読書日和

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「サン=サーンス ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」」(ピアニスト:森嶋奏帆)

2020-09-05 16:47:08 | ウェブ日記


(森嶋奏帆さん。写真はネットより)

今回ご紹介するのは「サン=サーンス ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」」(ピアニスト:森嶋奏帆)です。

-----曲調&感想-----
フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスの曲の演奏を、私は2018年12月の「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」で初めて聴きました。
その時に聴いたのは「動物の謝肉祭」という曲で、演奏とナレーションが交互に進む変わった曲でもあったことから、作曲者に興味を持ちました。
どんな人物なのか調べてみると、勲章も受章して葬儀が「国葬」で行われたほどの物凄く偉大な人だということが分かりました。
また、エリザベト音楽大学では2016年にサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」が演奏されたことを知り、どんな曲なのか興味を持ちました。
一番最初に聴いた森嶋奏帆さんというピアニストによる演奏が良かったので、その演奏動画を元にご紹介します。


(ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」。ピアニスト:森嶋奏帆さん、オーケストラ:洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団)


曲全体の印象

とても爽やかな曲です
音色に清涼感があり、暑い時期にBGMとして流しておけば風鈴代わりになる曲だと思います
サン=サーンスがエジプト滞在中に作曲し、曲調にも随所にエジプトのアラビアンな雰囲気が見られます。
また「エジプト風」という愛称が付いていて、その愛称のとおり風が吹いているような音色が特に印象的で、派手さよりも「流れるような美しさ」で魅了する曲です



第1楽章(~13:07)

冒頭、ピアノのとても可憐で優しく美しい音色で始まります。
クラシック音楽で「主題」と呼ばれるメロディで、しばらくするとまた登場する、その楽章の中心となるメロディです。
ピアノに続いてヴァイオリンも主題演奏をし、こちらは特にフワッ、フワッと風がそよいでいるように聴こえます
美しさが前面に出た音色がしばらく続きます。

オーボエ、ファゴット、クラリネット、フルートの管楽器によるアラビアンな響きの演奏があります。
それを合図にピアノ中心の高音のゆったりとした演奏になります。
何かの物思いにふけっているようにも聴こえ、安らぎとともに少し寂しさを感じるのが印象的です。

ピアノが「タン、タタタ、タン」と華麗に舞踏を舞っているかのような雰囲気の演奏をします。
その後束の間、力強く情熱的な演奏になり、「華麗に舞踏」から「情熱のステップ」に変わった印象を受けます。

やがて冒頭の主題の演奏がもう一度登場します。
今度は演奏の仕方を変え、フルートを中心に管楽器が牽引し、ヴァイオリンを中心に弦楽器が呼応し、ピアノは伴奏のような演奏になります。
そこからピアノが主旋律、管楽器と弦楽器が伴奏のような演奏に回って主題演奏を繰り返していて、これらの変化によって冒頭の時よりも音色が多彩に聴こえます。

全体が管楽器を中心に少し物憂げでミステリアスな音色になります。
ピアノはしばらく「ポロロロロー」という風のそよぎのような演奏をしていき、その音色の中に濃淡があり風の吹き方が変わっています。

最後はそよいでいた風が止むかのように優しくそっと終わります。



第2楽章(13:24~25:34)

迫力とミステリアスさ、さらにはドラマチックさもある音色で始まります。
ピアノの音色が高音からどんどん下がって行くところがミステリアスさを増していて良いと思います

やがて淡い雰囲気で夢見心地のような、静かな音色になります。
その時のピアノの音色がまるで静かに木琴でも叩いているように聴こえるのが印象的です。
しばらくの間、ミステリアスさが顔を覗かせながら静かな音色が中心になります。

曲全体の中でも特に良い音色になる場面を迎えます。
穏やかに風が吹いているような爽やかで優しい音色で、気持ちが安らぎます。
同じ音色をピアノ中心、ヴァイオリン中心、ピアノ中心の順に演奏して行き、その次のヴァイオリン中心の時に一番雄大で良い音色になります
高音がとても綺麗で、風がフワーッと吹き抜けて行くようです。
気持ちを爽やかに、そして明るくさせてくれる音色だと思います。

圧倒的な爽やかさの余韻に浸るような音色の後、また静かめでミステリアスさの漂う音色になります。
ヴァイオリンを中心に弦楽器が小刻みな演奏をしてミステリアスさを際立たせます。
そのミステリアスな雰囲気のまま、静かに第2楽章が終わります。



第3楽章(25:37~31:29)

ピアノの明るくスピードのある演奏で始まります。
そこからさらに明るくなり、陽気で楽しそうな雰囲気の音色です

弾むようなリズミカルさが特徴の主題の音色が登場します。
「タッタッタータ タータタタッタッター」のリズムが特に印象的です。
最初はピアノがそのリズムを演奏しますが、その次にフルートなどの管楽器が演奏する時、ピアノはハープを高速で奏でているような柔らかい音色で伴奏をしていて、その雰囲気が良いと思いました。

「蛇使い」が思い浮かぶようなアラビアンな音色になります。
オーボエが大活躍していて、フルートなどに比べるとくぐもった響きの音色がアラビアンな雰囲気を出すのに向いている楽器だと思います。

曲の終わりが近付き、主題が再び演奏される場面を迎えます。
管楽器が次々とリズミカルに演奏をして行き、その最後をピアノが引き取って、ピアノで主題演奏をします。
ピアノの後はヴァイオリンなどの弦楽器を中心に大音量での主題演奏になり、迫力が凄いです

最後は大迫力の中、「タッ、タッ、タッ!!」で突然切るように終わるのが印象的です。
終盤で吹いた強い風がピタッと止むのが表現されているように思います。


サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」はまだ生演奏を聴いたことはないです。
派手な音色や迫力のある音色になる場面が少なくても魅了される音色の美しさが印象的で、もしこの曲が演奏されるとなればぜひ聴きに行きたいです。
きっと演奏会場に爽やかな音色の風が吹き、聴いている人もとても爽やかな気持ちになるのではと思います。
いずれどこかの演奏会で聴けることを楽しみにしています



関連記事
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夏休み

2020-08-09 16:48:33 | ウェブ日記
昨日8月8日から私は夏休みに入りました。
今年は16日までの9連休で、世間的にもお盆休みの時期を迎えています。
四季の中で夏が一番好きな私も少し外を歩くだけで汗ばむ暑さは辛く、休めるのは嬉しいです

今日は普段とは街の雰囲気が違うのが印象的でした。
人の流れ方や漂う空気が違い、どこか華やいだ楽しそうなものを感じました。
新型コロナウイルスの脅威はあってもこの雰囲気が見られたのは良いなと思いました。

私は例年なら埼玉県の実家に帰省しますが、今年は東京の新型コロナウイルスの状況が怖いので断念しました
私が東京でウイルスに感染して帰省したら実家が危機に晒されると思いました。
東京の状況がもう少し落ち着いていれば帰省したかも知れませんが、私より体力の少ない家族のことを考えると今の状況では迂闊に動けないと思いました。
「ウィズコロナ(コロナと共に生きる)」や「アフターコロナ(コロナの混乱の後)」といった言葉も登場し、以前に比べれば大した問題ではないという雰囲気もありますが、まだ特効薬がなく、感染して発症するとただでは済まないのは無視出来ないてす。

今年の夏は中国地方で瀬戸内海を眺めたりもみじ饅頭を食べたり、小説を読んだり音楽を聴いたりしながらゆっくり心身を休めます
夏休み明けに向けて、適度にウォーキングをして暑さの中で歩ける体も維持しておきたいです。
書く気力の戻ってきたブログもそれなりに書いて行ければと思います。
ゆっくり過ごしながら普段とは違う時間の流れを楽しみたいです

梅雨明け

2020-07-31 21:09:01 | ウェブ日記
7月30日、中国地方の梅雨明けが発表されました
その前日に梅雨の雨の降り方とは違う、真夏の時期特有の激しい雷雨があり、雷雨の後に日差しが見られました。
今年の梅雨明けを決定づける雷雨だったのだなと思います。

今年はなかなか梅雨が明けずにやきもきしました。
気象庁が定める夏の期間は6月から8月ですが、梅雨の間は曇りと雨の日が多く、あまり真夏という雰囲気ではないです。
なので梅雨明けが遅くなればそれだけ真夏の期間が短くなります。
山口県は平年より9日遅れたものの、何とか7月のうちに梅雨明けしてくれて良かったです

クマゼミも7月半ば頃から鳴き声を聞くようになりましたが、梅雨空では控え目な鳴き声でした。
それが今朝は久しぶりに朝から快晴になったこともあり、とても元気に鳴きました
クマゼミは辺りが朝日に照らされ始めるとともに鳴き始める印象があり、私は静寂の中で鳴き始めるその瞬間が好きです。
真夏の朝はこれだなという気がします。

明日から早くも8月になります。
8月は一番安定して真夏らしくなる月でもあり、そして夏の終わりの月でもあります。
梅雨明けが遅れた分、ぜひ8月は真夏らしい日が多くなってほしいと思います

「Go Toトラベル」と新型コロナウイルス

2020-07-19 11:23:08 | ウェブ日記
一昨日、7月22日から始まる「Go Toトラベル」の割引きキャンペーンについて、赤羽国土交通大臣から東京での新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、東京発着の旅行を割引きの対象外にすることが発表されました。
また、国としてキャンセル料の補償をする考えはないことも明らかにしました。

「Go Toトラベル」とは、今年4月に発表された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」にある「Go Toキャンペーン」の一つで、国内旅行の費用を補助する「Go Toトラベル」、飲食需要喚起の「Go Toイート」、イベントなどのチケット代補助の「Go Toイベント」、商店街振興の「Go To商店街」があります。
「Go Toトラベル」は上限2万円まで費用を国が出すという太っ腹なキャンペーンで、それは同時に、それくらいしないと持ちこたえられないくらい観光業界が壊滅寸前ということだと思います。

狙いは新型コロナウイルスによって人が動かなくなり、人が動かないと観光地に行く人が激減し観光業界は壊滅するので、緊急事態宣言が解除されている今これをどうにかして打開したいのだと思います。
また、旅行は好きでも新型コロナウイルスの影響で減収している人や、ウイルスの驚異に備えて財布の紐を固くしている人もたくさん居ると思うので、それを考えるとキャンペーンの趣旨は良いことだと思います。
しかし物事は理想どおりに行かないこともあります。
新型コロナウイルスは人々に感染症をもたらすウイルスで、ウイルスに経済対策をしたいから大人しくしてくれと言っても聞いてはくれないです。
今回はまさに、再び東京で感染拡大の動きがあるため、東京がキャンペーンの対象から外されることになりました。

キャンペーンが理想どおりに行かないのはウイルス相手なのでどうにもならないです。
ただ今回、国の割引きキャンペーンがあるからという理由で東京発着の旅行を申し込んだ人が多数いるのではと思います。
それなのに、都合が悪くなったから東京をキャンペーン対象から外すのに、代金の補償をしないのは酷くないかなと思いました。

この先似たようなキャンペーンをしても、「でも政府は都合が悪くなってキャンペーンの変更や中止をしても補償しないんだよなあ」と思い、みなさんお金を使うことに及び腰になる気がします。
国が主導して国民を旅行に動員した以上、その「義理」はないがしろにしないほうが良いのではないかなと思います。
「補償はしません」では率直に梯子を外された人達が可哀想です。
ぜひ補償する方向に向かってほしいなと思います。
※7月21日、赤羽国土交通大臣から当初の方針を変更し、補償すると発表がありました。補償なしは不義理だと思うので、その方が良いと思います。

私的には、自身の近場の地域を助けるにはこのキャンペーンを使うのも良いかなと思います。
例えば広島県の世界遺産厳島神社がある宮島にはお店がたくさんあり、観光客によって成り立っているので、新型コロナウイルスの問題によって島全体が壊滅の危機に立たされています。
なので「Go Toトラベル」のキャンペーンを使って宮島に泊まりに行くのも良さそうです。
何とか観光業界が根こそぎ壊滅という事態にならずに済むことを願います。

「罪のない嘘 ~毎日がエイプリルフール~」三谷幸喜

2020-07-12 17:25:51 | ウェブ日記


(写真はネットより。以下同じ。)

今回ご紹介するのは舞台「罪のない嘘 ~毎日がエイプリルフール~」(作:三谷幸喜、演出:モトイキシゲキ)です。

-----内容-----
<嘘>も方便。
物事をうまく進めるためには、ちょっとした<嘘>は必要なもの・・・。
ある日の午後、高級マンションの1室。
以前この部屋の持ち主だった鏑木(かぶらぎ)が、テレビの修理屋を装ってやってくることから始まる。
彼は妻子と別れ、今は愛人と暮らしているが、娘が婚約者を連れてくることに。
そこで、4日前まで住んでいたこのマンションで会うためにひと芝居=<嘘>をつくことを思いついたのだ。
ところが、今の居住者の鴨田夫妻が留守の時間帯を調べて入り込んだはずなのに、次々に夫妻が帰宅してきてしまう。
そのうえ、マンション自治会の副会長夫妻や不動産屋、鏑木の前妻や愛人、ついには娘の婚約者の両親までが、入れ替わり立ち替わりやってきて……。
ちょっとした<嘘>のはずが、繕えば繕うほどに、いつの間にか”おおごと”に・・・。
絶体絶命のピンチ!
さあ、どうする鏑木研四郎!?
三谷幸喜が劇団東京ヴォードヴィルショーに書き下ろした不朽の名作喜劇が令和の新春に装いも新たに蘇る!
個性豊かなキャストが勢揃い。
令和初の新春に、老若男女すべての皆さんに贈る抱腹絶倒の初笑い!

-----感想-----
2月18日、広島県広島市のJMSアステールプラザ大ホールで舞台「罪のない嘘」を観ました。
新型コロナウイルスの問題でいよいよ何もかもが自粛になる、少し前のことでした。

私が「罪のない嘘」を知ったのは、出演者の一人の菅原りこさんがきっかけでした。
菅原りこさんは、昨年1~5月にかけて大々的に全国放送のテレビ番組などでも取り上げられ、世間の注目を集めたアイドルグループNGT48の山口真帆さん暴行事件において、一貫して山口真帆さんに味方して暴行事件を山口真帆さんのせいにしたい人達と戦ってくれた人です。
最終的に、暴行事件被害者なのに半ば追い出される形でグループを卒業することになった山口真帆さんとの友情・義を貫き、自らのアイドル生命が絶たれることになっても一緒に卒業する道を選びました。
戦いの舞台が新潟県だったこともあり、その姿からは義に厚い戦国大名”越後の龍”上杉謙信が思い浮かぶくらい大変感銘を受けました。
昨年5月18日の卒業後はエイベックス・マネジメントという事務所に移籍し、アイドルから女優・タレントに転身して活動することになりました。
その菅原りこさんが「罪のない嘘」でお芝居のお仕事をすると知り、実物の菅原りこさんがどんな雰囲気なのか、またどんな演技をするのか、それらに興味があり舞台を見に行こうと思いました。
私にとって初めての舞台観劇となりました。

「罪のない嘘」には「アパッチ砦の攻防より」という付記があり、これは大元の作品が「アパッチ砦の攻防」ということで、私は当初アパッチ砦とはどんな砦なのだろうと漠然と気になっていました。
やがて「罪のない嘘」が始まると、舞台になっているマンションの名前が「アパッチ」で、その一室でかつての居住者と今の居住者を中心にした攻防が繰り広げられるから「アパッチ砦の攻防」なのだと分かりました。
作中の舞台は終始マンション「アパッチ」の一室で、ずっと同じ場所で話が進むのに小さな世界感にならず大きな世界のように感じるのが凄いと思いました。
脚本の力と演じる役者の力の両方が揃って初めて作れる世界観だと思います。
内容欄に「抱腹絶倒の初笑い」とあるように、様々な人物が入れ替わり立ち替わり登場して次々と笑わせてくれました
三谷幸喜さんと言えば「喜劇」なのが強く意識される楽しい作品です。



(演技をする、左から菅原りこさん、佐藤B作さん、鈴木杏樹さん、片岡鶴太郎さん)

物語は、婚約者を連れて来る娘のちよみ(菅原りこさん)のために、以前住んでいたマンションに今も住んでいることにして見栄を張りたい鏑木研四郎(佐藤B作さん)と、今の住人である鴨田巌(片岡鶴太郎さん)・まち子(鈴木杏樹さん)夫妻の攻防を中心に進んで行きます。
夫妻は物凄く曲者感のある巌と物凄く天然感のあるまち子の凸凹コンビぶりがかなり面白かったです。
テレビの修理屋のふりをしながらどうにかして誰もいない状態にしてちよみを迎えたい研四郎ですが、夫妻以外の人達も次々現れどんどん事態は悪化していきます。
その場を誤魔化すために苦し紛れの嘘をつきますが、やがてその嘘とは矛盾する展開になってしまったりもして、次々訪れる大ピンチに四苦八苦しながらも誤魔化そうとする様子が面白かったです。
巌が曲者感たっぷりな言い方で「どういうことなんだ」的な突っ込みを研四郎に入れる場面などは特に印象的で、片岡鶴太郎さんは曲者役をやらせたら随一な気がします。
また佐藤B作さんは大ピンチの連続で焦っている役回りなので終始焦った雰囲気の演技をしていましたが、その焦りの中に巧みに笑いを入れて来たり、最後の方では一転してしんみりとした演技をしたりもして、流石に上手いなと思いました。

終始笑いに包まれた作品で、休憩を挟んで約3時間に及んだ上演時間のうち半分以上は観客席から笑いが起きていた気がします。
笑いにはアドリブと思われるものもあり、私は片岡鶴太郎さん、佐藤B作さん、あめくみちこさん(研四郎の元妻・若宮サダ役)のアドリブ的立ち回りが印象的でした。
本人達も笑いながら台詞を言っていた場面があったのが印象的で、笑いに包まれっ放しの会場の雰囲気を楽しみながら演技をしているのが分かり、ベテランならではの余裕、貫禄を感じました。
特に片岡鶴太郎さんが舞台のセットとJMSアステールプラザの床面との境界線をもじり、「ここより先はもう舞台セットの外じゃないか」のようなことを面白おかしく言っていた場面が印象的で、よく台詞が出てくるなと思いました。

不自然にならない場面で、台詞の中でもみじ饅頭などの御当地ネタを出してくれたのは嬉しかったです。
どの地域にも名産品はあるもので、他の地域の上演でも御当地ネタを出してくれたのではと思います。
これは各地を回りながら上演する舞台ならではの良さだと思います。

研四郎の愛人のビビアン(小林美江さん)が日本語を勉強中で怪しい片言を話すのですが、「明日は明日の風が吹く」などの格言を絶妙なタイミングで、絶妙な言い方で言っていたのは面白かったです。
周りの人を勇気づけているようにも茶化しているようにも見え、何か言うたびに客席から笑いが起きていました。
終盤になると驚愕の正体も明らかになり、そこでも笑いが起きました。

鴨田まち子役の鈴木杏樹さんは広島公演の前に不倫スキャンダルが報じられました。
ちよみが劇中でまち子の気の迷いを凄い勢いで怒る場面があり、まち子が演技ではない雰囲気で気まずそうにどんどん小さくなっていきリアルに落ち込んでいるのが面白かったです。
まさか劇中のまち子と実際の鈴木杏樹さんが同じような境遇になるとは驚きで、不倫は駄目ですがこの場面はかなり笑われていました。



(演技をする菅原りこさん)

ちよみは「いちず」「まっすぐ」という言葉が思い浮かぶような、何事にも勢い良く突き進んでいくタイプの人でした。
ちよみが登場すると場の雰囲気が明るくフレッシュになり、そういった役回りなのだと思います。
また、佐藤B作さんと片岡鶴太郎さんは二人とも1997年の大河ドラマ「毛利元就」に出演しており、菅原りこさんがそういった人と共演するところまで来たのが私は嬉しかったです

菅原りこさんは現在19歳で、今年20歳を迎えます。
アイドルから女優・タレントに転身してまだ日も長くなく、お芝居の分野では駆け出したばかりの存在です。
なので演技力ではさすがに先輩方には及ばない印象を受け、ベテラン勢の演技には「変幻自在」「緩急自在」といった言葉が思い浮かび、そこに差を感じました。
今後に向けて、役の幅を広げていくには緩急も重要になる気がします。

菅原りこさんと似た立場で女優として活躍する人では、松岡茉優さんが思い浮かびます。
元々は「おはスタ」という朝の子供向けバラエティ番組を中心に活動していましたが、番組卒業後は女優として活躍していきます。
私は「ちはやふる」という青春映画で本格的に松岡茉優さんの演技を見ることになり、その演技力の高さがかなり印象的でした。



(「ちはやふる」で主人公のライバル役を演じる松岡茉優さん。当時まだ21歳でしたがこの貫禄です。)

現在では演技力の高い若手女優として益々名を轟かせており、今後もさらに飛躍していくと思います。
こういった途中から女優に転身しての大成功例もあるので、菅原りこさんも努力次第で高い演技力を身に付けることが出来るのではと思います。

また、ちよみを演じる菅原りこさんを見て、声が透き通っていてよく通るのが印象的で舞台に向いていると思いました。
そして元アイドルということもあり細身でスタイルが良く、上背も伸びてきているようで雰囲気がとてもステージ映えします。
この高い素質があるので女優として成功する可能性は大いにあると思います。
これからどのように活躍していくのか、注目して見て行きたいと思います


私が「罪のない嘘」を観たのは、広島での1回だけでした。
しかし笑いの絶えないとても面白い舞台で、観終わってからもう一度観たいなと思いました。
初めて観た舞台が楽しい舞台になったのも嬉しく、これを機に気になる舞台があれば観に行くのも良いかなと思いました



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広島公演出演

佐藤B作
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)
小林麻耶
菅原りこ
あめくみちこ
黒田こらん
小林美江
山本ふじこ
中西良太
まいど豊
佐渡稔
梅垣義明
鈴木杏樹
片岡鶴太郎
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-----菅原りこさん出演作品、コンサートの感想記事-----
辰巳真理恵 菅原りこ 追川礼章 SPECIAL CONCERT
「PERSONA5 the Stage #3」(主演:猪野広樹)


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初夏と夏の体力作りとダイエット

2020-07-05 13:19:50 | ウェブ日記
5月下旬から、長距離ウォーキングを始めました。
主に会社の帰り道に歩いていて、休日も天気が良ければよく歩いています
会社への通勤でも毎日往復2km以上は歩いていますが、現状それでは不十分な気がしました。

長距離ウォーキングには3つの思いがあり、1つ目は新型コロナウイルスへの特効薬もない現状では、いざとなったら自身の体力が頼りなので向上させておこうと思いました。
2つ目は今のうちに真夏の猛暑を乗り切れる体力作りをしておこうと思いました。
そして3つ目は、長距離ウォーキングを続けることでダイエットをしようという思いでした。
主に一日片道4km、往復8km歩くようにしていて、昨日までのウォーキング結果は次のとおりです。


5月 8km歩いた日
21日、22日、23日(休日)、24日(休日)、25日、27日、29日、30日(休日)

合計64km


6月 8km歩いた日
2日、3日、4日、5日、6日(休日)、8日、9日、16日、19日、20日(休日)、21日(休日)、22日、23日、27日(休日)、28日(休日)

4km歩いた日
7日

合計124km


7月 8km歩いた日
2日

合計8km


全て合計すると、196kmというかなりの距離になります。
しかしそこまで痩せてはいないです。
以前、ブログ友達が自身を「万年ダイエッター」と言っていたことがありましたが、私も同じだなと思います。
体重が増えやすい体質でもあるようで、油断しているといつの間にか増えているので気を付けないといけないです。
また、理論だけ言えば「摂る栄養を減らして運動を増やせば痩せる」になると思いますが、新型コロナウイルスの驚異もある現状で栄養を減らすのは命取りな気がするので、食べるものは普段通りに食べています。

それでも体力はかなり上がったと思います
8kmのウォーキングは最初は長く感じましたが今では問題なく歩けるようになっています。
梅雨が明けて真夏になるまでにまだ歩くチャンスはあると思うので、さらに体力を上げて万全の状態で真夏を迎えられればと思います

夏至

2020-06-27 20:56:50 | ウェブ日記
6月21日、今年の夏至を迎えました。
夏至は一年で一番昼間の時間が長い日で、山口県では6月になった頃には 20時頃でもまだ空にわずかに明るさがあるのを目にし、夏至の何日か前には20時15分頃でもそうでした。

毎年5月になった頃から日の長さを特に感じるようになります。
ある日、19時30分くらいでもまだ空に少し明るさが残っていることに気付き、それがどれくらいまで延びるのだろう、と楽しみになります
どんどん日が延びていく時は一日ごとに真夏に向かっているのがよく分かり、気持ちも高揚します

そしてその気持ちは夏至で一区切りとなります。
日の長さが最高点に達し、明日から早くも日が短くなり始めるのだなと思い、少し寂しくなります。
夏至から6日目の今日はまだほとんど夏至と変わらないくらいの日の長さですが、8月に入ってしばらくすると明らかに日が短くなったのを感じるようになります。

今年の夏至が過ぎた今、まだ日が長いうちに出来るだけ夏至の余韻に浸っておきたいです。
今年は5月の下旬から、真夏を乗り切る体力を早めに付けておこうと思い、夕方から夜にかけてよく長距離ウォーキングをしているので、この先も続けるようにして今の時期の日の長さを実感したいです。
6月22日には今年初めてセミの鳴き声も聞いたので、これからどんどん鳴き声の数が増えて行くのも楽しみにしています。
夏至は過ぎても、真夏が来るのはこれからです

梅雨入り

2020-06-20 17:40:50 | ウェブ日記
6月10日、中国地方の梅雨入りが発表されました。
この日から曇りや雨の日が多くなり、梅雨明けの時もそうですが、それまでとガラッと天気が変わるのが印象的です。
そして昨年は梅雨入りがかなり遅くなりましたが、やはり6月のこのくらいの時期での梅雨入りが丁度良いのではと思います。

梅雨入りした途端、凄く蒸し暑く感じる日が何日かありました。
曇りや雨の日に気温が高いと独特なモワッとした、まとわりつくような重い空気になります。
普段は外を歩くのが好きな私も、そんな日は歩く気がなくなって涼しい場所に居たくなります。

5月の下旬から咲いているのが目に留まり始めた紫陽花は、梅雨入りしていよいよ最盛期を迎えました
雨を喜ぶ花なので、梅雨入りしてから花が生き生きしているように見えます。
私は水色の紫陽花が特に好きで、和の明るい色合いが良いなと思います。
そして最近は枯れ始めた花もあり、見頃は6月のうちかなと思います。

梅雨が明ければいよいよ真夏になります
今年は真夏を乗り切る体力を早いうちから付けておこうと思い、5月の下旬から長距離ウォーキングをしています。
一回のウォーキングで約8kmくらい歩いていて脚は疲れますが、ダイエットになればという思いと、コロナウイルスへの特効薬がない現状で頼りになるのは自身の体力だという思いもあり、週2回以上を意識して続けています。
梅雨の間も晴れて湿度もそれほど高くない日はあるので、しっかり歩いて体力を付けていきたいです

新型コロナウイルスの問題

2020-05-23 12:17:00 | ウェブ日記
2月から5月にかけてブログを休んでいる間、新型コロナウイルスの問題で世の中の様子は一変しました。
新型コロナウイルスによる肺炎は昨年11月、中国の武漢市で世界で始めての症例が確認されました。
肺炎と言われていますが、多臓器不全、免疫不全といった症例も聞こえてきて、どうもただの肺炎ではない印象があります。
年末年始に帰省した時はまだ普段通りの平和な雰囲気で、新幹線にも普通に乗り、特に東京駅の構内は人で溢れていました。
しかし1月は後半になるにつれ、「これは思っていたより危険なのでは」という意識が少しずつ芽生えていった気がします。

2月になると日本でも感染が拡大し始め、真っ先に音楽分野に対してコンサートなどの自粛を求める声が上がりました。
この時、「コンサート中止による損害」についてはあまり補償しようという声も上がらず、私はこれに強い憤りを感じました。
それは自身の仕事が露骨な被害を被らないから(他人事でいられるから)、あるいは音楽分野の仕事を「道楽」とでも捉えているから、取れる態度なのではないか?と思いました。
私自身がクラシック音楽のコンサートによく行くこともあり、音楽分野が世間から冷たい扱いを受けているのを見て酷い仕打ちだなと思いました。
自粛せずに万が一コロナ感染者が出たら「それ見たことか!」となるので自粛するしかないです。
この状況で「自粛は求めるが補償はしない」では、対コロナウイルスでは助かったとしても対経済で暮らして行けなくなるので、政府にはきちんと補償してあげてほしいと思いました。

2月はどんどん状況が悪化していくのを強く感じる月でもありました。
マスクは全く買えずとても困りました。
コンビニ、ドラッグストア、ショッピングモールなど、どこに行ってもマスクの棚は空っぽになっていて愕然としました。

3月頃になると自粛要請の範囲は音楽分野のみならず、広範囲に拡大して行きました。
自粛の経済被害を受けるのが音楽分野だけではなくなったためか、「補償はどうするんだ」の声がそれまでよりも多く上がるようになった気がしました。
政府の動きは、補償に消極的に見えました。
財政のことが頭をよぎって消極的になったのだと思いますが、私は国の「税収」は働く人の数が揃っていてこそだと思うので、ここで補償を嫌がって大量の企業倒産、失業者を出したら、コロナウイルスの問題が落ち着いたとしても働く人の数が減ってしまい、どのみち税収低下で財政が苦しくなるのではと思いました。
新型コロナウイルスのような国の存亡に関わる未曾有の危機に対しては、目先の財政のことよりも、もう少し長い期間を見据えて対応することが必要なのかなという気がしました。

4月7日、東京都など7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されました。
一般の会社にも「テレワーク」という、会社に出社せず家で働いてくれという要請や、「休業要請」という働くこと自体をやめてくれという要請が出され、いよいよ総力戦になった印象がありました。
そして17日にはゴールデンウィークが近いこともあり、人の移動を抑えるために緊急事態宣言の対象が全国に拡大されました。

16日には全国民に対して一律10万円の特別定額給付金が支給されることも決定しました。
定額給付金が支給されるのは「リーマンショック」への対策で支給した2009年以来で、その時は65歳以上及び18歳以下が20000円、それ以外が12000円だったので、今回の新型コロナウイルスによる経済への影響の深刻さが分かります。
一律10万円の支給が決定されるまでの間、支給対象を絞ろうという意見や(一時はこの方針になりました)、お肉券やお魚券にした方が良いのではという意見が出て揉めましたが、私は家賃や電気ガス水道などの料金の支払いに困る人が多数出るのを考えると、全国民に一律現金の方が良いと思いました。
時間は掛かりましたが支給に条件が付いたりお肉券やお魚券になるよりはまだ良かったと思います。

私は4月のある日、マスクを探し求めて街を歩いていて、平時と比べてあまりの人の少なさに驚いたことがありました。
とてもひっそりとしていてゴーストタウンのように見えました。
自粛要請がされてしばらく経ちましたが、自粛は街が息をしていないようになり、経済が死ぬのを強く感じました。

私の住む山口県の隣、広島県には世界遺産厳島神社のある宮島があります。
宮島には飲食店、お土産物店などお店が沢山あり、観光客で成り立っています。
新型コロナウイルスによる自粛要請でお客が来ない状況では、島ごと兵糧攻めに遭っているのと同じで壊滅は時間の問題です。
政府の「企業に最大200万円、自営業に最大100万円の現金給付」はこういう場合の助けになります。
似た状況になっている所が全国に沢山あると思うので、「全国民に一律10万円」と共に一日も早く行き渡ってほしいです。

現在、一部を除いて緊急事態宣言は解除されましたが、言い知れない閉塞感が依然としてあります。
新型コロナウイルスも消えたわけではなく、そのまま存在しています。
特効薬が開発されるまでは今のような、緊急事態宣言を発令したり解除したり、経済活動を停滞させたり再開させたりといった戦いが続くのかなと思います。
この戦いは自身がコロナウイルスにやられずに無事でいられるかの戦いでもあるので、しっかり栄養を摂り、よく寝て、よく運動して体力も上げ、健康を守って行きたいと思います。

ブログを書けない日々

2020-05-21 18:34:29 | ウェブ日記
2月から5月まで、ブログを書けない日々が続きました。
その間、ツイッターでは呟くことが出来ましたが、どうしてもブログは書く気力が出ませんでした。
5月10日に「元NGT48 高橋七実さんへの手紙」という記事で3ヶ月ぶりにブログを書き、やっとブログに戻って来れたなという気がします。

久しぶりに書いた記事は長い手紙に基づいた記事になり、昨年6月、しばらくブログを書く気力が出なかった時期から1ヶ月半ぶりに書いた時、長い記事になったのと同じようになりました。
どちらも短い記事ならもっと早く更新出来たのですが、「その時に真っ先に書きたい記事が、長い記事だった」というものです。
興味深いことに、しばらくブログを書く気力が出なかったはずなのに、書き始めるとどんどん書くことが出来ます。
私のような元々長い文章が得意な人にとっては、長い文章を書くことでブログへの気持ちが戻って来るのかも知れないなとも思いました。
短い文章のブログが主流の時代ではありますが、これからも自身の得意な型は見失わずにいたいです。

そして長いことなくなっていた読書の気持ちもやっと戻って来たのを感じています
読書日和というタイトルのブログが読書出来ない日々を過ごすのは、大切なものが欠けている寂しさがありました。
この週末はぜひ読書をしようと思います。
ブログもマイペースに更新して行こうと思うので、またよろしくお願いします