嵐のような年末年始繁忙期も過ぎ去りまして、ようやくひと心地。
そろそろ初釣りに行けそうな雰囲気。
キスかスミイカか・・・悩ましくもありますが、やはりぶれずにスミイカか!?
(シーズンも残り少なくなってきたし。)
その前に先月の読書の記録です。
進捗は多くはなかったが、なかなか良い本に巡り会えました。
2013年12月の読書メーター読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2150ページ
ナイス数:22ナイス
サイボーグ009 地上より永遠に―石ノ森章太郎歴史的傑作集 (My First Big SPECIAL 石ノ森章太郎歴史的傑作集)の
感想
巻末に「扉絵コレクション」が付録されているが、それによると「週刊少年キング1964.7.19号サイボーグ009しんれんさい」とある。実に今年は連載開始から50年!ではないですか。「赤~いマフ~ラ~・・・」を知っているヒトはアラフィフどころかもうアラ還暦。ちくま文庫「あの頃マンガは思春期だった」で夏目房之介も言っているが、戦闘シーンのカットバックが強烈な印象。主人公009とヒロイン003がそこはかとなくかよわせる情や、ラストで009と共に流星になってしまう002のセリフ「きみはどこにおちたい?」には泣ける。
読了日:12月31日 著者:
石ノ森章太郎
血族 (文春文庫 や 3-4)の
感想
極めて印象的。が、この本の感想を書くのは難しい。なぜならばネタバレになってしまうから。ノンフィクシヨンかと思いながら読み始めたが、随分進んだところで「これはミステリー仕立ての私小説だ」ということに気づいた。事実は、げに恐ろしきもの。第40章の横須賀新報から転載された記事の数々に人間の業というものを感ぜずにはいられなかった。人々が記憶から抹殺してしまいたいと思う事柄は、やがて記録からも消えてゆく。最後に十万億土のごとき地へ旅をし許され、救われる。終わり方が非常に良かった。
読了日:12月30日 著者:
山口瞳
百鬼園随筆 (新潮文庫)の
感想
内田百けん初の随筆集。(ひゃっけんの「けん」の字は非常に文字化けしやすい字なので以下平仮名表記させていただきます。)カバー挿画は沢野ひとしもビックリ、芥川龍之介の筆による「百けん先生邂逅百けん先生図」。先日読んだ川上弘美の「椰子・椰子」にも奇妙な、トボけた、不思議なできごとが次々におこるけれど、これは川上弘美が内田百けんの大ファンで強い影響を受けた故。なぜ分かったかというと、それは川上さんがこの本に「解説」という名の最高の作品を寄せているからです。百けん先生の名文句「イヤダカラ、イヤダ」これは凄い一言ですよ。川上さんが言うとおり、百けん以外の誰でもない、百けん。そこにある寂寞、おかしみ、生と死をみはるかす目。
読了日:12月26日 著者:
内田百けん
さかさま博物誌青蛾館 (角川文庫)の
感想
「青蛾館」と題した46の世界と、「財産目録」と題した17のこだわり。「首吊人愉快」、「賭博骨牌考」、「手毬唄猟奇」を併録。初出誌の記載がないが、書下ろしとも思えない。どんな媒体に発表されたものなのか。自らの短歌を解説した譚もある。有名な「売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき」の句にどのような物語があったのかは必読。どこまでが本当でどこからが虚構なのか。作者が、泉鏡花の「草迷宮」を枕に、横溝正史「悪魔の手毬唄」に隠された謎を解く旅に出る作りの「手毬唄猟奇」も興味深い一篇。
読了日:12月25日 著者:
寺山修司
ボロ儲け経済学―ゼニのカラクリ明かします (知恵の森文庫)の
感想
内容は既に十数年前のものだが、今、青木雄二の残した予言めいたことの多数が現実になっている(主によくない方向で)。歴史と、自身の経験とを引き合いにし、唯物論でいかねば、自分の頭で考えねば、決して状況は良い方向へは転がっていかないことを繰り返し説いている。京大、東大で講演を行なった際の学生の反応に「最高学府に通いながら、自ら考える訓練を何一つしてない」と、看破。観念論こそアホを支配するにはもってこい。そして現代の若者は資本主義社会の本質を知らずに散々資本家に尽くし、老いて、過労死してゆく。
読了日:12月12日 著者:
青木雄二
異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)の
感想
これは絶対おすすめ。「幻獣ムベンベを追え」以来の高野秀行本。辺境冒険ものも面白いが、こちらの系統の方が秀逸?とにかく、語学も含めて様々な人と繋がるスキルが桁違い。日本の常識的な考えが世界の非常識であることにより彼女とすれ違ってゆく話と、盲目のスーダン人と東京ドームに巨人戦を観に行く話が切なくも面白かった。違った視点から日常を捉えることにより得るものがあるのかな、殻を打ち破らなきゃ、と自己反省。南伸坊イラスト表紙版の方が素敵です。「ワセダ三畳青春記」も読まなきゃ。
読了日:12月6日 著者:
高野秀行
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)の
感想
20年来の積ん読本から。子供には分からないよ、「いき」は。哲学書にしては十分読み易いが、そこは哲学書。ゆーっくリ噛み砕きながら読まないと脳に消化されません。「いきだねぇ」「おつだねぇ」は言われてみたい、使ってみたい言葉ながら、その意を明言できる人は中々いないはず。「いき」とは①に媚態②に意気地③に諦めなのでね!具体的にどういうものが「意気」(※「粋」とは別物です)で、何が「野暮」なのかが分かります。初版発行から80年以上を経て、意匠の世界を超え、多くの人々に光を放ってきた名著です。サルトルが家庭教師とは!
読了日:12月3日 著者:
九鬼周造読書メーター
夜中の晩酌読書や入浴読書はお行儀がよろしいとは言い難く、子供にはあまり見せたくないが・・・もはや生活の一部。
密かな楽しみ、ということで。
↑↑↑入浴読書は本を濡らさないようにするには結構最初は気を遣いましたが、最近はなかなか上手になりました。ww
↓↓↓ 読書ファンがどのような本読みをしているか、覗いてみてネ
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