木津川河川敷の雑木林に自生するヤマグワの木に実が付き始めました。
ヤマグワは単にクワ(桑)とも呼ばれ、養蚕が盛んな時代に蚕の餌として
畑地で栽培されていた当時の名残らしく、河川周辺の農地の所々でも見られます。
大きいものでは15㍍にもなるそうですが、普通見られるものは数メートル程度の低木がほとんどです。
この木は基本的に雌雄異株ですが、稀に同株に雄花と雌花が付くこともあります。
果実は6月末にはもう少し長くなり、黒紫色に熟すと生食でも甘くて美味しく、またジャムにしたり
ホワイトリカーに漬け込んで桑酒を造ったりして楽しむこともできます。
葉の形は成木ではハート型をしていますが、若木では画像の個体の様に荒い切れ込みがあり、
やや不規則な掌形をしています。
この葉に含まれるデオキシリマイシンという特有の物質は、糖分解酵素の分泌を抑制して
低インシュリン状態を保ったり、血圧の上昇を抑える働きがあるところから、桑茶などの健康食品が
商品化され市販されています。
ヤマグワ <クワ科 クワ属>