20240406
当初の桜開花予想を大きく裏切り、遂に満開を迎えたうららの土曜日。
池波正太郎も、「深川という土地は、江戸の[水郷]といってよいほどの風趣があり、『江戸であって、江戸ではない・・・』一種の別天地だったのである。」(※剣客商売)と、誉めそやした深川を恒例のオカタケ散歩で歩いてきました。
東京メトロ東西線の門前仲町駅に14:00にいつものメンバー集合。
本日のお題は・・・
「小津安二郎の深川を歩く」です。
過日、カンヌ、アカデミーでも話題を振りまいたヴィム・ヴェンダース作品「PERFECT DAYS」。
ヴェンダース監督は小津へのリスペクトを公言して止まない監督として有名ですが、その小津が生まれたのがここ深川。
一行は先ず「東京深川モダン館」を目指します。
徒歩3分程で到着。
旧東京市深川食堂の建物をリノベし、絶妙な無料観光案内所に変身。
一行は早くも特別に提供されている100円コーヒー片手に各種パンフ、案内漁りに余念がありませんねぇ。
清澄通りを北上し・・・
法乗院(深川ゑんま堂)に寄り日本最大級の閻魔大王にお目見え。
そして、その先に・・・
ありました。「小津安二郎生誕の地」。現・深川一丁目。
当地にあった豪商の「湯浅屋」は干鰯や海産物を扱う問屋でした。
明治36年、湯浅屋の次男坊として生まれた安二郎はその後三重県松坂に転居していますが、松坂で観たハリウッド映画に影響を受け映画監督になろう!と決めます。
大正12年、現在の深川二丁目に戻った安二郎は念願の松竹キネマ蒲田撮影所に入社。中国従軍などを挟み名作を製作し続けます。
特に「原節子」を起用した戦後の作品群等は、家庭や家族の在り方、老いや別れを描き現在も国と時間を越え共感を集めています。
更に、仙台掘り川に向け歩を進めると見えてくる海辺橋。
そのたもとにあるのが「採茶庵跡」。
芭蕉さん、「奥のほそ道」は弟子でパトロンの杉山杉風(すぎやまさんぷう)から借り受け、しばらく暮らしていたここから出発しました。
杉風は御用達の魚問屋で、五代将軍綱吉の悪政「生類憐みの令」には芭蕉共々苦しめられたようです。(「悪党芭蕉」嵐山孝三郎:新潮文庫に詳しい)
芭蕉とツーショット。悦に入る師匠。
仙台掘り川沿いの桜は咲き乱れてます。
師匠から「ウチ●君、ここで一句」と急に振られますが・・・
そんな急には出ませんよ(汗)
帰宅後捻る
「春北風旅立つ朝に緋縮緬」はるならいたびだつあさにひぢりめん
次は小津が通った「明治小学校」前を通り富岡八幡宮へ向かいます。
重文指定の旧弾正橋を通り・・・
富岡八幡宮
こちらはいろいろ見どころあります。
金ピカ神輿や大相撲関連の様々な記念碑、
実物大。師匠も180位ですが!?
実物大。
伊能忠敬もこの辺りの人。
ウォーキングの人達の聖地になってるらしいです。
八幡宮を出て
ここらで休憩。
コンビニで各自ビールなど購入。
佃煮やでツマミも購入。
古石場川親水公園の流れに架かる「小津橋」。
小津家が私費で架けたとのこと。
公園脇の満開の桜を愛でながら軽く一杯。
そして、ほろ酔い気分で「江東区古石場文化センター」を目指します。
こちらは、無料の「小津安二郎紹介展示コーナー」があり、貴重な資料や様々な興味深い展示物がありました。ファン必見です。
(残念ながら撮影は禁止なので画はありません・・・)
心地よい疲労感と共に本日ここで一次解散。
と、言っても大部分の方は二次会参加。
門前仲町の居酒屋で「パーフェクト・デイズ」、「SHOGUN」、その他盛りだくさんの本の話題等で大盛り上がり。
まだ話し足りない面々は更に河岸を変えて・・・
深川表参道にある角打ちの名店「折原商店」
店内に巡らされた冷蔵ケースから自分好みの酒をカウンターに持っていって、希望のサイズの酒器に注いでもらいます。(瓶に値段表示あり)
当然キャッシュオン。
美味い酒だらけでどうしよぉ~、って感じでした。
乾きものプラス気の利いたツマミも色々と・・・
追:長い事積んであった「闇の釣人」(やみのつりゅうど)長辻象平:講談社を読み始めました。新開の水の都・本所深川で犬公方に対抗すべく集結した闇の釣人たちの物語。池波作品を思わせるような釣り好きにはたまらない作品ですよ!