読書日和

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「山口真帆 1st写真集 present」

2019-10-01 22:36:51 | ウェブ日記


今回ご紹介するのは「山口真帆 1st写真集 present」(著:山口真帆)です。

-----内容-----
悔しいこと、苦しいこと、哀しいこともありました。
忘れたいこともたくさんある。
でも過去は変えられない。
今は変えられる。
過去があるから今がある。
明日がある。
未来がある。
それならまだ見ぬ明日に向かって生きて行きたい。
今はまだ自分自身に誇れるものも何もない。
今はまだ何者でもない。
だからこそ臆せず挑戦したい。
まだ見ぬ自分があるから楽しい。
そうやって毎日自分を更新して、いつか、この写真集を持っているあなたに誇れる私になりたいな。

24歳の誕生日。
この『present』を名刺代わりに、女優としての第一歩を踏み出す――

-----感想-----
普段書く本の記事は小説の感想記事が中心の私にとって、初の写真集の感想記事となります。
新潟を中心に活動するアイドルグループNGT48の元メンバー、山口真帆さんがグループを卒業後、「研音」という芸能事務所に移籍し、『present』の発売とともに女優としての活動を本格的に始めていくことになりました。
山口真帆さんの一連の戦いぶりを見た「研音」から、令和という新しい時代に合った情報発信力を評価して声をかけてくれ、移籍が実現したとのことです。
「研音」ホームページのアーティスト一覧の女優の欄を見ると、一番最後に山口真帆さんが載っています。

『present』はNGT48を卒業した5月18日から約4ヶ月後の、山口真帆さんの誕生日でもある9月17日に発売されました。
心的ストレスでかなり痩せてしまっていた体を元に戻すため、ジムに通って鍛えながらご飯をたくさん食べ、約5キロ増量して撮影に臨んだとのことで、短い時間でよく立て直したと思います。
通常、写真集の撮影などではできるだけスリムな方がスタイルも良く見せられると考えられていますが、山口真帆さんの場合は逆に5キロも増量して臨んでおり、いかに大変な状況にあったかを物語っています。

「ご飯をたくさん食べる」と書くのは簡単ですが、食べられなくなっていた精神状態からたくさん食べられるところまで気持ちを持っていくのはかなり大変なことで、さすがにプロだと思います。
山口真帆さんが持つ不屈の闘志の面影をここに感じました。


写真集の撮影はハワイで行われました。
冒頭の写真は屋外での撮影で、白を基調とした建物の近くで、太陽の光と青空の中で楽しそうな表情を見せていました。
中には建物の高い位置に貼られた標識に向かってジャンプしている写真もあり、とても躍動感があります
この冒頭の写真は20代の頃の菅野美穂さんのような雰囲気になっているものがありました。
また、柔らかい笑みで伸びをしている写真は、NGT48で仲良しチームメイトだった小熊倫実さんが見せる表情とよく似ているのが印象的でした。



(柔らかい笑みが印象的な小熊倫実さん。写真は本人のツイッターより。写真集に似た雰囲気の柔らかい笑みの写真がありました。)



(山口真帆さん、菅原りこさん、長谷川玲奈さんの卒業公演後の写真撮影にて。卒業公演に駆け付けた小熊倫実さんと、抱き締める山口真帆さん。写真は山口真帆さんのインスタグラムより。)

そこから不意に静寂な雰囲気の写真も姿を現し、緩急が効いていました。
静寂な雰囲気の写真はEvery Little Thingの持田香織さんの、2000年代前半頃のような雰囲気になっていました。

ジャングルのような場所で、白寄りの薄いベージュ色のワンピースドレス姿でこちらを振り返った構図の写真が良かったです。
苔むす岩石がある地面は薄暗く、濃い緑の木々は向こうに見える空からの明かりでやや明るくなっていて、そこに立ちこちらを振り返る山口真帆さんが神々しい雰囲気になっていました。

やがて暗さ、陰影のある写真もたくさん出てくるようになります。
黒い服でうつぶせになって横を見ている構図の写真があり、その時の目力が印象的でした。
写真全体の雰囲気は暗めにしていますが目には明らかに正の力が宿り、その対比に魅力を感じます。




背表紙にも写っている、等身大以上の大きなツツジのような木の花の間から顔を覗かせる構図の、顔のアップ写真も良かったです。
花は明るいですが表情は陰影たっぷりで、私は雪女やリングの貞子が思い浮かびました。
凄みがあり、表現の底力を感じる写真で、女優の素質があると思いました。
アイドルから高い表現力も必要な「女優」に変わったので、そういった表現ができるのは非常に重要なことです。

水着でプールに入って流し目でほほ笑んでいる写真も良いなと思いました。
見る人を温かい気持ちにさせてくれる笑顔です。
そういった上品な笑顔がかなり似合う気がします

スーパーマーケットでドレッシングのような物を持ってのドヤ顔写真は面白かったです。
どことなくテニスの錦織圭選手に似ていて、表情が多彩だなと思いました。
モデルなら涼しい表情だけでも良いかも知れませんが、やはり女優として活動していくなら多彩な表情ができるのは非常に重要です。

そして終わりのほうにある、水平線に沈んでいく夕日をバックにしての上半身アップ写真もかなり良かったです。
明るいオレンジ色の夕日が、水平線から山口真帆さんに向かってスラーっとした光の帯になっていて、その後ろからの夕日によって表情が浮かび上がるという構図は、全体の雰囲気を暗くするのとはまた違った陰影の出し方になっていて良いと思います。
髪をおろした状態での物憂げな表情と後ろからの夕日がかなり合っています


巻末にはインタビューが掲載されていて、「応援してくれる人達を裏切れない」「好きな男性のタイプは嘘をつかない人」「宝物は手紙」というのが非常に強いメッセージになっていると思いました。
山口真帆さんは応援してくれる人達を平気で裏切る人や、嘘を次々とつく男性(女性も)を目の当たりにしてきました。
「応援してくれる人達を裏切れない」「好きな男性のタイプは嘘をつかない人」は元々の信条であるのに加え、それらが反面教師になっている気もします。
また、宝物の手紙は卒業公演の時の手紙だと思います。
菅原りこさん、長谷川玲奈さん、村雲颯香さんという、最も山口真帆さんの近くで寄り添ってくれた3人が卒業公演で手紙を読みました。
その手紙を「宝物」と表現してくれているのが凄く嬉しいです。


菅野美穂さん、小熊倫実さん、持田香織さん、雪女やリングの貞子、錦織圭選手など、様々な人に見える写真があり、凄く表情が多彩だと思います。
さらに神々しい雰囲気や上品なほほ笑みの写真もあり、この多彩さに女優の素質を感じました。
写真集『present』の発売とともに女優としての新たな活動が始まったので、まずは元々の志望であったモデル関係のお仕事など周辺のお仕事から始め、その間にじっくり演技の力を付けていってほしいです。
そして次第にお芝居のお仕事もするようになるのを期待しています



-----山口真帆さん登場作品の記事-----
「DIVER-特殊潜入班- 第二話」
「ショコラの魔法」(主演:山口真帆)


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参考記事
NGT48 山口真帆さん暴行事件 ~告発、強制謝罪、ネット大炎上、そして卒業~
元NGT48 山口真帆さん暴行事件 今も続く運営会社AKSからの嫌がらせ


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