桜の花ももう一息!
という時期になりましたが、地上ではまだまだ寒い日があります。
(海の中では季節はゆ~っくりと春に向かっているようですが・・・)
スミイカが終了して満を持した東京湾マゴチ開幕。
今年はなにやらスロースタートの様相ではありますが、いつスイッチが入るか分かりませんので準備は怠らないようにしておきます。ハイ。
今月も滑り込みながら前月「2月」分の読書の記録をまとめてみましたよ。
2月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1508
ナイス数:16
ぼくに死刑と言えるのか―もし裁判員に選ばれたら(鉄人社)の感想
「一生のうちで裁判員に選ばれる確率は70人に一人」。この確率は十分恐怖に値する。選任されれば普通の社会人であれば辞退不可。業務繁忙も理由にならず。もし有罪ならば懲役10年はくだらないような重量級の裁判が裁判員裁判の主流。一方的に選任しておいて守秘「義務」を課せられたり、内容によっては一生残りそうなトラウマを背負わされたり・・・過酷な内容である裁判員制度についてはぜひ本書を一読され、腹を括っておくのがおススメ。裁判毎の判決の振れ幅にも衝撃を受けた。
読了日:02月25日 著者:北尾 トロ
新宿二丁目のほがらかな人々(角川書店)の感想
対象は違えど、恋愛の話としては中々に深い部分がありました。仕事や人生についても含蓄の深い言葉の数々。全冊3人のオネエさまがたが延々と話しするだけの内容ですが、つい最後までしっかり読んじゃったのは、話される言葉に力があるからかな、と。(実生活では実業家、画家など成功をされている方々のようです。)現在、庶民には手の届かない、ゴージャスでセレブでバブリーな話題も豊富に・・・
読了日:02月20日 著者:新宿二丁目のほがらかな人々
東電OL症候群(シンドローム) (新潮文庫)の感想
中村うさぎ「私という病」からこちらへ。「引き裂かれた自己」を求めて読者に衝撃を与えた前作「東電OL殺人事件」からはトーンダウン。スピンオフ的に書き残しておきたかった周辺事象は山のようにあったのでしょうが、(特に買春判事の件。こちらはこちらで司法の伏魔殿ぶりに衝撃を受けました。)著者による二匹目のドジョウは『誰が「本」を殺すのか』に続いて私の心には響かずじまいでした。著者の執拗な取材姿勢は、鮮度ばかりを追い求める近年のマスコミに対比すると貴重なものであることは感じます・・・
読了日:02月15日 著者:佐野 眞一
私という病 (新潮文庫)の感想
きっかけは安易なところからだった。しかし、普通は越え難い「一線」を越えたところにこそ「答」がある、との目星があるからこそ物書きとしての著者は敢えて性風俗(デリヘル)の世界へ足を踏み入れたのだろう。「作家こうあるべし」を嫌い、実体験主義に基づいて信念を貫き通すあたりは戦場を目指した大家に通じるものを感じた。そこから持ち帰ったものから構築された男の「自己正当化」癖と、女の「引き裂かれ」症候群という論には非常に興味深いところあり。仲の良いオカマさんの話、東電OL症候群の話等、積読本へ派生して行けそうな内容多数!
読了日:02月10日 著者:中村 うさぎ
超訳 ニーチェの言葉(ディスカヴァー)の感想
水木しげるも愛読したという「ニーチェ」である。「超訳」である。勿論、哲学書というよりは松岡修造に近いような気もする。が、どこから開いても身に染みる箴言集に仕上がっている。ニーチェの著書から大いなる教訓を含んだ言葉を選り抜き、そのものズバリなタイトルをつけ、1頁毎に紹介。「本を読んでも」最悪の読者にだけはならないように。最悪の読者とは、略奪をくり返す兵士のような連中のことだ。云々、(以下略。この後に非常に胸の痛いことばが続きます)「様々な意見と箴言」より。
読了日:02月05日 訳者:白取春彦
読書メーター
3月も中村うさぎさん本からのブックサーフィンは継続中・・・
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