二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第59回 (社)全日本鍼灸学会学術大会 参加報告③

2010年06月25日 | 鍼灸
6月11日~13日にかけて大阪において開催された、第59回(社)全日本鍼灸学会学術大会への参加報告パート3です。

この学会には石川県からも多くの先生方が参加されました。多くと言ってもこのような大会に顔を見せる先生方は”いつもの顔ぶれ”なんですがね。もっと多くの鍼灸師が参加して欲しいのですが…その辺りは本人の自覚しかありませんね。

さて、いつも勉強で研鑽している酔耀会のメンバーも学会に参加しました。全員ではないのですが、会った先生方を激写しました~


 宮川先生と おフィアンセのアズマ先生で~す
 学会中も、いろんな意味で熱がこもっていて いいんじゃないですか


 線維筋痛症のポスター発表を聴いている豊島先生
 真剣に 怒って 何かを狙っている そんな形相ですね
 おそらく質問など優し~くしたんでしょうな~



 最近、酔耀会へ入った太田先生。昨年度、明治国際医療大学を卒業しました。
 その卒論として「アトピー性皮膚炎に対する鍼治療の臨床的効果」を発表
 関西人(神戸人)ですので、なかなか堂々とした発表でした~。
 突っ込みどころはたくさんありましたがね~
 彼は、今年から金沢医療技術専門学校の教員として金沢へ来たのでした。

酔耀会メンバーの石田先生も出席されていたようですが、会う機会がなく残念でした~。

12日の日程が終了後、リーガロイヤルホテルにて懇親会があり、出席しました。

やはり立食は落ち着きませんね。昨年の埼玉大会の懇親会では1時間も挨拶の時間があり、”帰ろうかな”と思ったくらい前置きが長かったのですが、ことしはそのようなことはありませんでしたね。良かった良かった

料理はこんなものかな~って感じです。皆さんが満足するだけの量は昨年よりは十分にあったので、これも良かったと思いましたね

やはりお酒が入ると饒舌になりますね~ お酒はいいですね~ 飲みすぎなければ




 懇親会にて、愛知の先生方と新潟の先生方。
 この写真の中に、安保先生(新潟大学)の研究室へ入っている先生が2人いるのです
 安保 徹 先生は著書もたくさん出しているので有名ですよね。
 そのうち一人が、東洋医学研究所で数年間一緒に暮らした仲間なのでした。

学会報告の締めくくりに、懇親会でも、酔耀会メンバーとの話の中でも話題になったのが、この学会でも大きく取り上げられていた、美容鍼灸とスポーツ鍼灸です。この2つは最近よく話題にのぼったり、講習会などで多く取り上げられようになっています。

明治国際医療大学での卒論の人気もこの2つが多いのだとか…。

美容鍼灸も一つの可能性としてありなのだと思いますが、これも仕事としての一つでしょう。学会で積極的に取り入れていくのはいかがなものかと思いますね。これはホントに医学として確立していくのでしょうか。また、経済の先行きが不透明な昨今、これから悪くなることはあっても良くなることは難しい経済状況にあって、鍼灸の中で真っ先に苦しくなるのはこの分野ではないかと思うのですね。

もっと力を入れてやることがあると感じます。世の中の流行りにのっていくことも大切だと感じますが、こと医学や研究に関しては流行りを追求していくというのは学会の方針としてはどうなのかなと感じますね。業団が経営の一環として取り上げるなら理解できますが。

スポーツ鍼灸の分野も取り入れていけばいいと思うのですが、この分野は柔道整復師と重なる分野ですし、どうも今の取り上げられ方だとアスリートのスポーツ鍼灸というものに人気が集まっているように感じるのです。スポーツも成長期から青年期、壮年期と年代によって身体機能も運動能力も違ってきます。それに応じたスポーツ鍼灸を取り上げていくべきでしょう。そうすれば、その中で鍼灸治療という技を活かした分野が確立されていくんではないかと思います。

私は成長期のスポーツ選手をよく診ているのですが、とくに鍼灸治療により効果的なことや、これは鍼をやったほうが治りが早いということが多々あります。しかし、念頭に置かなければいけないのは、この分野こそ、鍼灸はスポーツ選手を支える一つの手段であるということです。鍼灸治療が全てではないのです。その辺りを分かって、それでごはんが食べていけるくらい精通するんだ、という気概をもってスポーツ鍼灸に取り組むのならいいと思うのですが…

鍼灸本来の効果というのは、もっと深いものがあると思います。学校で勉強する、あるいは卒業したての鍼灸師が、美容やスポーツなど流行りで物事を視るという方法論はやめた方がいいですし、その辺りの教育もして欲しいと思うのです。若い鍼灸師の可能性の芽を摘みとらないためにもね

さて、そんなこんなで長いこと書いてきましたが、今年の学会報告を終了したいと思います。

さーて、来年は発表でもしようかな~と考えてます。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第59回 (社)全日本鍼灸学会学術大会 参加報告②

2010年06月25日 | 鍼灸
6月11日~13日にかけて大阪で開催された、第59回(社)全日本鍼灸学会学術大会の参加報告パート2です。


 会場のグランキューブ大阪 最上階よりの風景 都会だな~

今回の学会での東洋医学研究所グループの先生方の発表は20題です。一般口演とポスター発表を合わせると313題。そのうち20題がグループの先生方であり、鍼灸院のグループがこれだけの演題を出している所は日本全国探しても他にはありません。大学は別ですよ。
これは、日頃からの鍼灸医療・医学に対する研究、要は鍼灸治療を向上=患者さまのため、という他利の精神が息づいているということです。東洋医学研究所の所長であり師匠の教えが受け継がれています。

さて、東洋医学研究所グループの発表をご紹介します

≪一般口演&ポスター発表≫
 ・腹部への鍼刺激による胃電図の変化           甲田久士 
 ・心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価(1)
   -腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-    各務壽紀
 ・心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価(2)
   -膻中穴鍼刺激による自律神経反応の評価-    石神龍代
 ・心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価(3)
   -膻中穴と中庭穴との比較検討-            山田 篤
 ・心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価(4)
   -新しい心臓副交感神経の指標DCについて-    皆川宗徳
 ・高血糖ラット胃平滑筋運動に対する鍼治療による神経制御の変化
                                   福田裕康
 ・鍼灸院における糖尿病患者の実態調査          中村弘典
 ・不定愁訴に対する鍼治療の検討 健康チェック表の解析(1)
                                   角村幸治
 ・腰痛に対する鍼治療の検討(10) 
   -RDQを指標とした他施設での検討-         河瀬美之
 ・鍼灸院における来院患者の実態調査           近藤利夫
 ・鍼灸院における睡眠に対する鍼治療の実態調査     滝田怜未
 ・アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の一症例       橋本高史
 ・アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第4報)
   -2008年スギ花粉飛散期における検討-       中村 覚
 ・アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第5報)
   -2009年スギ花粉飛散期における検討-       角田洋平
 ・鍼灸院における花粉症患者の実態調査          井島晴彦
 ・当院不妊症患者における脱落症例の検討         森 誠一郎
 ・不妊症患者の身体症状と妊娠との関連性の検討(その1)
   -ARTと鍼灸を併用した妊娠例での検討-       深谷悠平
 ・不妊症患者の身体症状と妊娠との関連性の検討(その2)
   -自然妊娠、一般不妊治療の妊娠例の検討-     渡邊由香
 ・不妊症患者の身体症状と妊娠との関連性の検討(その3)
   -妊娠に至らなかった症例での検討-          木津正義
 ・ラムゼイハント症候群に対する鍼治療の1症例       西田 修











 上より、各務、皆川、師匠の黒野先生、滝田、橋本、中村覚、角田、井島、西田の各先生

常に患者さまのために、世の中が健康で笑顔あふれる社会になるため、勉強し、研究し、研鑽していく姿勢が鍼灸師には大切ですね。臨床に繋がらない、すぐに治療に応用できないから学会に参加しないという方々もいますが、それは考え方の問題、ものの捉え方の問題です。自分次第でいかようにも自分磨きのための材料が見つかるというものです

私も頑張らないといけません。

11日(金)の夜は、師匠の黒野先生と弟子数人が先生を囲み食事をともにさせて頂きました。本日の学会のこと、鍼灸界のこと、鍼灸の研究のこと、近況報告など、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
さすがお料理も一流でしたので、先生と話をさせて頂きながら、日本料理ならではの繊細さと、絶妙な味加減を堪能しながら楽しい時間を過ごさせて頂きました。


 日本料理「なだ万」さんで夕食を頂きました~

お酒も若干入っていました。場の雰囲気を観ながらですが、私の信条としては、「精魂込めてつくってもらった日本酒(他のお酒でも 特に日本酒は」を飲んだ時は、楽しく、笑顔で、幸せな空気を味わうのだそれがお酒に対しての礼儀だ な~んて思ってるんですね。

ですから、お酒が入ってきた時には、場が明るくなるように、楽しくなるように、そんな言葉をどんどん発していくわけです。ちょっと暴走する時もありますが…ご勘弁を…

会席での師匠の話の中で、これは得たりと思った一言は、
「田中君は、まだ右も左も分からない高校を卒業してすぐに、ここ(東洋医学研究所)に修行に入って10年間過ごしたから、知らないうちにここの良さが沁み込んでいるんだ」
と言って頂いたことですね。これは最近よ~く実感するのです。それが何かと問われると一言では言えないのですが、状況判断というか、現況の把握とか、物事の観方、考え方、捉え方というか、修行時代の一つ一つの出来事、指導に意味があったんだ、と実感しているわけですね。

本当に、いい師匠を持てたことは、人間業ではない大きな力が働いているような気がしますが、有り難いことです。


 東洋医学研究所 広報担当 山田 耕 先生

と言った感じで、参加報告パート3へと続きます。

二葉鍼灸療院 田中良和
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