読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

熱田神宮 清め茶屋

2017-03-12 18:56:58 | グルメ


今日は熱田(あつた)神宮と白鳥(しらとり)庭園に出掛けました。
朝から晴れていたので太陽の光を浴びながらゆっくり散歩したいと思いました。
たくさん写真を撮ったので後ほどフォトギャラリーを作ろうと思います。

まず熱田神宮に行き、そのまま歩いて白鳥庭園に行き、帰りはまた熱田神宮に戻ってきました。
そして熱田神宮の中にある「清め茶屋」に寄ってみました。
私はお汁粉とブレンドコーヒーを頼みました。



お汁粉はこしあんで、すごくきめ細やかで滑らかな口あたりでした
そしてほどよい甘さでした。
もちは表面にこんがりと焦げ目がついていました。
中はすごく柔らかく焼けていて、餅がよく伸びます。
さらに伸びた餅にきめ細やかなこしあんのお汁粉がよく絡み、絶妙な美味しさでした



ブレンドコーヒーはすっきりとした飲み口でブラックでも飲みやすかったです。
ほどよい苦味とともに香ばしさがありました。
そしてカップが結構凝っているなと思いました。
このカップを見て岩国の吉香公園の中にある光風堂のコーヒーを思い出しました。

熱田神宮と白鳥庭園の二ヶ所を歩いて結構足が疲れていたので、清め茶屋でゆっくり休めて良かったです。
抹茶など他のメニューもあるのでまた熱田神宮に行ったら寄ってみようかなと思います

「幻想温泉郷」堀川アサコ

2017-03-11 23:57:26 | 小説


今回ご紹介するのは「幻想温泉郷」(著:堀川アサコ)です。

-----内容-----
探し物が得意なアズサは夏休みに帰郷し、元バイト先を訪れる。
この世とあの世をつなぐ登天郵便局では、死者が成仏せずに消える事件が頻発!
彼らは生前”罪を洗い流す温泉”を訪れていた。
懐かしい同僚たちから頼まれたアズサは温泉の在り処を探すが……。
大ヒット『幻想郵便局』の続編を文庫書下ろしで!

-----感想-----
幻想シリーズの第5作目であり、第1作目「幻想郵便局」の続編となります。
最初からこちらを読んでも十分楽しめる内容になっていました。

二年前に登天(とうてん)郵便局のアルバイトをした安倍アズサは故郷を離れて無事にお菓子の専門商社に就職し、夏になると新幹線に乗って故郷に戻り、登天郵便局の様子を見に行っています。
登天郵便局はこの世とあの世をつなぐ郵便局で、亡くなった人は登天郵便局の裏庭から、次の世へと旅立ちます。
冒頭、アズサが登天郵便局に行くとこの郵便局で働く四人、パンチパーマでおねえ言葉を使う青木さん、この山一帯の地主でかなり高齢のおじいさんである登天さん、ナマハゲのように目鼻立ちが濃く大柄で赤ら顔の赤井局長、ツキノワグマのように大柄で筋骨隆々な鬼塚さんが次々と登場しました。
登天さんは亡くなった人が郵便窓口に差し出した手紙をいつも局舎の前で焚火をして燃やしています。
手紙やはがきにつづられたお客さんの気持ちは煙になって空に上り、やがて明け方の夢になって宛先の人へと届き、これが「夢枕に立つ」と言われている現象とのことです。

亡くなって登天郵便局を訪れた人は功徳(くどく)通帳を差し出します。
功徳通帳を機械に入れると、その人が生きているうちにした善行と悪行が全て書き出され、極楽に行くか地獄に行くかが判断されます。
そしてその人は登天郵便局の裏庭にある「地獄極楽門」をくぐり、次の世へと旅立ち成仏します。
ところが最近登天郵便局では、功徳通帳に善行だけしか印字されずさらに地獄極楽門をくぐる前に消えてしまう人が頻発しています。
これは「成仏違反」で、天国にも地獄にも行かず、怨霊のようにこの世にも留まらず、姿だけが消えてしまった状態です。
鬼塚がその人達を消える前に捕まえて聞き出してみると、「罪を洗い流す温泉があり、その温泉につかれば犯した罪が全て帳消しになる」とのことでした。
生前に何かしら悪いことをしていて、死後の裁きから逃れるためにその温泉に行ったようです。
このまま成仏違反が頻発するようだと登天郵便局にもペナルティがあり、郵便局取り潰しの可能性があるというまずい状況になっています。
そこで丁度良いタイミングで登天郵便局に来たアズサが頼まれてその温泉を探すことになりました。

赤井局長、青木さん、アズサの三人で、青木さんとアズサの目の前で成仏違反をした其田隆俊(享年92歳)の家に行きます。
家では孫娘の其田千香が遺品整理をしていて、催眠術の使い手である赤井局長が千香にアズサを親友と思い込ませたことによって、アズサが親友として遺品整理を手伝いながら、其田隆俊が行った温泉がどこなのかを突き止めることになりました。
其田隆俊は大の温泉郷フリークで、色々な温泉に行っていました。
その中で、枯エ之(かれえの)温泉という都市伝説を持つ温泉の存在が浮かび上がってきました。
枯エ之温泉がある枯エ之村ではその昔大量殺人があり村人が死に絶えたという伝説があります。
枯エ之温泉は迷ヶ岳(まよいがたけ)の登山口にあり、其田隆俊もその登山口に行ったことがあり、写真が残っています。
ところが、枯エ之温泉に興味を持ったテレビの怪奇特番の人達はその場所を見つけることができませんでした。
また其田隆俊の息子で千香の父親の俊男の知り合いが、この春に枯エ之村にワラビを採りに出掛けたのですが、どうしても行きつかなかったとのことです。
その場所にたどり着ける人とたどり着けない人がいるのかもと思いました。

アズサは登天郵便局に行く時と、登天郵便局と同じく狗山(いぬやま)にある狗山神社に行く時と、立て続けに中年の男の人に遭遇します。
やせて顔が長く背が高く、アズサはその人のことを内心でゴボウさんと名付けていました。

赤井局長が登天郵便局に、ベガ・吉村という老齢の女性占い師を呼びます。
その占いでは枯エ之温泉が「罪を洗い流す温泉」と出ていました。

また、アズサが心の中でゴボウさんと名付けた男は狗山神社にお百度参りをしていました。
その熱心さに感心した狗山神社の祭神、狗山比売(いぬやまひめのみこと)が登天郵便局にやってきて、アズサにゴボウさんの願いが叶うのを手伝うように言ってきます。
ゴボウさんの名前は藤原省吾といい、お百度参りで願っていたのは何と「銀行強盗の成功」でした。
グルメライターをしていたゴボウさんは糖尿病を患いもはやその道では働けなくなり、さらに借金もかさみ妻にも出て行かれ、現状を打開するには銀行強盗をするしかないと思い至りました。
グルメライターとは違う分野で、糖尿病の治療をしつつ静かに働く道もあるのですが、いきなり犯罪路線に舵を切ってしまいました。
犯罪の手伝いはできないと嫌がるアズサですが、狗山比売に脅されて仕方なく手伝うことになりました。
狗山比売は見た目は世にも美しい少女なのですが「幻想郵便局」では大暴れした恐ろしい神です。

アズサとゴボウさんは首吊り自殺をしようとしている男性に遭遇して助けます。
男の名前は生田宙(そら)といい、婚約者が他の男と浮気をして妊娠までして婚約解消になり、そのショックから死のうとしていました。
助けた生田は元より死のうとしていた身だったため、銀行強盗時の逃走用のクルマの運転手を頼むことになりました。
三人は狗山神社で、狗山比売に行員の役をやってもらって銀行強盗の練習をします。
この時の練習の様子が面白かったです。
生田が「いっそ、神さまにも(銀行に)来てもらうとか」と言うと、狗山比売とアズサがそれぞれ次のように言っていました。
「それは良き……」
「駄目ですよ!銀行強盗をする神さまなんて、どこの世界に居るんですか!」
たしかにそんな神様は聞いたことがないです

やがて銀行強盗決行の日を迎えるのですが意外な結末が待っていました。
そしてこの銀行強盗がきっかけとなり、意外な形で枯エ之温泉の手がかりを得ることになります。
アズサが手がかりを登天郵便局に持っていくと、登天さんが「これは不審なエンティティのしわざでしょう。枯エ之温泉には何かが、居るのです」と言っていました。
エンティティは「物理的な実体をともなわない存在」のことで、幽霊や妖怪の類のことです。
アズサは今度は枯エ之温泉の場所を突き止めようとします。

アズサがスマートフォンで「枯エ之温泉」でネット検索をすると、『大学生、枯エ之温泉で失踪』という奇妙な動画が出てきました。
10年前に投稿されていて、動画には4人の若い男女が映っており、撮影者を入れると5人になります。
その動画に映っていた一人の女性の顔がどう見てもアズサなのです。
しかし10年前のアズサは小学校卒業か中学校入学かの年齢のはずです。
私はこれを見て、いずれアズサが枯エ之温泉に導かれ、そして二度と帰れなくなるような猟奇的な目に遭うのではという嫌な予感がしました。
また、枯エ之温泉については幻想シリーズで何度か登場している楠本観光グループの大奥さま、楠本タマエから新たな手がかりを得ます。

ゴボウさんは再婚前の昔の奥さんとよりを戻し仕事に就き、アズサは生田の協力のもと枯エ之温泉のことを調べていきます。
元々新聞記者をしている生田は枯エ之温泉の場所も突き止めて、ついに二人は枯エ之温泉に行くことになります。
動画の5人の名前も判明して、高村佳輝(たかむらよしき)、林崎舜(はやしざきしゅん)、林崎多香美、野々村美紅(みく)、三上怜央(れお)です。

枯エ之温泉に着き、アズサは「枯エ之温泉が、どうして罪を洗い流すのか」を考えます。
これが最大の謎です。
また、ベガ・吉村の占いにあった「枯エ之温泉の問題が出てきた理由は、不毛の地を取り仕切る者が、ことわりにはずれた恋をしたから。死者の恋です。邪恋です。相手の女性の身が危ない」という言葉が思い出されました。
もしかしてこの女性はアズサのことなのではと思いました。

罪にも「明らかに罪なもの」と「そうではないもの」があるのが興味深かったです。
本人が罪だと思っていても実際には罪ではないものもあり、その場合は罪ではないため枯エ之温泉に入っても元々持っていた罪の意識は消えないです。

アズサは「枯エ之温泉は良い温泉なのか悪い温泉なのか」、そして「枯エ之村は良い村なのか悪い村なのか」に思いを馳せます。
一見穏やかに見える枯エ之村ですが不穏な雰囲気が漂っていました。
そしてその矢先、事件が起きました。
そこからはさらに別の事件が起き、いよいよ不穏な展開になっていきました。
枯エ之村に来て最初の辺りで描写されていた「うす暗がりの中には、人が入れるほどの大きな丸い壺が、整然と並べてある」は、やはり……と思いました。

終盤は動画の5人の高村佳輝、林崎舜、林崎多香美、野々村美紅、三上怜央が大きく関わってきます。
ベガ・吉村の占いにあった「不毛の地を取り仕切る者」の正体も明らかになります。
またベガ・吉村は終盤で物凄い大活躍を見せていました。
どう見ても単なる占い師ではない超人的な立ち居振舞いに笑ってしまいました。
そして意外なその正体が明らかになりどうりで超人的だと納得しました。


今作も幻想シリーズの特徴のミステリー、ホラー、ファンタジーの三つの要素が合わさった独特な面白い作品になっていました。
そして笑える場面が結構ありこれが良かったです
またこのシリーズの続編が出たら読んでみたいと思います


幻想シリーズの感想記事
「幻想郵便局」
「幻想映画館」
「幻想日記店」
「幻想探偵社」


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応援団による勇気づけ

2017-03-09 21:13:18 | ウェブ日記
2月は朝通勤のために駅に行くと、駅前にこれから大学受験に行く高校生の応援に駆け付けた何人かの高校生がいることがありました。
同じ高校の人と思われ、合格祈願のハチマキを締めている人もいました。
その日にその駅から受験会場に向かう高校生達がいるのを把握して駆け付けているようです。
センター試験が終わり、各大学ごとに入試が行われているので、応援団の人達も何度か見かけることになりました。

高校生にとって大学入試当日の朝は緊張する人が多いのではと思います。
心細さを感じる人もいるかと思います。
そんな時、駅に歩いて来て同じ高校の人達が応援に駆け付けているのに遭遇したら、フッと緊張が和らぎ、心細さを感じていた人も気持が明るくなるのではと思います
応援に駆け付けてくれた人達と一言二言話すうちに、前がかりになっていた心境からホッと一呼吸置くことができです。
寒い中朝から駆け付けてくれたその姿に心強さを感じ、勇気づけられるのではと思います。

この応援団の人達は良いなと思い微笑ましく見ていました
そして3月になってからも、先日またこの応援団の人達を見かけました。
勇気づけられた高校生達が入試で力を発揮することができ、目指す大学に行ければ良いなと思います。

自分自身の本当にしたいこと

2017-03-07 19:50:21 | ウェブ日記


写真は「春の近づく上野公園を散歩」の日に撮ったものです。
先日の日曜日は出掛ける気力の出ない日でした。
そんな中、午前中は窓から差してくる日差しがポカポカと暖かかったです
その日差しを受けながら何人かのブログとツイッターを訪れていました。
外を歩く気にならなかったのでそのままゆっくり過ごすことにしました。

午後もブログとツイッターを眺めながら静かに過ごしていました。
出掛ける気力の出ない日はこんな過ごし方も良いかなと思います。
午後は次第に雲が多くなっていきました。

心の中では「散歩にでも行こう」と「やめておこう」の二つの声で葛藤が起きていました。
出掛ける気力は出なくても、散歩にでも行こうかという気持ちはありました。
そして一日通してわずかに「やめておこう」が優勢だったため、出掛ける気力は出ませんでした。
そんな日もあるものです。

この日は「自分自身の本当にしたいこと」をよく自分自身の心に聞いてみました。
私が本当にしたいのは散歩に行くことなのか、それとも行かずにゆっくり過ごすことなのか、両方の気持ちがあるため果たしてどちらが本当にしたいことなのか、意外とすぐには分からないものです。
そしてそんな時には自分自身が本当にしたいこととは違う行動を取ってしまうことがあり、そうなると「そうしたい」と思って行動したはずなのにどこかもやもやとした気持ちになります。

しばしの間自分自身の心に聞いてみた結果、このままどこにも行かないほうが今日の私には合っていると思いました。
夕方が近づく頃には何だか体がずしりと重いとも思ったので、どこにも行かずに静かに過ごして体を休めたのは良かったと思います。
迷った時には自分自身の本当にしたいことはどれなのか、じっくり聞いてみるようにしたいと思います。

春の近づく上野公園を散歩

2017-03-06 21:23:26 | フォトギャラリー
2月25日に、2月4日以来再び用事があったため東京に行きました。
東京での用事が済んだ後、上野公園に行きました。
すごく天気が良かったので太陽の光を浴びながらゆっくり散歩したいと思いました。
上野公園は散歩するのに向いていると思います
※写真は全てクリックで拡大されます。


--------------- 春の近づく上野公園を散歩 ---------------


上野公園にやってきました。
公園内は大規模な工事中で、正面奥の上野動物園に行きたい場合は迂回することになります。
私は不忍池方面を散歩するため左手に進んでいきました。


見事な青空のもと降り注ぐ太陽の光は明るく柔らかく、絶好の散歩日和でした
歩いていると気持ちも明るくなってきます


大道芸に遭遇しました。


大道芸もやはり晴れの日のほうが映えるなと思います


大寒桜(オオカンザクラ)が咲いていました


青空と桜は凄く好きな組み合わせです。






暖かな陽気、そして見事な青空のもと桜が咲いていて、春を間近に感じました


こちらのまだ咲いていない桜は、ソメイヨシノ。
3月下旬になると咲いて、満開になると桜のトンネルのようになります




不忍池方面へとやってきました。


不忍池。


カモメが佇んでいました。


まだ冬なので池は寂しい雰囲気ですが、春になり暖かくなると蓮の新緑が姿を現します


佇むカモメその2。
私のすぐ横に飛んできて着地し、そのまま佇んでいました。
至近距離に人間がいても動じない、悠然とした落ち着きぶりに感心しました。
この写真はスマートフォンで撮り、ブログにアップすると池が滲んだようになりましたが、実際の池は滲んではいないです。




佇むカモメその3。
どうやら足場を見つけるとすかさず佇むようです。




上野東照宮にも行きました。




ずらりと並ぶ石灯篭には独特な魅力があります




上野東照宮に祀られているのは天下人となり江戸幕府を開いた徳川家康です。
私は徳川家康はあまり好きではないのですが、ここに来て参拝すると不思議と尊敬の気持ちが湧いてきました。
何だかんだで最後には天下人になったのだから凄い人だと思います。

二時間ほど太陽の光を浴びながらゆっくりと散歩して良い日光浴にもなりました。
やはり晴れた日に自然のある場所を歩くのは良いものです。
気持ちもホクホクと温まってきて、良い散歩になりました


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「なかなか暮れない夏の夕暮れ」江國香織

2017-03-04 17:13:05 | 小説


今回ご紹介するのは「なかなか暮れない夏の夕暮れ」(著:江國香織)です。

-----内容-----
「人生」と「読書」が織りなす幸福なとき。
本ばかり読んでいる稔、姉の雀、元恋人の渚、娘の波十、友だちの大竹と淳子……
切実で愛しい小さな冒険の日々と頁をめくる官能を描き切る、待望の長篇小説。

-----感想-----
冒頭、ラースという58歳の男がゾーヤという女の人と連絡が取れなくなったところから物語が始まりました。
帯に書いてあった内容紹介と随分違うなと思いながら読み出すとすぐに文章が途切れていました。
一瞬乱丁かと思いましたが違っていて、稔が小説を読んでいたところに幼馴染で税理士の大竹道郎が来たので途切れたのでした。
稔は資産家の生まれの50歳で、アパートやマンションの管理人をいくつもしていますが、実際の業務は大竹にやってもらっています。
稔には淳子という幼馴染もいて、大竹と会った後すぐに淳子に会うために庭園ビヤガーデンに出掛けていました。

場面が変わり、チカ、庄野さやか、真美の登場する話になります。
チカは居酒屋の店主で52歳、さやかは高校の教師で56歳、真美はさやかが紹介したチカのお店のアルバイトであり、去年までさやかの教え子でした。

今度は大竹の視点になり、どんどん語り手が変わっていきました。
大竹は再婚していて、年若い妻は彩美(ヤミと呼んでいる)と言います。
物凄く妻に心酔している大竹は一日に何度も電話をかけたりメールをしたりしているとあり、それは心酔し過ぎではと思いました。

大竹はいつも稔に「お前は存在していることが仕事だ」と言っているとのことです。
物凄い資産家のようで、財団関係者、地元の自治体の人たち、政治家たち、美術品収集家たち、画廊経営者たち、短歌関連の人たち、動産および不動産の管理者たち、美術館関係者たちなどとよく関わることになるようです。
ただしそういったことが嫌いな稔はあまり会いたがらず、顧問税理士の大竹が定期的に「今現在なら最低限この人たちには会うべき」というリストを作ってあげています。
稔には雀(すずめ)という姉がいて、雀は大学を卒業するとドイツに行ってしまいました。
ベルリンに住んでいて現在は学校の講師をしています。
稔とはよくスカイプで話すことがあり、またたまに日本に帰ってくることもあります。

さやかとチカは同性愛らしく、ハイツ・ドゥーエというアパートで一緒に暮らしています。
家賃は二人で半分ずつ払っていて、大家は稔です。

渚(なぎさ)と波十(はと)が登場します。
渚はかつて稔と付き合っていて、波十は稔との子です。
稔とは別れ現在は別の人と結婚しているのですが、比較的普通の態度で波十を連れて稔と話したりもしていて、なかなか特殊な関係のようでした。

淳子による語りもあり、淳子は出版社で雑誌の編集長をしています。
この語りが次々変わっていく中で、冒頭で稔が読んでいたラースとゾーヤが出てくる本の物語も進んでいきます。
そしてその本を読んでいるのは稔だけだと思っていたのですが、木村茜という人も読んでいました。
本の物語から稔たちのほうの物語に戻ってきた時、その本を閉じたのが稔ではなく茜だったため一瞬戸惑い、そうか、他にも読んでいる人がいるのかと気付きました。
茜はソフトクリーム店で働いていて、そのソフトクリーム店は稔と雀がオープンさせたお店です。

稔は渚から「もう養育費は払わなくていい」と言われます。
渚の結婚相手が「ごく普通の家族がみんなそうしているように、自分の妻と娘を、自分の収入で養うようにしたい」と望んでいるからでした。
そして渚は「波十はこれからもあなたの娘だし、これまでどおり会ってくれていい」と言いますが、稔は養育費を受け取って貰えないことにショックを受けます。
「養育費を払う権利はあるのではないか」とまで考えて大竹に相談したりもして、この辺りの考え方はだいぶ変わっているなと思いました。

稔の読んでいる本のほうの物語で、ゾーヤは国家的な一大事に巻き込まれていました。
ラースもゾーヤを探すうちに巻き込まれていくことになります。
ソヴィエト時代のKGBが活動しているとあり、ネットで調べてみるとKGBは「ソ連国家保安委員会」のことで、旧ソ連の情報機関・秘密警察とのことです。
読んでいるうちに段々ラース達の物語も気になるようになりました。
また、「一杯の紅茶で解決できない悩みなどこの世にはない、と言ったイギリス人がいた」という言葉があり、この言葉を言った人は実在するのか気になるところです。

由麻という人が登場します。
由麻は茜の前にソフトクリーム店で働いていた人で、茜とは親友です。
藤枝という、短大時代にアルバイトをしていたファミリーレストランの本社勤務の人と付き合っていて、ソフトクリーム店で働くようになりほどなくして妊娠します。
しかし何と藤枝は妻子がいるのを隠して付き合っていたため認知しませんでした。
そこで代わりに稔が生まれてきた子、雷留(らいる)を認知して書類上の父親になり、養育費も払ってあげているとありました。
あまりに人が良すぎであり、価値観がおかしいと思いました。
そんな稔を茜は「底ぬけにいい人」と評し、由麻はそれは違うと言い、「(自分をいい人だと)思ってないところがね、あのひとはひどいんだよ」と評していて、この言葉は印象的でした。

ある時、チカとさやかが部屋にいるところに大家の稔が来て、チカの誘いでそのまま三人でご飯を食べることになりました。
そして稔が以前見た星空の話をしてさやかが「行ってみたい」と言うと稔が「なら今から行こう」と言い出し、車を運転できる茜に頼んで四人で日光の山奥に星を見に行っていました。
いきなり日光まで行くのが凄いなと思い、やはり稔はだいぶ変わっていると思いました。

波十の語りもあります。
波十はまだ8歳なのですが現在の父親である藤田に気を使ってあげていて大人びているなと思いました。
稔のことは稔くん、藤田のことは藤田くんと呼び、どちらもお父さんとは読んでいないところに波十の微妙な心理状態が表れている気がしました。

稔はあまりに人が良すぎるなと思う場面がまたありました。
由麻のことを「真面目で一本気で、神経質なところもある由麻のことが、稔は心配だった。妻子ある男の子供を産んで、一人で育てようとしているいまはなおさら―」と、本気で心配しています。
しかし由麻のほうは、雷留を育てるためなら養育費を払うと言っている稔を最大限利用しようと考えていて、何だか稔が不憫でした。
ただし稔は致命的なまでに他人の心の機敏に疎いところがあり、相手がかけてほしいであろう言葉とは全然違うとんちんかんな言葉を、本人は気を使っているつもりでかけてしまうようなことがあります。

大竹は妻の彩美との間に亀裂が生じます。
やはり大竹の頻繁に電話をかけたりメールをしたりして妻の行動を常に監視しようとする態度は異常と思われていたようです。
ただ大竹は自分の行動は至って正当なものであり何ら悪くなく、それなのになぜ妻は嫌がるのかと考えていて、大竹本人はそれを愛と考えているようですが、明らかに狂気だと思いました。
思いが強すぎると相手の気持ちを無視した一方通行の愛になってしまうことがあるのだと思います。


この作品を読んでみて、文章の雰囲気がいかにも江國香織さんらしいなと思いました
登場人物のほとんどが退廃的なのですが、物語が淡々としているので何でもなさそうに見えるのが凄いです。
そしてタイトルの「なかなか暮れない夏の夕暮れ」のとおり、夏の夕暮れの暑さとヒグラシの鳴き声の切なさが混ざったやるせない雰囲気のある作品だと思いました。



写真はネットから拝借したもので、2004年の第130回芥川賞、直木賞の授賞式の時のものです。
左から京極夏彦さん(直木賞)、江國香織さん(直木賞)、綿矢りささん(芥川賞)、金原ひとみさん(芥川賞)です。
この時、同じ1984年生まれで興味を持ち綿矢りささんの芥川賞受賞作「蹴りたい背中」を読んでみたら物凄く面白くて以来ファンになったのですが、江國香織さんの小説は特に読もうとは思い立たないまま数年が経ちました。
しかし2015年夏についに「思いわずらうことなく愉しく生きよ」という作品を読み、今回の作品を入れて現在までに5冊ほど読みました。
2004年当時は興味を引かなかった作家さんが今は興味を引くようになり、年月が経つうちにそんなこともあるのだなと感慨深くなりました。


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「ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~」三上延

2017-03-03 19:50:32 | 小説


今回ご紹介するのは「ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~」(著:三上延)です。

-----内容-----
ビブリア古書堂に迫る影。
太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。
彼はある一冊の古書を残していく―。
奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。
青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌まっていくのだった……。
人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。
その物語に幕引きのときがおとずれる。

-----感想-----
北鎌倉にある古書店、ビブリア古書堂を舞台にした古書ミステリーの本編完結巻となる第7巻です。
今作はプロローグがかなり興味深かったです。
西鎌倉の高台にある料亭の一室で、不気味な雰囲気の老人と若い娘が向き合っています。
老人は赤、青、白の三冊の本を差し出し、「この中から一冊を取れ。一冊だけ価値のあるものが混じっている。本を開けずに見分けてみせろ」と言います。
そして「これは試験だ。合格すればお前がわしの後継者だ。正式に店を継いでもらう」と言います。
これを見て、若い娘は篠川智恵子だと思いました。
智恵子は「わたしは他人の用意した試験で、人生を決めるのは嫌です。そんなわたしはわたしではありません……いつどこでなにをするか、どう生きるかは自分で決めます」と老人を一蹴します。
老人は激怒し、「必ずあいつを罰してやる……呪いをかけてやる。そうだ、世界中を駆けずり回らせてやるぞ……」と怨念に満ちた言葉を言っていました。
この言葉が智恵子が極めて希少価値の高い本を探して世界中を旅しているのにつながっているのだなと思いました。

「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」の最後から一ヶ月経ち、大怪我を負っていた五浦大輔もビブリア古書堂に戻ってきました。
久我山真里は自分の計画を阻止した栞子への腹いせに、既に太宰治自家用の「晩年」を業者に売ってしまっていました。
この「晩年」はビブリア古書堂が買い取って田中敏雄に売る約束になっていたため、「晩年」が手に入らないとなれば希少価値の高い古書のためなら犯罪もいとわない田中がどんなことをするか分かりません。
幸い業者と連絡が取れ「晩年」を栞子に売ってくれることになります。
ただし栞子はこの展開に何か裏があるのではと感じていました。

「晩年」を買い取った業者の吉原喜市(よしわらきいち)という老人がビブリア古書堂に現れます。
吉原の雰囲気に対して大輔は「どことなく人工的な匂いがする。まるで一から作りあげたキャラを忠実に演じているみたいな」と胸騒ぎを覚えました。
吉原喜市は久我山家で尚大(しょうだい)のもとで住み込みで働いていたとのことで、プロローグで老人(久我山尚大)に仕えていた側近のような人と同一人物だと思いました。
久我山真里から「晩年」を100万円で買い取っていた吉原ですが、売ってほしいと言うビブリア古書堂に対し800万円もの値段を突きつけてきて、強欲な人物だなと思いました。
吉原は智恵子の師匠でもあるとのことです。

苦渋の決断で800万円払うと言う栞子に対し、吉原は晩年を買い取ったお礼にと「人肉質入裁判(じんにくしちいれさいばん)」という本を差し出します。
取引が成立した後も吉原はなかなか帰ろうとせず、智恵子についてあれこれ聞いてきます。
久我山尚大や智恵子についてのことで栞子が動揺するであろうことを聞かれてもいないのに芝居がかった口ぶりで話していました。
吉原の話し方は最低最悪で、私はこういう話し方をする人に良い印象は持たないです。

今作では栞子の妹の文香(あやか)がいつも以上に面白かったです。
吉原がビブリア古書堂に来た時、大輔と文香で次のやり取りがありました。

「文香ちゃん、なにしてるんだ」
「盗み聞きしようと思って。なんかうさん臭いじゃん。あのおじいさん」
こんなに堂々とした盗み聞き宣言は初めてだ。

その次の日、栞子と大輔が智恵子や久我山尚大のことについて話しているといつの間にかごく自然に文香も会話に入っていて、大輔と次のやり取りがありました。

「なにしてるんだよ」
「なにって……ほら、盗み聞きはよくないし、堂々と聞こうと思って」

元々盗み聞きする癖のある文香ですが、今作ではその傾向が益々パワーアップしていました。
シリアスな展開になっていく物語の中にあって文香の存在は場を明るくしてくれて良いと思います

吉原が差し出した「人肉質入裁判」という本は、ウィリアム・シェイクスピアの「ヴェニスの商人」とのことです。
栞子は「吉原さんはこの古書を渡した後、明らかにわたしたちの反応を窺っていました」と言っていて、この本を置いていったのは何か思惑があるようでした。

ビブリア古書堂に水城禄郎(みずきろくろう)という老人と、その息子の隆司(りゅうじ)がやってきます。
禄郎の妻は英子と言い、栞子の母方の祖母とのことです。
禄郎は英子の本のことで相談に乗ってほしいと栞子に頼みます。
英子は大学生の時に古本屋に騙されて、それが久我山尚大でした。
以来英子は古本屋に金輪際近づかないと心に決めてしまっていて、それで栞子と文香にも一度も顔を見せずにいました。

何と吉原は深沢にある禄郎と英子の家にもやってきて、英子が生前の久我山尚大から渡されていた本を「その本の所有権は現在自分にあるから返してくれ」と言って持ち去って行ってしまいました。
禄郎は英子のためにその本を取り戻したいと栞子に頼みます。
その取り戻したい本もシェイクスピアの本で、吉原が「人肉質入裁判」を栞子に差し出したのと、偶然とは思えないつながりが見えてきました。

シェイクスピア関連の本の中には、シェイクスピアの戯曲を集めた最初の作品集「ファースト・フォリオ」という本があり、その希少価値は極めて高く、2006年にサザンビーズでオークションにかけられた一冊は当時の日本円で約6億円もの高値で落札されたとのことです
古書一冊にダイヤモンドを上回るような値段が付くのは衝撃的だなと思います。
こういった古書が持つあまりに高すぎる希少価値が時として田中敏雄や久我山真里、久我山寛子のような狂気に走る人たちを生み出してしまうのだと思います。
吉原が英子の元から持ち去ったのはこの「ファースト・フォリオ」のファクシミリ(複製本のこと)です。
吉原は目当ての古書を手にいれる目的のために相手の弱味を平気で利用していて、久我山尚大の弟子、さらに智恵子の師匠だけあって悪どい人だなと思いました
「吉原の目的って、結局なんだと思います?」と言う大輔に対し、「まだはっきりとは……でも、これまでのことは間違いなく周到に仕組まれています」と言う栞子。
シェイクスピアの本を巡る吉原の思惑と向き合っていくことになります。

「ファースト・フォリオ」が印刷された1623年頃の印刷技術として、「活版印刷」という言葉が出てきました。
これは金属を活字を一個ずつ持ってきて箱のようなものに入れて文章を組むというもので、この作業をする人を「植字工」と呼ぶとのことです。
なので小説などで文字が間違っている時によく使われる「誤植」という言葉の植は、植字の植から来ているのかなと思いました。

滝野蓮杖(れんじょう)から「英子のファースト・フォリオの複製本が明日の市場に出品されている」と連絡があり、栞子と大輔は戸塚にある湘南支部の古書会館に向かいます。
吉原が出品していました。
英子のファースト・フォリオの複製本は黒色の表紙ですが、蓮杖によるとかつて智恵子が「この本は特別に装丁されたファクシミリで、色違いが全部で三冊ある」と言っていたとのことです。
その色は赤、青、白で、プロローグに出てきた三冊と同じでした。
さらに智恵子は10年前に英子のファースト・フォリオのファクシミリを修理してあげていたのですが、どうやら智恵子の出奔にはこの本が関わっているようでした。

吉原は何としても智恵子と話がしたいらしく、それで色々と画策していることを栞子は見抜きます。
また、まだ世に知られていない極めて希少価値が高いのが確実な、現存が確認されたことのないファースト・フォリオがこの世に存在するのではという可能性が浮かび上がってきます。
核心に迫っていく栞子ですが、大輔は栞子が核心に迫っていくことに不安を感じていました。
核心に迫る栞子が見せた笑みに大輔の胸はざわりと騒ぎ、栞子が普段より古書に対して前のめりになっているように見えることに危機感を抱いていました。
極めて希少価値の高い本を探すために家族を捨てて出奔した母、智恵子と同じようになってしまうのを心配しているのだと思います。

ファースト・フォリオのファクシミリの赤、青、白の三冊の中には一冊だけ本物が紛れ込んでいるのではと言われています。
しかしどれが本物なのかを見分けるのは極めて困難で、この謎を解き明かせそうなのは智恵子しかいません。
物語の後半はこの三冊の中の本物を巡る争奪戦になっていきます。
智恵子への復讐を企む吉原が暗躍しているため一筋縄で行かないのは明らかでした。
栞子も赤字経営になっているビブリア古書堂の現状では捻出できない文香の大学進学の学費を得るため、この争奪戦に参加することになります。

久しぶりにせどり屋兼ホームレスの志田が登場します。
いずれ栞子もかつて智恵子が家族を捨てたように自分を捨ててどこかへ行ってしまうのではと不安を感じていた大輔ですが、志田の言葉に勇気づけられていました。

智恵子が印象的な言葉を言っていました。
「その時々でこれこそ自分と言い切れるのが本当の自分。」
かつて智恵子はビブリア古書堂で家族と平穏に暮らす自分を「これは本当の自分ではない」と思い、家族を捨てて極めて希少価値の高い本を求めて出奔したのでした。
その人がこの言葉を言うと独特な凄みがあるなと思います。

大輔も栞子との会話の中で、どんな展開になろうと栞子とともに歩むという決心を固めていました。
なにが正しいのか、これからなにが起こるのか、すべてを見通せる人間なんかいない。舞台の上にいる登場人物みたいなものだ。
見通しがない中でどうするかを決めるのは俺だ。どんな結末が待っているか、そればかり考えていてもキリがない。志田が言ったように、自分で決めたと胸を張れる覚悟を持てればそれでいい。


ファースト・フォリオのファクシミリの赤、青、白の三冊の中の本物を巡る争奪戦は熾烈なものになりました。
ここでも吉原のやり方は酷いなと思いました。
三冊の中のどれが本物かをめぐる謎解きはまさかの展開が二度に渡ってあり興味深く面白かったです。
智恵子と栞子、母と子の直接対決も手に汗握る激戦でとても面白かったです。
大輔も決死の覚悟で栞子を助けてあげていて、栞子と大輔なら良い夫婦になりビブリア古書堂を盛り立てていけるのではと思いました。

「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの本編はこれで終了ですが、この後実写とアニメそれぞれで映画化されることが決定したとのことです
さらに大輔の視点での話やそれぞれの登場人物たちの前日譚や後日譚を書く予定とのことで、番外編やスピンオフという形で「ビブリア古書堂の事件手帖」はまだ続くとありました。
面白いシリーズだったのでそちらも読んでみたいと思います


ビブリア古書堂シリーズの感想記事
「ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」
「ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~」
「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」
「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」
「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」
「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」
「ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~」


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