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「IZAYOI ~古城を照らして~ -川上統門下作曲作品発表会より-」

2022-02-12 13:13:35 | コンサート、演奏会


(「IZAYOI ~古城を照らして~」演奏後、お互いの健闘を称えるフルートの九鬼みつ実さん(写真左)とエレクトーンの明神あみさん)

2021年2月28日、広島県の「広島市東区民文化センター スタジオ1」で行われた「Little Ideas Vol.1 -川上統門下作曲作品発表会-」を聴きに行きました。
川上統さんは広島市のエリザベト音楽大学で専任講師をしておられ、大学内外に門下生を抱えていて、その方々が作曲した作品の発表会が行われました。
私は出演者の一人、エリザベト音楽大学生の明神あみさんとツイッターで縁があり、「こういった発表会があるので良かったらどうぞ」とご紹介頂き、興味を持ち足を運んでみました。
全部で15演目ありましたが、発表会の方針として比較的関係者向けでもあったので、今回は写真使用のご許可を頂いた明神あみさん出演の演目をクローズアップしてご紹介します





(広島市東区民文化センタースタジオ1の様子。暖かな色合いが良かったです


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プログラムに掲載の曲紹介

「IZAYOI ~古城を照らして~」
作曲:明神あみ
フルート:九鬼みつ実
エレクトーン:明神あみ

十六夜(いざよい)は わづかに闇の 初哉(はじめかな) (松尾芭蕉)

満月の十五夜の翌日が十六夜。
僅かながら、暗闇に向かって月が欠け始める。
不知夜月とも言われ、十五夜より遅れて現れ、一晩中照らすことから夜を知らない月とされる。
そんな十六夜の月明かりに照らされて、古城だけが浮かび上がって見えている。
この古城は、戦いの時代と平和の時代を見つめてきた。
いつ出るか、いつ来るか。
今も昔も変わらない十六夜の月と城。
この2つのイメージを掛け合わせて作った曲となっている。
今回コラボレーション楽器としてフルートを使用した。
生楽器の魅力を引き出せるよう、電子音の設定に試行錯誤した。
生音と電子音のコラボレーションの可能性をお伝えできればと思う。
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(Youtubeで公開されている「IZAYOI~古城を照らして~」のエレクトーン演奏)




(川上統さんのトークで、明神あみさんは門下生ではないですが、よく面白い曲を書くので発表会に出ないかと声を掛けたとのことでした。)

冒頭、とても不穏に演奏が始まりました。
音色がとても日本的な和の雰囲気で、最初は「月夜」とともに、月に照らされる夜の神社も思い浮かびました。
やがて和の雰囲気の音色が激しくなり、凄い迫力で鬼気迫る演奏になります。
それらの不穏さ(妖しさ)や鬼気迫る雰囲気から、大河ドラマ「独眼竜政宗(伊達政宗)」のオープニングテーマに通じるものがあると思いました。

エレクトーンによる「太鼓」を叩くような音色もあり、さすがに1台で何百種類もの音を出せる楽器だと思いました。
フルートも和の雰囲気の曲によく合い、相性の良さを感じました。
プログラムに掲載の曲紹介に「生音と電子音のコラボレーションの可能性をお伝えできればと思う。」とありましたが、エレクトーンとフルートの組み合わせはとても面白いと思いました





(九鬼みつ実さん、明神あみさんともにエリザベト音楽大学の当時2年生で、若くして良い演奏をしておられ楽しみな人達だと思いました。)

エレクトーン、フルートともにかなり上手い演奏だと思いました。
不穏さ(妖しさ)、迫力、さらには神秘も感じる音色に聴き入りました
フルートが入ると和の雰囲気がよりパワーアップし、きらびやかさも感じて妖しさに華を添える響き方になって良いなと思いました。
このエレクトーン/フルートのユニットでコンサートを開催し、この曲を弾いてほしいと思う魅力がありました。





「IZAYOI ~古城を照らして~」のエレクトーンとフルートによる演奏、素晴らしかったです。
何百種類もの音を出せるエレクトーンの特徴を生かして不穏で妖しい和の雰囲気の作品世界を作り、そこにフルートが入って妖しさを際立たせていて、息の合った良い演奏だと思いました。
当時から約1年経った今、さらに演奏力が上昇しているのではと思います。
新型コロナウイルスによる混乱が続いてはいますが、またいずれコンサートや演奏会でお目にかかれる日を楽しみにしています



明神あみさん、九鬼みつ実さん登場の演奏会
音大生支援協会スペシャルコンサート 第6回 広島公演


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