静かな港に一隻の船が入ってきました。堤防の間をカーブを描いて進んできます。港の入り口の堤防の先端に、奥に向かって右に赤灯台、左に白灯台があることは、海に働く人や釣り人には常識のようです。釣り人はそれぞれに赤灯堤、白灯堤と呼んでどちらで釣るか決めているそうです。
釣り人を乗せて出かける船なのでしょうか、獲物をすくい上げるためと思われるタモ網が干してあります。こちらではイセエビ、アワビ、サザエをはじめヒラメ、鯛、ハマチなどの水揚げに加え海女さんのが盛んとのことです。たまたま訪れて全くの情報不足でしたので何にもない時に来てしまったようです。
外洋からの荒波を避ける堤防の内側いっぱいに同じ形の漁船が係留されています。旅客を運ぶ船やフェリーが来ない港ですので人が乗降するための桟橋などは見当たりません。初めて目の当たりにする漁港に興味深々です。
波一つない穏やかな港にたくさんの漁船が繋がれています。よく見ますとどの船もきれいに磨かれていてきれいです。漁業で生活している人たちが自分たちの乗る船を大切にしていることがよくわかります。アジアの外国の船はこのようにきれいにはなっていません。
人口500人に満たない漁村は港の駐車場と背後の丘に挟まれた狭い土地にありました。村に一軒しかない食堂も閉まっていて、駐車している車はあるものの人影は全く見えません。漁港としての仕事時間はもう過ぎて、お昼少し前の港は眠っているようです。