二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第1回 中央学術研修会 参加 ~石川県鍼灸マッサージ師会~

2010年06月04日 | 鍼灸
5月23日(日)、石川県鍼灸マッサージ師会が開催する中央学術研修会に参加してきました。

この日、朝から小雨が降っていました。実は、この日は星稜野球部の練習試合が滋賀県で行われる予定になっており、「ドライブがてら滋賀県まで行ってくるか」ということで、朝5時に滋賀県へ出発しましたが…結果は途中(福井あたりから)から激しい雨となり、やっぱり中止。トンボ返りで午前10時からの研修会に出席したわけです。

☆第1回 中央学術研修会
 日 時:平成22年5月23日(日) 午前10時~11時45分
 場 所:金沢勤労者プラザ 405号室
 演 題:「日常診療のピットフォール(落とし穴)」
 講 師:はしもと医院 院長 橋本秀樹 先生
       日本東洋医学会 北陸支部 石川部会長
       日本東洋医学会指導医


滋賀県からトンボ返りで戻ってきましたので20分ほど遅れて参加しました。

会場は、そんなに大きな会場ではありませんでしたが、満席でした。50名弱ほどでしょうか、皆さん雨にも関わらず勉強熱心だと感じました。しかし、これが当たり前なんですよね。知らないことの方が多い医学の世界です。鍼灸医学も同様です。最新医学は日々進歩しています。そんな中、医療の一端を担う鍼灸師が勉強しないこと自体が不自然なことなのですが…

さて、橋本先生は、金沢市内で「はしもと医院」を開院されており、内科を中心に診療され、漢方治療を取り入れ総合的に患者様に対応されています。東洋・西洋両医学に精通された先生です。また、鍼灸治療においても鍼灸師3名をスタッフとし、院内で鍼灸治療も行っている開業医としては、たいへん珍しい先生でもあります。


 講師の橋本先生

今回の講習会は、「見逃し症例から学ぶ」などの書籍や、先生の臨床経験から、多くの症例を参考に、現在の身体症状の裏に隠された器質的疾患や重症な状態を解説して頂きました。その中でも、日頃、鍼灸院へ来院するような、上下肢の痛みやシビレ、胸痛、腹痛、背部痛、腰痛、関節痛などを中心に、多数の症例から勉強することができました。



この講習会のお話の中で印象に残っている言葉は、
「病気や症候を知っておくこと。そうしなければ患者を前にした時、どのような状態なのか何も想像できません」
というものです。

今回の多くの症例でもそうなのですが、知っていることより、知らないことのほうが多いのです。だから診療においても常にこれでいいのか思考し、反省し、知らないことを自覚して勉強することが鍼灸師には必要なのです。

人間の身体を診るというのは難しいな~と実感しました。日常臨床において、ありふれた症状や、皮膚や筋肉に現れる状態こそ、注意深く観て、聞くことが大切であると感じました。忙しく治療で走りまわっている時こそ、しっかり患者さまの言葉や訴え、身体に現れている症状を見逃さないように注意しようと思いました。

重篤な命にかかわるような疾患で鍼灸院へプライマリィケアとして診察を受けにくる患者さまはほとんどいません。しかし、今回のような痛みで来院する患者さまの中にも、症状や所見によっては、鍼灸院で治療するより、病院で処置してもらったほうが早く回復する場合や、病院へすぐに送らなければいけない場合もあるわけです。

それを意識しているか、していないか、それだけでも患者さまのためにもなるし、鍼灸院や鍼灸師の医療としての信頼にも繋がってくることだと感じます。

講演の中で、例えば「最近、高血圧の治療に利尿剤が多く使用されるようになっています。実は、その副作用として痛風が出ることがあります。特に高齢者の女性の方に多いのです。」という、耳より情報もいくつか聴くことができて、本当に勉強になりました。

酔耀会の豊島先生は、この「はしもと医院」で数年間、勤務し勉強していました。いわば、橋本先生は師匠ということですかね。ということで、学術部長の中田先生は都合で今回、学術研修会に参加できなかったため、豊島先生が座長を任されたのでした~。


 座長の豊島先生

最後は、シーンとならないように、少しユーモアを加えて、私も質問させて頂きました。

いつも思うのですが、「勉強をすることが当たり前」という具合に、私の体に”自然に勉強する種”を植え付けて頂いた師匠の黒野先生に感謝するのです。私は本来ナマケモノですからね…

二葉鍼灸療院 田中良和

コメント
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