『真実』を観てきました。パチパチ!
宮本信子と宮崎あおいの吹き替え版も、惹かれたのですが、字幕ver.で。
興行的にはあまりうまくいってないようで、おおたかの森のTOHOシネマズでも1日1回のみの上映、、、、
でも、カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュ共演ですよ!観に行かないわけには!
『空気人形』も、さほどヒットしなかったけど、私の中では大ヒットだったし。
結論から言うと、「え?いい映画じゃん、、、」
館内はほぼ満席。ただし、観客の平均年齢60代後半、という感じですが、、、、(ほぼ全員シニア料金だろうなと^^;)
以下、ネタバレあり(反転させて読んでください)
傲慢、尊大な大女優と、愛情を注がれなかった娘との確執。国民的大女優のファビエンヌは実は孤独で、、、、、実はお互いのボタンの掛け違いで、、、、、とまあ、ありがちなプロットなのですが、もちろんそれだけではありません。ジュリエット・ビノシュ演じる娘のリュミールが、脚本家というのが、最後の最後で効いてきます。どこまでが真実で、どこまでが演技なのか。あらかじめある脚本をなぞっているだけなのか、それともアドリブという形の本音なのか。
女優が女優を演じ、しかも『インターステラー』っぽい、劇中劇もあるので、ますます境界が曖昧になります(^^;)
たまたま、今朝、柴門ふみがテレビに出ていて、夫(弘兼憲史)との夫婦生活で「二人ともマンガ家だから、夫婦生活も、本当なのかフィクションなのか境界がよく分からない」と言った発言をされていて、なんとなく重なりました。
ファビエンヌの、何が何でも自分こそが正しい、という発言の数々ですが、なぜか嫌悪感は覚えませんでした。カトリーヌ・ドヌーヴのオーラのなせる業なのか。
冒頭のインタビューシーンでも
「あなたのDNAを受け継ぐ女優は誰でしょうか」と問われ、
「フランスにはいないわね」
と、ばっさり。かっこいー!これ、実際にドヌーヴ本人がインタビューで答えたセリフだそうです。
女優がチャリティーや政治を始めたら、それは「女優という仕事」に負けたということだ、というセリフもしびれます。女優は現実に逃避してはいけない、虚構に生きるべきだと。
凄くないですか?虚構に逃避せず、現実に生きることを目指すのが人生なら、女優はもう人ではないと!そう、叶姉妹の世界です(^^)
映画の終盤にようやくわかるのですが、実は、一番凄いのは、長年、ファビエンヌの秘書をつとめるリュックでした。母と娘は、「自分は何もしない」という彼のお膳立てによって、元通りの「ちょっと距離感のある母と娘」に戻っていくという、、、。
人の記憶とは曖昧なもので、真実は本人にさえも分からない。
「答えは一人ひとりに任せます」という是枝裕和監督っぽい作品でした。
おまけ~
映画に出てくる料理がどれもおいしそうでたまらない、、、、と思ったら、飯島奈美でした。さすが!
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