取り組みは序の口から序二段、三段目へと坦々とと進められます。30組くらいごとに勝負審判が交代します。そのたびに呼び出しさんたちが出てきて、慣れた手つきで審判員の座布団やひざ掛けを整えそして土俵上を掃き清め整えます。
土俵の上には神明造りのつり屋根が吊るされています。土俵上の穢れをはらうために濃い紫色の水引幕が下げられ、その四隅に下がっている房はそれぞれ季節と方位そして方位を守る神様を表しています。青房は春と東、赤房は夏と南、白房は秋と西、黒房は冬と北とのことです。
観客がほとんどいない中、取り組みは着々と進んでいました。五人の審判と控えの行司と次に土俵に上がる力士四人が四隅に並んでいます。取り組みを仕切る行司が立ち、呼び出しが力士の名前を呼びあげています。塩や水桶はおかれていない簡素な土俵際風景です。