PRINCOの今日のパチパチ
Sidosso Princoちゃんの思わず拍手パチパチ記録
 



『メランコリック』、渋谷のUPLINKまで行こうと思ってましたが、柏のキネ旬に来るというので、いそいそと観に行きました。パチパチ!

予算300万しかなく、監督もIT企業のサラリーマンゆえに、撮影は金曜深夜から日曜昼に行ったのだとか。そこら辺のことが『カメラを止めるな!』と比較されますが、内容は全く関係ありません。

主人公の鍋岡和彦が、東大卒だけどニートという設定があまりにステレオタイプだなあ、と思いながら上映開始を待ちました。食事が揚げ物ばっかりだったり、家庭のだんらんがなんか作りものっぽかったり、殺人事件と銭湯(風呂場)って、、、、、『冷たい熱帯魚』、、、、、!?



以下ネタバレ有(反転させて読んでくださいまし)






最初の、車の後部座席での会話シーン。これから怖いことが起こるのが容易に想像でき、ドキドキします。
一方、主人公の優しい両親と居心地の良い家。何か闇がありそうだけど、、、特に無い。こりゃあ、ニートにもなるわな。

鍋岡は、事件に巻き込まれた被害者なのに、お金をもらって喜んじゃったり、仕事ができないと下に見ていた同僚の方が、オーナーからの信頼が厚かったことに嫉妬したり、、、、彼に感情移入できるか否かが、この映画が楽しめるかどうかの分かれ目でしょう。

ヤクザの田中がオムライスにケチャップたっぷり派だったり、これから突入するぞ、という際の松本のセリフが「普通の顔して、裏切るやつがいるんだよ」だったり、たくさんばらまいた伏線はきれいに回収されていきます。ここら辺のコンパクトなまとめ方が舞台劇っぽくて、インディーズ映画らしい。ちなみにグロい場面とかはなく、笑えるシーンやセリフが目立つくらい。

童貞の殺し屋と、東大卒のニートが、「何のために生きているの?」「人生に楽しみって必要か?」「幸せってなんなの?」ということを、居酒屋で、互いに青臭く問い合いますが、どれも二人には答えられません。

やがて、文字通りの修羅場を超え、4人の若い男女が銭湯でカップ酒をあおりながら談笑するラストシーンになります。
「人生には、今この時間が永遠に続けばいいのにと思う瞬間が何度かある。僕はその瞬間のために生きている。それでいい」
と主人公の鍋岡は独り言ちる、、、、



ああ、ようやくモラトリアムが終わるね。それにしても、若さっていいなあと(人を殺してますけど^^;)

余談ですが、ヒロインの副島百合(吉田芽吹)が、居酒屋で酔っても、レストランでおしゃれしても、明るくてかわいくて、別れ話にも聞き訳が良くて、、、、、、ふーむ、監督の願望が良く出ているなと(^^;)









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