星稜高校高校野球部へ帯同して20年・・・金沢に帰り開院と同時にトレーナー活動も開始しました。
平成10年ですから、夏の甲子園は第80回記念大会でした。私が名古屋での修行時に時間をみつけて選手の治療に行かせていただいておりました愛工大名電高校もその大会は出場しておりました。
松坂大輔 選手(現 中日ドラゴンズ)が横浜高校3年の時です。ノーヒットノーランで優勝を飾った時です。その時、星稜高校は3回戦で横浜高校と対戦しました。
今でも半人前ですが、その頃は開院したと言ってもまだ鼻たれ小僧のトレーナーでした。もう一人のトレーナーの先生に指導を受けながら帯同し、「治療院は大丈夫か」(※治療院は休診にして甲子園へ帯同しております)と心配に思ったくらいでした。
昔の話はこれくらいにします
今回の第137回北信越地区高校野球大会の日程が、10月14日(土)・15日(日)、1週間を置いて10月21日(土)、22日(日)でしたので、前日の金曜の午後の診療を早く終了させていただき、選手の宿泊するホテルに向かうという状況でした。
22日は、順調に行っておれば決勝戦だったのですが、台風接近で風雨が強く中止となり、天気が落ち着いた26日(水)が決勝戦となりました。
もともと、決勝戦は岐阜県で開催される、全日本鍼灸学中部支部学術集会で症例報告の発表予定があったため観戦はできなかったのですけど
帯同ですので、基本、選手と一緒に行動します。
北信越地区高校野球大会は、試合の連続です。勝ち進んでいけば、投手や捕手、障害のある選手を中心に、翌日の試合にベストあるいはベターに身体を持っていけるように施術を行います。
スポーツトレーナーは、救急処置・応急処置等の知識とスキルを持たないといけませんが、施術に関しては、自分の取得・修練してある免許技術の範囲内で行います。
私は、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得しているので、その範囲の中で施術を行います。こんなことは言わなくてもいいのですが、人の身体を触るという責任がある以上、そこにプライドを持って施術させていただいております。
甲子園大会でのトレーナー帯同は、今度書きたいと思いますが、北信越地区高校野球でのトレーナー帯同は、こんなタイムスケジュールになります。
起床 6時くらい
朝食 ※ここ前後にテーピング等必要な選手は対応。
※朝食から出発までに選手への声掛けや顔いろを少しうかがう。
出発
練習する時間があれば、練習会場へ。
※練習準備を手伝いながら、何かあれば対応。
「爪切りありますか」 「棘が刺さりました」など、そんなこともあり
試合会場 到着 ※選手は試合会場へ。
※チームについてるトレーナーは高校野球の場合、球場の中には入れません。
有資格者でチーム登録があれば入れるようにしていただきたいのですが。
試合観戦 ・・・ 勝利 ※アイシング等必要であれば対応。
宿舎のホテル到着
選手ケア活動 投手・捕手・障害のある選手・疲労がたまっている選手
順番に施術を行い、明日へ筋疲労等、不安を残さない。
夕食
ミーティング トレーナーとして参加
選手ケア活動 残っている選手をケアする。
時間があればプラスαの施術を行う。
就寝(消灯)
ホテルの一室がトレーナー室 2名同時に施術します
こんな一日を過ごします。
そうです。一日中、選手とともに活動します。練習も手伝い、時にはトレーナーの仕事以外のことも行うことがあります。そこは臨機応変、チーム星稜です
いろいろなトレーナーという人がおり、いろいろな活動パターンがあると思いますが、マッサージや指圧はご理解いただけるかなと思います。そして、鍼施術も筋疲労や痛みの軽減・除去には、と理解していただけることかと思います。
さらに鍼灸施術が活かされるという部分はあらゆる症状や訴えに対応できることです。自律神経の調整ができます。まずは良質な睡眠が得られやすい。お腹の調子が悪い場合は、部長や監督に伝えますが病院に行くほどでもない場合はそのような症状にも対処できます。緊張がほぐれやすいという部分でも効果を発揮します。
また、最近多いのは花粉症やアレルギー性鼻炎です。それぞれが選手は薬を持っていますので、それで対応しているようですが、症状がきつい場合や治まらない場合があります。そこは鍼灸施術が力を発揮するところです。
あとは身体に触れながら、皮膚に触れながら、そして筋肉、筋膜に触れながら施術するわけですから、眠っている選手もいますが、いろんなことを話します。
そんな場合は、前向きになれるように、緊張から少しでも解き放たれるような言葉がけを行います。
そんな所も、スポーツトレーナーの大事なところであり、地味な醍醐味であり、コミュニケーション能力が必要なところでもあります。
そんな活動を北信越地区大会、全国高校野球選手権大会、全国高校野球センバツ大会にトレーナー帯同させていただくと、反省点や改善点を選手たちから学びます。そして、選手も試合に集中しますが、トレーナーも選手が集中できるように集中しますので、基本、頭の中は野球関連、スポーツ障害や身体の動きに集中します。
そこに、素晴らしい発想や閃きを得ることもあります。
トレーナーは常に縁の下の力持ちであり、影の存在(影の軍団)ですので、常に謙虚である必要があります。しかし、こと選手ケアやコンディショニングなどトレーナー分野のことは常に主役であるために、知識や技術の練磨が必要なのだといつも感じます。
まだまだ発展途上ですが、選手が気持ちよく、悔いなくプレーできるように、さらにスポーツトレーナー道、鍼灸マッサージ道を精進していきます
いつもお選手たちが世話になっています北陸交通さん
2017 秋 北信越地区高校野球大会 ~星稜回顧録 試合編~
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