下記からの続きを回想します
第90回記念センバツ高校野球大会 トレーナー回想録 ~対 富島高校 編~
中一日を空けての3回戦の相手は、強豪の近江高校です。滋賀県はこのセンバツ大会に、彦根東高校、膳所高校と近江高校の3校が出場しおります。また、膳所高校は1回戦で石川県から出場しているもう一つの高校の日本航空石川高校と対戦しております。
第4試合ということで、おそらくナイターになるんだろうなと少し楽しみにもしておりました。近江ブルーと星稜イエロー、どちらも阪神甲子園球場のカクテル光線に映し出されるとキレイなんだろうなと想像したからでした
選手たちは、前試合の反省点を修正し、この試合に臨みました。私もバッテリーを中心に選手たちがベターで臨めるようにサポートいたしました
第90回記念選抜高校野球大会
星 稜
近 江(滋賀県) 3月31日(土) 観客数:18,000人
試合開始;16時11分 試合終了;18時39分 ~大会第9日目 第4試合~
近 江 200 001 000 0 3 H9 E1
星 稜 000 003 000 1x 4 H9 E3
(延長10回サヨナラゲーム)
投手;竹谷君(5回1/3)-奥川君(4回2/3)
二塁打;南保君2 奥川君(サヨナラ打)
選抜高校野球 9日目 第4試合 星稜×近江
とにかくまず感動しました
ゲーム運び等細かいところは抜きにして奥川君の投打の活躍で、このゲームを掴み取りました。最後の奥川君のサヨナラ打の涙 あれは忘れられないシーンとなりました
5回までは近江ペース、6回からは星稜ペース。そしてその流れのままという試合の主導権です。
投手では竹谷君が前の試合よりは身体はキレていたのですが、まだ本調子ではありませんでした。5回途中まで投げて降板。今大会の林監督の投手交代は非常にいい流れをつくっていたと思います。
交代した奥川君、ややボールが浮いている場面もありましたが、要所要所をきっちりと決めて相手打線の勢いを止めてくれました。今大会、スピードはそんなに出ませんが、キラリ
光るストレートのキレ味と、ますます成長するだろう変化球が決まり出してきましたので、ピッチングの幅が広がったなとの思いで観ていました。
守備の三つエラーはいただけません。このようなミスが大事な試合では大きな流れを相手にプレゼントすることになります。しかし、守備は県大会・北信越大会を通じて安定しています。特にセンターの鯰田君を中心に外野はいい守備をしております。
より精度を高めることが大事なのだと思います。
ゲームも中盤となり、照明がつき始め、やはり両校のユニフォームはカクテル光線に映えてキレイでした。ナイターも私は初体験でした。選手たちもそうでした。
打撃は、竹谷君はまだ本来の調子ではありません。ここが機能すると爆発的に打線が強くなりますが、そんな時でも5番の南保君は調子がいい 本日も二塁打2本に、最後はレフト前ヒットを打ち、これがサヨナラゲームのお膳立てをつくりました
打線は、近江高校の左の好投手二人になかなか得点できない場面が続いていましたが、持ち前の集中力で6回の裏に一挙3点を挙げ同点に追いつきました(6回表に相手に加点)。この試合9安打とあまり打たせてもらえない中で、ここっていうところを逃さずビッグイニングつくることのできるチームになったんだなと私は感じました。終盤は追加点の機会もありましたが、うまく抑えられてしまうシーンもあり、まだまだ成長点はあると思います。
そして今日の主役は打撃でも奥川君です ちょっと動画を拝借いたしましたが、何度見ても感動します。近江のエース唯一の失投だったかもしれませんが、スライダーが高く浮いたところを捉え、バットに吸い込まれるような感じとなり左中間に消えていきました。
よくやったしか言えません。本日3打点の活躍です。打撃センスはあるのかどうか分かりませんが、ピッチング同様、脱力の仕方や勝負強さをみても何か持っているとしか思えません。
これで星稜高校野球部として、23年ぶりの春ベスト8進出
そして3回目のベスト8進出です
林監督が就任して、実力的には下から数えた方が早いチームがここまで来ました。
彼らは、歴史をつくりました
彼らの成長ぶりと、選手の可能性に脱帽であるし、私としての刺激をビンビン受けました
これで戦いが終わったわけではありません。もう一つ彼らは歴史を塗り替えるチャンス・権利を得ました。明日はこちらも強豪の三重高校です。
実は、甲子園は試合が終了してから、お馴染の監督と選手のインタビューがあり、その後、球場内で控える理学療法士さんがアイシングやストレッチングを選手に対して行います。試合後は球場駐車場に控える阪神バスでホテルまで送ってもらうわけです。選手がバス乗り場まで来るのが、1時間弱後。
準々決勝は翌日4月1日の第4試合です。ホテル到着予測が8時くらい。そこから夕食やミーティングを行うと9時過ぎなのです。私のサポート施術は必要不可欠な選手をまず初めに行い、やはり睡眠が一番のケアとなりますので、翌、朝食が終わってから出発までに数名、施術が必要な選手のサポートを行う形となります。はじめての体験で、慌ただしかったですが勉強になりました。
すべては、もう一度校歌を聞くために
最後までお読みいただき、ありがとうございます
その他の試合
第1試合 秀明日立(茨城県) 1-5 大阪桐蔭(大阪府)
第2試合 彦根東(滋賀県) 0-1 花巻東(岩手県) 延長10回
第3試合 三重(三重県) 2-1 乙訓(京都府)