読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「一瞬の風になれ」舞台化

2021-10-24 11:48:56 | ウェブ日記


(左から「春野台高校」根岸康行/志村玲於さん、鳥沢圭子/菅原りこさん、一ノ瀬連/織部典成さん、神谷新二/富本惣昭さん、ライバル校「鷲谷高校」仙波一也/山内圭輔さん、高梨正己/黒木文貴さん。写真はネットより。以下同じ)

2007年の本屋大賞受賞作「一瞬の風になれ」(著:佐藤多佳子)が舞台化されることになりました(作・演出:松多壱岱)。
神奈川県相模原市にある春野台高校陸上部(モデルは麻溝台高校陸上部)を舞台にした青春物語で、原作は「バッテリー」(著:あさのあつこ)「DIVE!!」(著:森絵都)らと肩を並べ、日本の青春スポーツ小説の話題でほぼ必ず名前が挙がる名作です




(左から宮本大誠さん(鷲谷高校大塚先生役)、菅原りこさん、山内圭輔さん、織部典成さん、富本惣昭さん、志村玲於さん、飯窪春菜さん、野村宏伸さん(神谷の父役))

10月20日から25日にかけてまず東京都葛飾区の「かめありリリオホール」で東京公演が行われています。
11月1日と2日には神奈川県相模原市の「杜のホールはしもと」にて相模原公演が行われます。
作品の舞台が相模原市なのでお膝元の相模原市でも公演するようです





(風に髪をなびかせ微笑む菅原りこさん)

私は女優、タレントの菅原りこさんが出演するのがきっかけで舞台化に興味を持ちました。
菅原りこさんは新潟県を本拠地とするアイドルグループNGT48を卒業後、女優、タレントとして活動しています。



(麦わら帽子を持つ菅原りこさん)

2020年2月の「罪のない嘘 ~毎日がエイプリルフール~」(脚本:三谷幸喜)を観劇した際、細身でスラリとしてルックスが抜群な上に声もよく通り、非常に舞台映えするのが印象的でした。
「一瞬の風になれ」でも舞台適性の高さを発揮しているのではと思います。




(左から志村玲於さん、織部典成さん、富本惣昭さん、飯窪春菜さん、菅原りこさん)



(4×100mリレー バトンを渡す場面)



(春野台高校と鷲谷高校の対決場面)

小説の「一瞬の風になれ」では練習や試合で走る場面の描写もたくさんあります。
特に試合では文章を読んでいるだけでワクワクドキドキしてくるので、その走る場面をスペースの限られた舞台でどう表現するのか気になります。
天才なのにやる気のない一ノ瀬連に主人公神谷新二や根岸康行が激怒する場面に代表される、青春の熱い場面もたくさんあり、それらが登場するのかも気になります
今回舞台を観劇しに行くのは無理ですが、DVD化されるとのことで、そちらをぜひ観てみたいなと思います。
明日までの東京公演に加え11月には相模原公演もあるので、ぜひ一人でも多くの人に興味を持って頂きたいです


-----菅原りこさん出演作品・コンサートの感想記事-----
「罪のない嘘 ~毎日がエイプリルフール~」三谷幸喜
「辰巳真理恵 菅原りこ 追川礼章 SPECIAL CONCERT」


-----原作小説の感想記事-----
第28回吉川英治文学新人賞、第4回本屋大賞受賞作
「一瞬の風になれ 1 イチニツイテ」
「一瞬の風になれ 2 ヨウイ」
「一瞬の風になれ 3 ドン」



<東京公演>
日程:2021年10月20日(水)〜25日(月)
会場:かめありリリオホール 東京都葛飾区亀有3-26-1

<相模原公演>
日程:2021年11月1日(月)・2日(火)
会場:杜のホールはしもと 神奈川県相模原市緑区橋本3-28-1



出演:
富本惣昭 / 織部典成 /飯窪春菜 菅原りこ /志村玲於(SUPER★DRAGON)田中稔彦 五十嵐啓輔 山木透 優(CUBERS) 柳川るい 香音有希 小栗諒 伊藤あいみ / 黒木文貴 山内圭輔 / 宮本大誠 /野村宏伸 /

アンサンブル:梅田祥平 桜町たろ 野島大貴 渡邊崇

「人望」について

2021-10-02 16:57:58 | ウェブ日記
9月29日、任期満了に伴う自民党の総裁選挙が行われました。
マスコミの事前予想では河野太郎氏が大本命となっていましたが、結果は岸田文雄氏が勝利し、自民党の新総裁になり次の首相になることが確実になりました。

1回目の投票
河野太郎氏 議員票86票、党員票169票、合計255票
岸田文雄氏 議員票146票、党員票110票、合計256票
高市早苗氏 議員票114票、党員票74票、合計188票
野田聖子氏 議員票34票、党員票29票、合計63票

河野太郎氏は1回目の時点で1位になることが出来ず、1票差ではあるものの2位に甘んじました。
厳しいのが議員票で、岸田文雄氏に加え高市早苗氏にも水を開けられて3位に終わっています。
「同職」である国会議員の支持が思うように得られていないことが分かります。

決選投票(1回目の上位2人で実施)
河野太郎氏 議員票131票(1回目から+45)、都道府県連票39票、合計170票
岸田文雄氏 議員票249票(1回目から+103)、都道府県連票8票、合計257票

決選投票では、1回目からの議員票の伸びが河野太郎氏の+45票に対し、岸田文雄氏は+103票で2倍以上の差がつきました。
この差が決定的だと思います。

私は河野太郎氏が国会議員の支持を思うように得られないのを見て、「人望」という言葉が思い浮かびました。
率直に人望がないのだろうなという印象です。
国会議員も人間ですから、投票の際には政策面に加え「信用出来る人間か」も見るということだと思います。




河野太郎氏には「パワハラ」という一面があるようで、官僚の人を尊大な態度で怒鳴りつける音声が流出して話題になっていました。
また次の写真のような、「相手によって態度を変える」という一面も話題になっていました。




(偉そうな態度で椅子に座り官僚と対峙する河野太郎氏)



(外務相時代、へりくだった態度で中国の王毅外相と対峙する河野太郎氏。偉そうな態度で椅子に座る写真と比較され、相手によって態度を変える人物という印象を持たれました)


身の周りに置き換えて見ても、怒鳴り散らしたり、相手が偉い人ならへりくだり下の立場の人なら尊大に振る舞うといった、「最低限の言葉遣いや態度が出来ない人物」は印象が悪いです。
主義主張の前に人間として信用出来ないということになり、なかなか厳しいと思います。
国会議員は同じ職場で働いている分、テレビに映っていない時の河野太郎氏がどんな態度なのかを目にする機会があると思います。
なので投票結果を見るとその態度が信用を得られず、人間性に厳しい目が向けられているのではないかなと、私は思います。

古くは関ヶ原の戦いで徳川家康と争った石田三成のように、時として人望のなさが敗戦の原因になることがあります。
人間誰しも、生きていく上で人との付き合いは生まれるものです。
人望を失わずに済むように、日頃から言葉遣いや態度に気を付けて行くのは大事だと、総裁選を見て思いました。

「響け!ユーフォニアム3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機」武田綾乃

2021-09-19 10:46:18 | ウェブ日記


今回ご紹介するのは「響け!ユーフォニアム3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機」(著:武田綾乃)です。

-----内容-----
猛練習も日常となり、雰囲気もかなり仕上がってきた矢先、北宇治高校吹奏楽部に衝撃が走った。
副部長で、部の要と言える三年生のあすかが、全国大会を前に部活を辞めるという噂が流れてきたのだ。
母親との確執から、受験勉強を理由に退部を迫られているらしい。
さらには、楽器に対する複雑な心境をあすかは久美子に打ち明ける。
はたして大会の行方はーー。
”吹部”青春エンタメ小説の決定版!

-----感想-----
この作品は「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」「響け!ユーフォニアム2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏」の続編となります。

プロローグは子供時代のあすかがユーフォニアムと出会った場面でした。
このシリーズでは作中で重要な役回りになる人がプロローグに登場する特徴があります。

北宇治高校文化祭での吹奏楽部の演奏で物語が始まります。
京都府立北宇治高校吹奏楽部は二週間前の8月25日に行われた関西吹奏楽コンクールで見事に全国大会への出場資格を手に入れたのでした。
演奏後のミーティングで、部長でバリトンサックス奏者の小笠原晴香から9月末に出演する京都駅の駅ビルコンサートに福岡県の清良女子高校も出演することが語られます。
吹奏楽部は全国大会の常連でもある超強豪校で、演奏したCDを販売した際には売り上げランキングの上位に入り、定期演奏会のチケットは即日完売とあり、物凄い学校だなと思いました。
福岡県に実在する「精華女子高校吹奏楽部」がモデルと思われます。

ミーティングは部長の小笠原と副部長でユーフォニアム奏者の田中あすかによって進行して行きました。
控え目で人を引っ張って行くのにあまり向いていない小笠原と対照的に、あすかは清良女子高校出演でざわつく部員達を難なく静かにさせていました。
本人は部長就任を断りましたが、あすかの方がリーダーに向いていると思う象徴的な場面でした。

主人公で一年生、ユーフォニアム奏者の黄前久美子は関西大会が終わってから部員達の音楽への意欲がどんどん高まっていると胸中で語ります。
吹奏楽部の意識が大きく変わったのは明らかに顧問の滝昇先生の影響でした。
久美子は滝がなぜ休日を返上し、スパルタ指導で憎まれ役になってまで私達に尽くしてくれるのかと疑問に思います。

高校は夏休みが終わって二学期に突入しました。
夏休みの間は部活のことだけ考えていれば良かったのが、再び授業と両立させないといけなくなりました。
それをきついと捉えるか、もっと練習時間を確保したいと捉えるかの意識の差が、演奏力の差になるのだろうなと思います。
一年生でコントラバス奏者の川島緑輝(サファイア、本人はこの名前が嫌いでみどりと呼ばせている)が、全国大会のほうがそれまでの大会より次に進めるかを気にしなくて良い分伸び伸びやれると言っていて、これはそのとおりな気がしました。

久美子は一年生でトランペット奏者の高坂麗奈から誕生日プレゼントに進藤正和という日本を代表するユーフォニアム奏者のCDを貰いました。
プロローグでも名前が出ていて、今作で重要な意味を持つ人です。

全国大会の高校Aの部は10月26日に名古屋で行われるとありました。
かつては東京で行われていて、その場所は「吹奏楽の甲子園」と呼ばれ当時の吹奏楽部員達の聖地だったとあり、これは普門館のことだと思います。
三年生達は全国大会が終われば引退になるともありました。

久美子の姉の麻美子が突然大学を辞めると言い出し、今までずっと部活を馬鹿にされ勉強をしろと言われ続けていた久美子はどういうつもりなのかと追及します。
私もなぜ辞めようとしているのか気になりました。

久美子が宇治商店街を歩いている時、抹茶コロッケというメニューがありました。
抹茶で有名な宇治らしいなと思い、食べたことがないのでどんな味になるのか気になりました。
また花屋の前を通りがかった時に滝に遭遇し、その左手に結婚指輪をしているのが目に留まりましたが、詳しいことは聞けませんでした。

当初滝が掲げた目標は全国大会出場でしたが、今は部員達が全国大会金賞を目標にするようになったとありました。
当初の目標の達成だけで満足せず、より高いところを目指すのは素晴らしいことだと思います。

久美子は職員室であすかの母親が来て激怒している騒ぎに遭遇します。
あすかは難関大学を受験する予定で、母親は「うちの子が受験に失敗したら、どう責任取ってくれるんですか?」と言っていました。
さらにあすかを今日をもって退部させると言っていて久美子は動揺します。
滝は退部を望んでいない本人の意思を尊重すると言い、教頭先生もかなり気を使った言い方ですが本人の意思を尊重すると言っていました。
母親の「私への当て付けのためにあんな楽器吹いてるんやろ?」という言葉が気になり、ユーフォニアムに因縁があるのだなと思いました。

あすかの母親の噂はすぐに広まり、久美子が低音のパート練習の教室に行くと騒ぎになっていました。
全体での合奏ではみんなあすかのことが心配で上の空になっていました。
久美子は「彼女はこの部活の精神的支柱だ。もし本当にあすかが退部してしまったら、いったいどうなってしまうのか。」と胸中で語っていました。
部長の小笠原が真剣に思いを語り、これまでにない強さを感じる姿が印象的でした。

滝が花屋で買っていた花はイタリアンホワイトという黄色を帯びた白色のひまわりだと分かり、花言葉は「あなたを想い続けます」とありました。
久美子と麻美子の小学校時代の回想があり、麻美子は六年生の時に勉強に専念するためにトロンボーンを辞めました。
本当は続けたかった楽器を久美子が伸び伸びと続けていることへの妬みがあり、きつい当たり方になっているのだろうなと思いました。

あすかは部活に来るとは言いますが、詳しいことは話してくれないです。
しかし部活を休むことも増え部員たちは不安を隠せません。
滝とあすかが職員室で話し込んでいる姿も何度も目撃されます。
麗奈が久美子に「全国まで一カ月切ってるわけやし、演奏以外のとこでもめんのは嫌やなあ」と言っていて、本筋ではないところで揉めるのが嫌なのはよく分かります。

駅ビルコンサートに向けての練習の時、「同じ楽器でも、それぞれ異なった役割が与えられている」とありました。
実際の演奏会でもたくさん見たことがあり、主旋律とそれを支える旋律によって厚みのある音になっています。

久美子はある日、二年生のユーフォニアム奏者でB編成(全国大会には出ない)の中川夏紀が居残って練習するようになったのが目に留まります。
麗奈が久美子に、あすかはコンクールにちゃんと出られるのかと疑問を言い、さらに練習に来られないようでは部の士気にも関わると言っていました。
一年生にしてトランペットのソロ演奏を担う麗奈はあくまで全体のことを見ているのがよく分かる場面でした。

迎えた駅ビルコンサートで、久美子は小笠原の演奏が普段とは比べものにならないほどノリノリで格好良くて驚きます。
「コンサート」のステージに立つと人格が変わるタイプのようでした。
注目の清良女子高校はプログラムの最後に「マードックからの最後の手紙」という曲を演奏しました。
マードックは豪華客船タイタニック号の一等航海士で、船が沈む最後の瞬間まで乗客の救出にあたりました。
航海中に家族へ手紙を書くのを日課としていて、この曲は彼の手紙をアイリッシュ調のメロディーで綴ったとあり、どんな曲なのか気になりました。
「マードックからの最後の手紙」の演奏は今作の象徴的な場面で、他校なのにかなり詳しく演奏の様子が描かれていて、北宇治高校にとって格上の相手なのがよく分かりました。
久美子は北宇治高校が演奏した時より清良女子高校が演奏した時の方がお客さんの反応が熱く大盛り上がりだったのを見て、次のように思います。
自分と他者の力量の差を直視するには、ほんの少し勇気が必要なのだ。
印象的な言葉で、これまでの努力で得た自信も木っ端微塵になりかねず、直視するのは大変なことだと思います。

久美子は進藤正和の演奏する「パントマイム」という曲の収録されたCDを聴き、あすかの音色が進藤の音色に似ていると思います。
あすかは母親の目を盗んでこっそりと部活に出ていましたがある日母親にバレてしまい、今度こそ駄目かも知れないとの噂が流れます。
全体演奏ではパーカッションが専門のコーチ橋本真博に今日はユーフォニアムの演奏が駄目だと言われ、久美子はあすかとの実力差を感じます。
さらに滝から今週末までにあすかが部活を続けられる確証が得られなかった場合、全国大会には夏紀に出てもらうと話があります。

休日練習の朝、久美子が「朝日は美しいけれど、決して暖かくはない。」胸中で語っていました。
良い表現だと思い、秋の朝と、あすかのことで揺れる久美子の心境の両方が表現されていると思いました。

久美子はあすかが出場出来ない場合に備えて努力する夏紀を見て、もしあすかが戻ってくれば夏紀の努力は無駄になってしまうことを考えていました。
周りの人のことをよく見ていると思います。

久美子が居残り練習を終えて音楽室の鍵を返しに職員室に行くと、疲れた滝が寝ていました。
その時に机の上にある写真立てが目に留まり、見たことのない女性が映っていて、久美子は滝のかつての奥さんかもと思います。
それを聞いてしまい気まずい雰囲気になっていて、謎が明らかになるのは読んでいて嬉しいですが、なぜ聞いてしまうのだろうとも思いました。

ある日久美子はあすかと1対1で話して全国大会に出場してほしいと説得しますが、あすかはろくに部活にも出ていない自身がのうのうと出るわけにはいかないと言います。
またあすかは久美子に、あなたは自身が傷つくのも相手を傷つけるのも嫌で毎回なあなあで済ませて見守っているのに、どうして相手が本音を見せてくれると思い込んでいるのかと言っていて、かなり鋭い言葉だと思いました。
あすかの鋭さにたじろぐ久美子でしたが、諦めずにこれまでにない気迫であすかに思いをぶつけます。

久美子は幼馴染みでトロンボーン奏者の一年生、塚本秀一との帰り道でそばを通る車の音に混じって川の流れる音が聞こえていることに気付き、普段意識していなかったその音を次のように思います。
当たり前すぎて、その音がそこに存在していることを久美子はつい忘れてしまうのだ
この感性はよく分かります。
木立が風に揺られる音も、車の音に気を取られて聞こえなくなっていることがあります。
久美子が「私たち、ただの友達だもんね」と言い、秀一が否定してくれるのを期待する場面がありましたが、秀一はそうは言ってくれませんでした。
しかしこのやり方は、気持ちは分からなくもないですが大事な部分を相手に押し付けていて良いとは思えなかったです。

いよいよ全国大会を迎えます。
宿舎では久美子と秀一が一転して良い雰囲気で話している場面があり、この二人は付き合うことになるのだろうなと思いました。
演奏の当日、朝食を食べている時に夏紀が「それにしても、ついにこの日が来たな」と言い、緊迫する一言でした。
いよいよ始まるのだなと思いました。

滝は部員達を前に次のように語ります。
「春に全国大会出場という目標を掲げ、私たちはここまでやってきました。私自身、全国大会に出るのはこれが初めてです。ほかの強豪校の先生と違って、右も左も分からないことだらけでした。頼りないと思われたこともあったかと思います。そんななかでこうして結果が残せたのは、ひとえに皆さんの頑張りの成果だと思っています。いままでよくついてきてくれました」
北宇治高校吹奏楽部の春から始まった戦いの最後の演奏が始まって行きました。


「響け!ユーフォニアム」の三部作最終巻ということで、この巻で春からの全国大会を目指した戦いが終わるのが分かっていました。
「全日本吹奏楽コンクール」の、第1巻が京都府大会、第2巻が関西大会、第3巻が全国大会で、どの巻でも様々なことが起こり、なかなか順風満帆には行かないのだろうなと思いました。
高校生が全国大会を目指すのはまさに青春で、爽やかさや他の人との軋轢、大会へ向かっていく盛り上がりなどが合わさり、読んでいてワクワクしました。
久美子が二年生になってからの三部作、三年生になってからの三部作も出ているようなので、いずれそちらも読んでみたいなと思います


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初秋の訪れ

2021-09-05 10:58:58 | ウェブ日記
9月を迎えました。
気象庁の区切りでの夏(6~8月)が終わり、秋(9~11月)が始まりました
秋の始まりの9月は「初秋」の時期で、真夏の暑さの名残を感じる日もありながら、徐々に秋の気配が強まって行きます。

セミの鳴き声は今や、ツクツクボウシとアブラゼミの二種類だけになりました。
それらのセミの鳴き声も真夏の勢いはなくなり、過ぎて行った夏を名残惜しんでいるかのように、寂しく鳴いています。
毎年セミの鳴き声が完全になくなるのは10月冒頭頃で、その頃には空気も今よりかなり爽やかになります。

9月に入ってから、半袖で外を歩いている時に肌に当たる風が心地良くなってきたのを感じます
晴れた時の日差しにまだ力強さはありますが、真夏のような暑い上にモワッとした空気はなくなりました。
初秋が終わって中秋になる頃には、長袖を着るようになります。

鈴虫やコオロギなどに代表される「秋の虫」は、実際には夏の終盤の8月~秋の始まりの9月が一番賑やかな気がします。
毎年秋が進むとどんどん鳴き声が少なくなって行き、秋の中で最盛期の時期は意外と長くはないです。
聴けるうちに美しい音色を出来るだけ聴けたらと思います。

空を見ると真夏の時期は入道雲が主役だったのが、今では薄い筋状の雲が主役になった印象があります。
晴れて気温の上がった日でも空にそんな雲が出ているのを見ると、もう夏は終わったんだなという寂しさと、爽やかな秋への期待の両方の気持ちが湧いてきます。
日々少しずつ色濃くなっていく秋の気配を感じ取りながら、季節の移り変わりを楽しめたらと思います

真夏への備え

2021-08-01 19:28:27 | ウェブ日記
昨年末から、今年の夏を見据えてウォーキングを継続してきました。
昨年は真夏の暑さを乗り切るのに苦戦し、梅雨明け以降の猛暑の時期は外を歩くのが嫌になりました
その反省を生かし、今年の夏は暑さに負けずに過ごせるようにしたいと思いました。
目安として10000歩以上歩いた日に記録を取るようにし、各月ごとの結果は次のようになりました。
それぞれ最後の行に合計歩数を記載しています。

12月
日付  歩数
1225 19000
1226 18000
1227 13000
1228 20000
1229 12000
1230 10000
1231 22000
合計 114000歩

1月
日付  歩数
0101 18000
0102 20000
0103 20000
0104 18000
0109 15000
0110 21000
0113 12000
0116 13000
0117 14000
0120 13000
0122 12000
0124 13000
0125 13000
0130 17000
0131 16000
合計 235000歩

2月 ※花粉症で後半が失速
日付  歩数
0206 20000
0207 20000
0211 21000
0212 24000
0213 14000
0214 18000
0217 11000
0218 12000
0226 13000
0228 12000
合計 165000歩

3月 ※花粉症で失速
日付  歩数
0303 11000
0313 11000
0320 17000
0325 11000
0326 11000
0329 15000
0330 14000
合計 90000歩

4月
日付  歩数
0401 10000
0403 22000
0404 19000
0406 23000
0407 25000
0408 24000
0409 24000
0410 21000
0411 20000
0412 11000
0413 24000
0414 24000
0415 24000
0416 10000
0417 21000
0418 23000
0419 10000
0420 23000
0421 24000
0422 23000
0423 27000
0424 20000
0425 16000
0426 12000
0427 10000
0429 10000
0430 21000
合計 521000歩

5月
日付  歩数
0501 20000
0502 20000
0503 24000
0504 26000
0505 24000
0506 27000
0507 21000
0508 22000
0509 16000
0510 22000
0513 11000
0514 12000
0515 11000
0517 10000
0518 11000
0519 24000
0522 22000
0523 27000
0525 13000
0526 17000
0527 12000
0528 12000
0529 21000
0530 24000
0531 10000
合計 459000歩

6月 ※梅雨と相談しながら
日付  歩数
0601 24000
0604 10000
0605 22000
0607 22000
0608 22000
0609 23000
0610 24000
0611 12000
0613 10000
0617 21000
0619 11000
0622 14000
0624 28000
0625 22000
0629 26000
0630 26000
合計 317000歩

7月 ※前半が体調を崩して失速
日付  歩数
0702 26000
0711 11000
0712 10000
0716 12000
0720 25000
0721 25000
0722 21000
0723 21000
0724 25000
0729 24000
0730 24000
0731 23000
合計 247000歩

12~7月合計 2148000歩

10000歩が約7kmとのことで、1000000歩で約700km、2000000歩で約1400kmとなり、合計をしてみてそんなに歩いていたのかと驚きました。
そして月ごとにたくさん歩いた月やあまり歩けなかった月があるのが分かります。
2月の後半から3月の終わりまでは花粉症に苦しめられ、思うように歩けませんでした。
4月から5月の途中までは過ごしやすい気候なこともあり最も活発に歩いた時期で、20000歩以上歩いた日が何日もあります。
5月の半ばからは異例の早さで梅雨入りしたので空模様と相談しながら歩いて行きました。

7月は13日に中国地方の梅雨明けが発表され、ついに真夏に突入しました
その直前、体調を崩して一週間くらい満足に歩けない時期が続いていたので、体が真夏の暑さに対応できるか心配でしたが、それまでの貯金があったおかげで大丈夫でした。
7月後半は再び活発にウォーキングを行い、体調を崩す前の体力に戻ったのではと思います。
今日から8月を迎え、徐々に秋の気配はしながらもまだしばらくは続く真夏の暑さを乗り切る手応えも得られました。

昨年末からウォーキングを続けたおかげで、体重が目に見えて落ちる効果がありました
さらにウエストも細くなり、くびれがすらりとなったのも密かに嬉しいです。
この調子でこれからもウォーキングを続けていき、体力のさらなる強化とともにもっと締まった体を手に出来たらと思います

一番蝉が告げる夏

2021-07-07 13:49:08 | ウェブ日記
6月25日、今年初めてセミの鳴き声を聞き、私にとって一番蝉となりました。
鳴いたのはニイニイゼミという控え目に鳴く蝉で、実家のある埼玉県でも現在住んでいる山口県でも、他の蝉より少し早く毎年6月下旬になると登場します。
元々控え目な「チー」というかすれ気味の鳴き声が一匹だとより小さく聞こえますが、間違いなくニイニイゼミの鳴き声でした。
その日は夕方にウォーキングをしていて、普段歩いているコースの折り返し地点まで来た時、木々の中から鳴き声が聞こえてきて思わず足を止めて聞き入りました。
今年もいよいよ夏本番になるなと思いました。

気象庁の区切りでは6~8月が夏と定められています
夏の始まりの6月に「夏」を強く意識する日としては一年で一番昼間の時間の長い「夏至」があり、中国地方では毎年6月上旬に広島市で行われる「とうかさん」というお祭りも夏を意識させてくれます
そしてもう一つが「一番蝉の鳴く日」です。
一匹鳴き始めれば次々と鳴く数が増え、やがて大合唱になり真夏となります。

6月29日のウォーキングではニイニイゼミに加えてヒグラシの鳴き声も聞きました。
明け方と夕方に「カナカナカナ」と甲高く寂しげに鳴くのが特徴の蝉で、普段の年より少し登場が早いなと思いました。
翌日の6月30日には「イリイリイリ」とけたたましく鳴くのが特徴のアブラゼミの鳴き声も聞こえてきて、今年はニイニイゼミ以外の蝉の登場が早いのかなと思いました。
一番蝉を聞いた6月25日から着々と蝉の鳴き声が増えていて、それだけ真夏に近付いているのを感じます。
本格的な大合唱になり梅雨も明けて真夏になるまでの間、日々蝉の鳴き声が増えて夏が色濃くなっていく様子を楽しみたいと思います

雷雨

2021-06-23 19:47:10 | ウェブ日記
今日の夕方は突然の雷雨になりました。
帰り道、家に着く少し前からポツリポツリと雨が降り始め、半袖の腕に当たった雨粒がやけに大きく感じ、梅雨のしとしと降る雨とは違う荒れた降り方になるのが予感されました。

幸い傘は差さずに帰宅できましたが、間もなく大雨になりました。
物凄く強く打ち付ける雨で、窓への打ち付け方が半端ではなかったです。
横から叩き付けるような降り方でそのスピードも凄かったです。
ウオンと唸りを上げるような叩き付け方で、叩き付けた雨のしぶきでまるで煙が立ち込めたようになっていました。
遠くの景色が見えないどころか近くの景色も見えなくなり、少しの間窓辺に立って嵐の様子を見ていました。

雷も鳴っていて、細長く青白い光のすぐ後、あまり遠くない距離に落ちる音が聞こえました。
この嵐の中を歩いていたらひとたまりもなかったと思います。

激しい雷雨を見て、もうそんな時期になったのかと思いました。
雷が鳴り、嵐のような大雨が短い時間に降るのは近年では「ゲリラ豪雨」とも呼ばれ、真夏ならではの天気です。
6月下旬の今、真夏はすぐそこまで来ていると感じ、ワクワクと「もう来てしまうのか」の焦りが入り混じった気持ちになり、一日一日を大事にしたいと思いました。

異例の梅雨入り

2021-05-27 19:27:12 | ウェブ日記
5月15日、山口県が異例の早さで梅雨入りしました。
5月前半のうちに梅雨入りするのは今まで見たことがなかったので驚きました。
調べてみると平年に比べて20日も早い梅雨入りで、1951年の統計開始以降、54年の5月13日に次ぐ2番目に早い梅雨入りとのことです。

普段の年の5月と言えば過ごしやすい陽気が思い浮かびます。
有名な「茶摘」という歌の歌詞に「夏も近づく八十八夜」とあるように、5月は立春から数えて88日目の「八十八夜」があり、さらには二十四節気の「立夏」もあり、爽やかな初夏のイメージがあります。
晴れた日に日差しを浴びながら薄着でウォーキングするとやや汗ばんだりしながらも気持ちが爽やかになります

それが今年は5月前半という異例の早さで梅雨入りしてしまい、爽やかな初夏の時期があまりなかったです。
一年の中でもかなり好きな時期なので少し寂しく思いました。
それでも梅雨の合間に晴れた日には5月らしい爽やかさを感じるので、貴重な晴れ間を楽しみたいと思います

近所の紫陽花の花は早すぎる梅雨入りについて行けなかったのか、まだそこまで色鮮やかには咲いていないです。
しかし6月が近付いてきたこともあり間もなくたくさん咲くようになると思います。
紫陽花の淡い色合いに心を和ませながら、梅雨の雨の中を真夏目指して進んで行きたいです

やよい軒 昔ながらの朝食

2021-05-25 19:32:57 | ウェブ日記


写真は定食などの外食チェーン「やよい軒」の「納豆朝食(生卵付き)」です。
サイドメニューの「蒸し鶏と海藻のぽん酢和え」も付けました。

「納豆朝食(生卵付き)」はとてもシンプルかつヘルシーで、メニューはご飯、味噌汁、納豆、生卵、海苔、ミニ冷奴です。
私はこのメニューを見て、昔ながらの朝食を思い出しました

小学生の頃の朝食と言えば、実家は和食派なので卵かけご飯に納豆、海苔、ウインナーなどが中心でした。
特に卵かけご飯と納豆は毎日食べていました。
後に卵かけご飯は目玉焼きに変わりましたが、小学生時代に毎日卵かけご飯を食べていたのはよく覚えています。
この組み合わせは味も美味しくご飯が進み、さっぱりしているので朝食に向いていると思います。

最近、卵かけご飯に納豆の組み合わせが脂質控えめな上にたんぱく質をしっかり摂れることに気付きました。
何も意識せずに食べていた朝食が実は凄く優秀な朝食だったのだなと思いました
やよい軒の納豆朝食はそんな昔の日を思い出させてくれる素敵な朝食です。
また食べに行きたいと思います

※卵かけご飯と納豆の組み合わせは、卵白が納豆の美肌ビタミンの吸収を阻害するので、納豆が持つ美肌効果が薄れてしまうようです。
混ぜる場合は卵黄だけにするか、卵は卵、納豆は納豆で分けて食べたほうがが美肌には良いようです。

東京オリンピックの医療ボランティアについて

2021-05-22 12:11:31 | ウェブ日記
今年の夏に開催する方針で準備が進められている東京オリンピック。
新型コロナウイルスの影響が依然として収まらず、本当に開催出来るのかと疑問視する声も聞かれます。

私は看護師などによる「医療ボランティア」についての方針に愕然としました。
元々人間に対して医療対応をする人をタダで働かせるつもりなのかの問題があるのに加えて、やはり新型コロナウイルスの影響が色濃い中では人数も集まらず、苦戦しているようです。
感染の脅威が高い大都市東京に行って、同じく感染の脅威がある人対人の医療対応をしたい人は思うようにはいないものだと思います。
そんな中、オリンピックの組織委員会が日本看護協会に看護師約500人の確保を要請したことが先月末に明らかになっています。

問題が二つあり、一つは「看護師の確保を要請」という方針です。
ボランティアとは本来、「報酬は出せないですが、もしご協力頂ける方がいたらよろしくお願いします」という募集を見た人が、参加するかどうかを自身で決められるものを言います。
ところが組織委員会は約500人という人数を決めて日本看護協会に確保の要請を出しています。
そういうのは「ボランティア」ではなくて「強制招集」と呼ぶのではないか?と私は思います。
私は言葉だけボランティアにして実態は半ば強引に動員して働かせるようなやり方は良くないと思います。
新型コロナウイルスの対応で、政府や知事などが補償金をたくさん払いたくないばかりに使う「自粛を要請」という言葉に通じるものがあります。
そちらも、自粛とは本来自身の意思で自主的に営業を取りやめることを言うのに、政府や知事からの「要請」になっています。
ただし形の上ではあくまで「自粛」なので、自身達の意思で休業したということで補償金も全額は支払われない状況になっています。

もう一つの問題は、菅義偉首相の認識です。
組織委員会が日本看護協会に医療ボランティアの確保を要請したことについて、「看護協会の中で現在、休んでいる方もたくさんいると聞いている。可能だと考えている」という認識を示しました。
私はこれを聞いて、率直にズレているなと思いました。
表面の理論だけを言っている印象があり、菅義偉首相としては「日本看護協会の認定有資格者の中には休職している人もたくさん居る。よってその人達にボランティアをして貰えばオリンピックは大丈夫」という理論なのだと思います。
しかし休職するからには育児や介護、激務で体調を壊したなどの理由があるものです。
その層の人達を狙って、しかも無報酬のボランティアで動員しようとするのはあまりに酷くないかと思いました。
物には「言い方」があり、こんな言い方をすれば反発を招くのを本人も認識しておらず、周りにも教えてくれる人がいないのかなと思いました。
これでは支持を失うと思います。

東京オリンピックの医療対応については、「ボランティア」のように言葉で誤魔化すのはやめにしたほうが良いと思います。
完全無報酬に本人が乗り気で参加する場合を「医療ボランティア」、完全無報酬に本人は反対だが偉い人に言われて強引に動員される場合を「医療強制無報酬従事者」、適切な報酬が支払われる場合を「医療従事者」のように、はっきり区分けするのが誠実な対応ではと思います。
汚いやり方の部分を全て「ボランティア」という綺麗に聞こえる言葉で誤魔化すようなオリンピックにならないことを願います。