今回ご紹介するのは「図書館戦争」(著:有川浩)です。
-----内容-----
公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律「メディア良化法」が施行され、世の中からは表現の自由が失われつつあった。
「メディア良化委員会」なる組織が作られ、その代執行組織となる「良化特務機関」があらゆるメディアの良化を目指し、公序良俗に反する書籍・映像作品・音楽作品などを取り締まっていた。
メディア良化委員会の検閲を通過したものしか世の中に流通させることが出来ないのである。
もはや自分の読みたい本を読むこともままならない時代、メディア良化委員会に唯一対抗出来る組織として、図書館が武装した!
検閲を退けてあらゆるメディア作品を自由に収集し、かつそれらを市民に供する権利を合わせ持つ公共図書館は、メディア良化委員会にとってほとんど唯一の警戒すべき「敵」となった。
この小説はメディア良化委員会と図書館の熾烈なバトルを描いた、壮大なエンターテイメント作品なのである。
-----感想-----
この作品は、ある方に薦められて知りました。
先日本屋に寄ったときに図書館戦争があったので、読んでみようと思いました。
読んでみてまず思ったのは、設定がすごいなということです。
まさか図書館が武装するとは…
武装に至るまでには、メディア良化法という厄介な法律の成立・施行がありました。
この法律によって事実上「表現の自由」が侵害されてしまったのです。
※これについては現実世界の「人権侵害救済法案」という法律が非常によく似ているので、ご覧になる方はこちらをどうぞ。
人々はメディア良化委員会の検閲を通過したものしか購入出来なくなりました。
それに対抗するために図書館が立ち上がります。
図書隊という本格的な隊を作り、メディア良化委員会の検閲に対抗していきます。
また、図書隊には選りすぐりのメンバーを集めた「図書特殊部隊」というのもあって、戦闘の際には図書特殊部隊が活躍します。
主人公の笠原郁(いく)は、女性として初めて防衛員を志望し、注目されている新人です。
郁は感情で突っ走るタイプなので、常にトラブルを起こしてしまいます。
郁に対してやけに厳しい堂上教官とはすぐに喧嘩になるし、同期の手塚という男とも言い争うことが多いし、何かとお騒がせな感じです
同期で同部屋の柴崎とは仲が良いようで、色々と相談したりしているようです。
また、この作品は物語の所々に恋愛話があります。
いつの間にかラブコメ的な展開になっていたりして、熾烈な図書バトルの話はどこにいったんだろう?と思ったりもしました。
会話にギャグが多いのも特徴でした。
テンポの速い会話が繰り広げられて、どこか抜けた感じの野次の応酬になったりするので、なかなか面白かったです
有川浩さんはこういった作風のようですね。
真面目な話と恋愛的な話とギャグ的な話を上手く合わせて、独特な作品世界を作っていました。
面白い組織も出てきました。
『子供の健全な成長を考える会』という組織があるのですが、この組織は図書隊に批判的でメディア良化委員会よりの考え方をしています。
この組織の趣旨は、子供たちに悪影響を与える本を排除することなのですが、その排除の基準が自分たちの価値観のみで決められていて、子供の権利を全く無視しています。
小説の主人公が銃を持っているのが望ましくないという理由で、その本を学校の図書館から排除したりと、なかなかの横暴ぶりを見せています。
これに怒った子供がある事件を起こし、その後色々あり『図書館の自主規制を考えるフォーラム』で子供側から見た意見を述べることになります。
学校の図書館のあり方を巡り、大人対子供の討論に発展していったのは面白かったです。
こんな感じで、色々な組織や人が登場して、図書バトルが繰り広げられていきました。
続編もあるので、機会があれば読んでみたいと思います
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
-----内容-----
公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律「メディア良化法」が施行され、世の中からは表現の自由が失われつつあった。
「メディア良化委員会」なる組織が作られ、その代執行組織となる「良化特務機関」があらゆるメディアの良化を目指し、公序良俗に反する書籍・映像作品・音楽作品などを取り締まっていた。
メディア良化委員会の検閲を通過したものしか世の中に流通させることが出来ないのである。
もはや自分の読みたい本を読むこともままならない時代、メディア良化委員会に唯一対抗出来る組織として、図書館が武装した!
検閲を退けてあらゆるメディア作品を自由に収集し、かつそれらを市民に供する権利を合わせ持つ公共図書館は、メディア良化委員会にとってほとんど唯一の警戒すべき「敵」となった。
この小説はメディア良化委員会と図書館の熾烈なバトルを描いた、壮大なエンターテイメント作品なのである。
-----感想-----
この作品は、ある方に薦められて知りました。
先日本屋に寄ったときに図書館戦争があったので、読んでみようと思いました。
読んでみてまず思ったのは、設定がすごいなということです。
まさか図書館が武装するとは…
武装に至るまでには、メディア良化法という厄介な法律の成立・施行がありました。
この法律によって事実上「表現の自由」が侵害されてしまったのです。
※これについては現実世界の「人権侵害救済法案」という法律が非常によく似ているので、ご覧になる方はこちらをどうぞ。
人々はメディア良化委員会の検閲を通過したものしか購入出来なくなりました。
それに対抗するために図書館が立ち上がります。
図書隊という本格的な隊を作り、メディア良化委員会の検閲に対抗していきます。
また、図書隊には選りすぐりのメンバーを集めた「図書特殊部隊」というのもあって、戦闘の際には図書特殊部隊が活躍します。
主人公の笠原郁(いく)は、女性として初めて防衛員を志望し、注目されている新人です。
郁は感情で突っ走るタイプなので、常にトラブルを起こしてしまいます。
郁に対してやけに厳しい堂上教官とはすぐに喧嘩になるし、同期の手塚という男とも言い争うことが多いし、何かとお騒がせな感じです

同期で同部屋の柴崎とは仲が良いようで、色々と相談したりしているようです。
また、この作品は物語の所々に恋愛話があります。
いつの間にかラブコメ的な展開になっていたりして、熾烈な図書バトルの話はどこにいったんだろう?と思ったりもしました。
会話にギャグが多いのも特徴でした。
テンポの速い会話が繰り広げられて、どこか抜けた感じの野次の応酬になったりするので、なかなか面白かったです

有川浩さんはこういった作風のようですね。
真面目な話と恋愛的な話とギャグ的な話を上手く合わせて、独特な作品世界を作っていました。
面白い組織も出てきました。
『子供の健全な成長を考える会』という組織があるのですが、この組織は図書隊に批判的でメディア良化委員会よりの考え方をしています。
この組織の趣旨は、子供たちに悪影響を与える本を排除することなのですが、その排除の基準が自分たちの価値観のみで決められていて、子供の権利を全く無視しています。
小説の主人公が銃を持っているのが望ましくないという理由で、その本を学校の図書館から排除したりと、なかなかの横暴ぶりを見せています。
これに怒った子供がある事件を起こし、その後色々あり『図書館の自主規制を考えるフォーラム』で子供側から見た意見を述べることになります。
学校の図書館のあり方を巡り、大人対子供の討論に発展していったのは面白かったです。
こんな感じで、色々な組織や人が登場して、図書バトルが繰り広げられていきました。
続編もあるので、機会があれば読んでみたいと思います

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。