読書日和

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「陽だまりの彼女」越谷オサム

2012-06-04 16:28:01 | 小説
今回ご紹介するのは「陽だまりの彼女」(越谷オサム)です。

-----内容-----
幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。
かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。
でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで―
その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!
誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、すべてつまった完全無欠の恋愛小説。

-----感想-----
会社の取引先との打ち合わせで対面した彼女は、中学時代の幼馴染みだった。
信じられないような偶然とともに幕を開ける物語。
十年ぶりに再会した彼女は中学時代とは比べ物にならないほどパワーアップしていて、その仕事ぶりに衝撃を受けた僕こと奥田浩介。
かつてのイジメられっ子は、モテ系の出来る女へと変身していました。
一方、彼女、真緒は中学時代は浩介の世話になりっぱなしでした。
クラスでは浮いていた二人でしたが、真緒にとって浩介はとても頼りになる存在で常にそのそばに居ました。

そんな二人が十年ぶりに再会し、プライベートでも会うようになり、やがて恋人になり。
ついには結婚します。
この二人は本当に甘ーい恋愛という感じで、読んでいるこっちが恥ずかしくなってきますよ(笑)
まったく何というベタ甘展開なんでしょうね
まあたまにはベタ甘を読むのも悪くはないのかなと思います。

でも明るく天真爛漫に見える真緒にはどこか消えてしまいそうな儚さもあって。。。
私は「かぐや姫」を思い出しました
時期が来たら月に帰ってしまうような、そんな雰囲気が、物語の中盤以降は強くなっていきました。
何かを隠している真緒。
しかしそれは一体何なのか。
甘い雰囲気の恋愛小説から一転、ミステリーのような展開になっていきます。
まるで自身の死期を悟ったかのような真緒の雰囲気を見て、浩介の不安は募る一方です。

そして最後は化け猫に化かされたような感じで、「そうきたか!」というクライマックスでした。
この恋愛小説にこの要素を取り込むのかと、一本取られた気がしましたね。
最後の2ページの展開はなかなか良かったです
ミステリー調の、何だか不安な感じの展開も解決し、ひとつのハッピーエンドになったのかなと思います

そしてこの小説は、「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」とのことです。
この帯を見て手に取ってみました。
「なるほどそれなら読んでみようか」という感じですね(笑)
美しくもあり、儚くもあり、微笑ましくもあり、ミステリーもありで、読み応えのある一冊でした。
二回目に読むとより一層張られていた伏線が分かる小説だと思うので、またいずれ読んでみたいと思います


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