小さくする効果の大きい薬(その組み合わせ)ほど副作用もひどく、生存期間も短いということが言えます。OTAレポートでも「抗腫瘍効果が必ずしも患者のためになるものではない」と報告されています。

≪ここに、抗ガン剤治療の本質が明らかにされています。ガン専門医たちが「ガンを小さくすること」に躍起になり、多種の抗ガン剤を投与すればするほど、ガン細胞とともに患者さんの命も縮まるわけです。≫

また、放射線治療についても、OTAレポートでは
≪このOTAレポートは放射線治療の危険性についても指摘しています。〈「腫瘍が再び大きくなり始めるまでの期間も、また生存期間も長かったのは、それまで放射線治療を受けていなかった患者たちだった」この記述からは放射線の副作用がうかがえる。なお、この実験は、実験に使った薬の働きを確かめるために、それ以前はどんな抗ガン剤治療も受けなかった患者ばかりを集めて行ったので、放射線治療の逆効果も浮き彫りになったと考えていい。〉≫

現代医療の治療を受けてガンが治った人もいると思いますが、それは抗ガン剤が治したのでも、放射線が治したのでもなく、身体に張り巡らされている免疫系を主とした防御ネットワークの働きが治し、それが抗ガン剤や放射線の作用を同時に抑えられたからだと思うのです。実際、ガンによる死は増加しているのですから。

長くなりましたが、もう少し、最後のパート④までお付き合いください。
最後の流れ、そして代替医療、鍼灸治療を行う私はこの問題をどう考えていくのか、そんなことを書いていきたいと思います。

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体の中にある』 真柄俊一 著
       『いまの食生活では早死にする 改定最新版』 今村光一 著
       『ガン勝利者 25人の証言』 今村光一 著
       『消費者に隠された100の真実 知ってはいけない!?』 船瀬俊介 著

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ②

2010年01月16日 | 癌(ガン)

≪ニクソン大統領はウォーターゲート事件の責任をとり1974年に辞任、代わってフォード政権となりました。このフォード大統領の業績でよく知られるのが、1975年のベトナム戦争終結に断を下したことですが、同じ年、大統領は別の決断を下していました。

当時のアメリカはがんや心臓病、糖尿病、肥満などの生活習慣病を患う人が急増し、国民医療費も急速に膨れ上がっていました。医学が進歩していると考えられていたアメリカで、医学の研究に莫大な研究費を注ぎこんでいるにも関わらず患者が増え続けている。何かが間違っているのではないか?―そう考えたフォード大統領はその疑問を究明すべく、アメリカ上院会議に「栄養問題特別委員会」という機関を設置したのです。

関係するあらゆる分野の有能な専門家を集結させ、国家的な大調査を指令しました。そしてその委員長に任命されたのが、1972年の大統領選挙でニクソン大統領に敗れた民主党の大統領候補ジョージ・マクガバン上院議員でした。…中略…

さて、フォード大統領に命じられたマクガバン氏ら栄養問題特別委員会は、さっそく19世紀以降におけるアメリカの病気の変化と、それに対応する食生活の変化を歴史的に追跡し始めました。すると150年前には腸チフスや結核など、細菌による伝染病で病死する人が多く、がん、心臓病、脳卒中などの病気が皆無に近いことがわかりました。
さらにヨーロッパなどの先進国を調査しても、150年前はがんや心臓病などはほとんど見当たりません。調査地域を広げて世界各国を見てみると、アフリカやアジア、中近東などの、いわゆる発展途上国では過去はもとより、現在もそうした病気が少ないと分かりました。

欧米諸国の150年前と、現在との違いは何か? 現在の欧米諸国と、発展途上国との違いは?―そこに共通するのは”食生活の違い”に他なりません。
栄養問題特別委員会は、アメリカだけではなく世界中から資料を集め、多くの国から学者を呼び寄せて証言を求めるなどして、人々の食生活と病気や健康状態との相関関係を分析しました。証人喚問に応じて資料レポートを提出した各国の医師、生物学者、栄養学者など専門家だけでも、実に3000人を超える大がかりな調査になりました。
そして、2年の歳月を費やし、1977年に完成したのが「マクガバン・レポート」だったのです。総ページ数、約5000ページ。正式には「アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書」と言いますが、委員長だったマクガバン氏の名を取り、今では世界中でそう呼ばれています。≫


追求しはじめたことは、反省を踏まえ、観方を変えてアプローチする。それもとことんやり通す。ここがアメリカのすごいところでもあるのかもしれません。その結果、食生活や栄養問題がクローズアップされ、これが国民の本当の健康に繋がっていくのですから。

この「アメリカ上院栄養問題特別委員会がこれほど熱心に審議調査を続けた理由は、

≪「<ガン、心臓病をはじめ多くの病気が増えている。そして進歩したとされるアメリカの医学を活用し、しかも巨額の医療費が注ぎこまれているのに、アメリカ国民は病気ばかり増えてますます不健康になるばかりだ。この原因を解明し根本的な対策を立てないことには、アメリカは病気で滅んでしまう。われれわれは何か重大なことを見落としていたのではないか。また現代の医学が進歩していると考えていること自体も間違っているのではないか」≫

と委員長であるマクガバン氏の言葉が全てを語っているようです。

そして、この報告書では審議調査の結論として重要な結論がいくつか出されたました。その中のもっとも重要な結論は
≪(1)ガン。心臓病、脳卒中などアメリカの六大死因となっている病気は、現代の間違った食生活が原因になって起こる”食源病”である。この間違った食生活を改めることで、これらの病気を予防する以外に先進国民が健康になる方法はない。
(2)現代の医学は薬や手術といったことだけに偏り過ぎた、栄養に盲目な片目の医学であった。栄養に盲目でない医学につくり変える必要がある。≫

の二つでした。

このマクガバン・レポートは当時の世界各国、とくに先進国の学界にも、一般の国民にも大きなショックを与えました。それは当時、医学界や栄養学界なども気づかなかった大きな問題を、公式の立場から初めて指摘したからでした。

この報告書の中で、トロウエル博士(イギリス王立医学会議)が、イギリス政府から派遣されて、アフリカ(ウガンダなど当時の英国領)で顧問医師として勤務していた1930年~60年に3年間「先進国ではごく普通の病気になっているが、私の在勤中のアフリカ諸国にはほとんどこんな病気はなかった」と証言されています。

こんな病気とは、便秘、盲腸炎、大腸憩室炎、痔、潰瘍性大腸炎、大腸ガン、大腸ポリープなどの消化器疾患、肥満、糖尿病、虚血性心疾患、動脈硬化症、静脈血栓症、胆石、痛風、腎結石、脳卒中、高血圧などの代謝・血管病、橋本病、アジソン氏病、低血糖、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、変形性骨炎、悪性貧血、乳がん、などの内分泌疾患、などです。

残念ながら、それ以降、文明が入ってきたアフリカにはこのような病気が徐々に増えていったようです。

また、博士は「アフリカの黒人たちを徴用してイギリス軍に入れる。するとイギリス的な病気(つまり上記のような病気)にちゃんとなる」と言っており、病気は人種的な体質の違いで起こるのではないことを多くの事例から証明されています。

≪「現代病は、現代医学では治らない」と、マクガバン・レポートは明言しています。ガンは現代病の代表であり、マクガバン・レポートはニクソン前大統領のガン征服戦争に、別の視点から回答を出したとも言えるのです。アメリカ政府はレポートに基づいて矢継ぎ早に新政策を打ち出すことになります。

その辺の事情を、前出の『アメリカはなぜ「ガン」が減少したのか』の著者、森山氏はこう記しています。
〈マクガバン・レポートは「病気は菌によってだけ起こるものではなく、食事や栄養の摂り方の歪によっても起きる」ということを初めて公の場で明らかにした文章として大きな意義を持っています。アメリカ政府は1977年以降、マクガバン・レポートの結論に基ずいた政策を打ち出すようになりました。
例えば1979年には、アメリカ厚生省が健康政策の数値目標を定めた「ヘルシー・ピープル」を作成しました。これはアメリカ国民の健康レベルについて数値目標を設定し、その目標に到達するための疾病予防・健康増進対策を体系化したものです。ヘルシー・ピープルは1991年から始まった「ヘルシー・ピープル2000」へと続き、現在は「ヘルシー・ピープル2010」が実施されています。…中略…

1982年、アメリカ国立科学アカデミーが「食と栄養とガン」という研究報告書を作成。食習慣の改善がガン予防に繋がると明記されており、アメリカ国民はもとより、世界中の人々が食と栄養の重要さを認識するきっかけを与えました。報告書は、ガン予防に効果のある成分として食物繊維、抗酸化ビタミン、カルチノイド、グルタチオン、リン脂質、イオウ化合物、フェノール酸をあげ、またガン予防にマイナスに働くのはカロリー、脂肪、塩分の摂りすぎや、高温過熱を施した食品であると指摘しています。

1990年にスタートした「デザイナーフーズプロジェクト」は、植物性食品によるガン予防効果に焦点を当てた国立ガン研究所の試みです。ガン予防に有効と思われる食品の約40種をピックアップし、それぞれの重要度を示すピラミッド形の図を作成して、積極的な摂取を呼びかけました。〉

こうして見てくると、ガンに対するアメリカの取り組み方の真剣さ、徹底ぶりがよくわかると思います。マクガバン・レポートをきっかけにした諸政策は、ガンなどの予防に焦点を置いた食生活の見直しです。≫


さて、ここまではマクガバン・レポートの発表から、その後のアメリカの政策を見てきました。食生活の改善がガンを予防するということです。それはガンになってからでも同じであり、免疫力の強い身体をつくるためには、まず食事、栄養摂取が重要だと言うことです。

この部分が欠けていたのでは、ガンを治すこともできないし、ガンを予防することなど到底無理なことであると思います。

さて、パート③では、ガン治療に焦点を当ててみて行きましょう。

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体の中にある』 真柄俊一 著
       『いまの食生活では早死にする 改訂最新版』 今村光一 著

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ①

2010年01月16日 | 癌(ガン)
日本のガンに罹る人、あるいはガンによる死亡率は年々上昇しています。2004年統計での年間死亡総数は102万9千人、そのうちガンで亡くなった方は約32万人と3人に1人がガンで亡くなっています。2015年には2人に1人がガンで亡くなると予測されており、ガン患者も2004年統計に比し250万人も増加すると予測されています。これは厚生労働省の統計です。
また、その原因は高齢化にあると考えられています。なぜ、ガン患者、ガン死亡率とも増えると予測できるのか 増加の根本の原因が高齢化がベースにあるというのは本当かと疑問に思います。

また、私自身も父を胃ガンで亡くしており、私の周囲にもガンに罹る人を多く見聞きします。家族がガンによる治療を受けていたことや、患者様の中にも現代医学でのガン治療(手術・抗がん剤・放射線治療)を受けていた方に接し、こんなに副作用で苦しんで、本当にガンが治るのか 医師はガンをよく”叩く”と表現しますが、本当にそれで身体は治っていくのか ガンを治すのは薬や手術ではなく、患者の身体ではないのか など様々な疑問が湧いてきましたので、いろいろ勉強させて頂いています。

冒頭に書いたように、日本ではガンが増加しています。しかし、欧米ではガンが徐々に減少しています。この差はなんなのでしょうか。欧米にあって、日本にないものはなんなのでしょうか。20世紀初頭のアメリカには、現在のようなガンや心臓病、糖尿病などの病気はほとんどなかったと言います。そこからの疾病構造の変化から、様々なアメリカの取り組みや、日本の国民にはほとんど知られていない情報を交え考えていきたいと思います。

≪アメリカ癌コントロール協会日本支部代表・森山晃嗣氏は、その著書『アメリカはなぜ「ガン」が減少したか』で、こう述べています。
〈アメリカでは1990年以降、国民のガンの罹患率、死亡率ともに減少しています。…中略…最も衝撃的だったのは、1998年に米国ガン協会(ACS)や疾病抑制予防センター(CDC)などの合同研究チームが「アメリカのガンの罹患率と死亡率が低下している」と初めて発表したときです。研究チームは人口統計調査や死亡確認書などをもとに、1973年から1995年までのガン罹患・死亡率の推移を測定して報告書を作成しました。
それによると、アメリカ国民のガン罹患率は1973年から1989年まで毎年平均して1.2%ずつ増加していたのに、1990年を境に減り始め、1990年から1995年までは毎年平均0.7%ずつ減少。死亡率も5年間で2.6%低下しました。…中略…1996年以降の調査はまだ発表されていませんが、1992年から1998年までは罹患率、死亡率とも年平均1.1%の減少という報告があります。〉森山氏は続けてこう訴えています。
〈これはどうしたことかと疑問を抱いたとき、私は「アメリカにあって、日本にないものはなんだろう?」と考えてみました。そして最も大きな違いとして思い当たったのが、両国における代替療法の位置ずけだったのです。〉≫


アメリカも長い間をかけて”ガン”の研究や治療法開発に取り組み、様々な方法を探った時期があっての結果です。それもアメリカはトップの大統領をはじめ政府、議会、医学界が一丸となって徹底的に追及し、正面から疾病に向き合う姿勢がありました。

日本においても近年、代替医療(鍼灸を含めた)に関する国公立大学での研究に文部科学省や厚生労働省から援助が出ています。また、東洋医学研究所 所長 黒野保三先生が研究所HPの平成22年1月 コラムでも書かれているように、厚生労働省の主導で、東京女子医科大学 大野 智准教授を中心とした「がん代替医療の科学的検証研究」という研究班を立ち上げました。3年後に結論を出す目的で作業に入ったということです。このように国においてもやっと代替医療に目を向けてきたというのが日本の現状です。

≪アメリカにおける通常療法と非通常療法の闘い、言い換えれば現代西洋医学と代替医療の闘いは、実に長い歴史を有しています。何しろ人類史上初めて人間を月面に送った世界の超科学大国アメリカですから、現代西洋医学と代替医療の闘いも圧倒的に西洋医学側の優勢で進んできました。ところが、それがおかしいということに自ら気づいたのです。…中略…(和田 努氏と帯津良一医師との対談集『ガンの治療法はこれほどある』の引用)
〈科学がすべてを解決してくれると考える信仰があるようです。ガンという病気は近い将来、科学が解決してくれると信じている人は多いのではないでしょうか。
科学が、ガンを制圧してくれると信じたのは”科学の国”アメリカでした。ラルフ・W・モスというアメリカの科学ジャーナリストが書いた『がん産業[1] がん治療をめぐる政治的力関係の構図』にはこんふうに書かれています。

「がんの征服がもっともらしく語られ始めたのは、20年ほど前のことである。当時アメリカは月に人間を送りこんだところであり、まるでそれに続けと言わんばかりの雰囲気だった。およそ絶対不可能だと思われていたことを成し遂げた国であれば、人類が最も恐れる病気もまた征服できないはずはないという楽観的風潮に包まれていた」

アポロ11号の宇宙飛行士が、人類初の足跡を月面に印したのは1969年7月10日のことです。人間を月に送りこんだ科学の力は、ガンを征服することは可能だと考えたのでした。アポロ11号の成功は”アメリカン・ドリーム”という感じでした。私たち日本人も、月面を飛び跳ねるような宇宙飛行士の不鮮明なテレビの映像に釘づけになったものです。

米国議会は「全米ガン征服諮問委員会」を設けました。委員のラルフ・ヤーボロー上院議員は諮問委員会の最終報告書に寄せられた序文の中で、ガンとの全面戦争に突入すべきであると述べています。
「ガンは征服可能な病気である。ガンの研究分野におけるわれわれの進歩は恐ろしい病気を早期に発見し、コントロールするという点で今まさに重要かつ刺戟的な発展の最中にある」…中略…
アポロ計画は間もなく撤退されることになりました。アメリカとしては膨大な浪費とみられていたアポロ計画から手を引く必要があったようです。アポロ計画と引き替えのように打ち出されたのが「がん征服戦争」だったのです。1971年1月の一般教書でニクソン大統領は医療、医学研究、とりわけ、がん治療研究のために特別な支出を提案し、宇宙開発に向けていた力をがん征服のために向けると演説しました。

1971年12月、ニクソン大統領は「がん関連法案」(ナショナル・キャンサー法)に署名しました。いわゆる、がん征服国家戦略がスタートしたのです。ナショナル・キャンサー法にはこう書かれていました。
「建国200年祭すなわち1976年までに、全米レベルでの征服が達成されるべきものとする」と。
そして、ニクソン大統領は、「核開発や月面到着で見せたあの実力を結集しよう」と呼びかけました。しかし、アメリカ建国200年祭の1976年までに、がんは征服されたでしょうか。答えは明白です。アメリカでも日本でも、そしてほかの国々でも、がんは相変わらず、多くの人びとを死に至らしめる病気であることは変わりないのです。あれだけ大々的に打ちあげられたアメリカのがん征服国家戦略も、際立った成果が上がりませんでした。人びとが夢みたような画期的な抗がん剤も生まれませんでした。〉

和田氏が「戦争」と呼んだように、実際に超科学大国アメリカでは、全米医学界、薬学界の総力を挙げ、基礎研究から新しい抗がん剤開発に至るまで、あらゆる分野でがんを征服しようと挑みました。それから30年近く経ったのち、「サイエンティフィック・アメリカン誌」は「がんとの闘い」というタイトルで特集を組み、「戦いは負けた」と結論づけたのです。≫


アメリカでは今から30年以上も前からガンへの国を挙げた取り組みがなされていました。人間が創造した高度な科学水準をもってガンに挑みましたが「戦いは負け」という結果でした。このアメリカが行ってきた道程を、アメリカという過去にいい例があるにも関わらず、そこから学ばず同じことを繰り返しているのが、今の日本のガン医療であるような気がしてならないのです。これでは、このような情報を知らない国民の大事な命が危険に晒されると言っても過言ではないのかもしれません。

この辺りも、日本のガン患者や死亡率が減らない原因であるように思うのです。

さて、これを受けてアメリカはどう進んでいったか、パート②でみていきたいと思います。

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体のなかにある』 真柄俊一 著
       『がんの教科書』 中川恵一 著

二葉鍼灸療院 田中良和  
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