一関市萩荘地区、山裾に沿う車道を走行していると、なだらかな丘陵の麓が牧草地になっ
ていて、そこにカヤツリグサの仲間らしき植物が群生しているのが見えます。
車を停めて観察すると、茎の上部には小穂が集まった球状花序が付いています。
球状花序の特徴から、マツカサススキかその仲間でしょうね。
なお、牧草地は丘陵の麓にあることから、場所によってはジュクジュクと水が浸み出して
います。それで湿地を好むマツカサススキ類が生えているのでしょう。
二枚とも2022.9.17撮影
帰宅後にカヤツリグサ科の図鑑でマツカサススキを検索し、写真の植物と見比べると、草
丈がマツカサススキよりも低く、球状花序の数もかなり少ないので別物でしょう。
仲間の「コマツカサススキ」によく似ているので、こちらかも知れません。
茎横断面は丸みを帯びた3稜形、花序枝は分枝しない、などの特徴も一致するのでコマツ
カサススキで間違いないでしょう。
二枚とも2022.9.17撮影
カヤツリグサ科クロアブラガヤ属の多年草で、本州~九州に分布する。草丈は80~120cm。
日当たりのよい貧栄養な溜池畔、湿地などに自生する。
茎は硬く、横断面は丸みを帯びた3稜形、4~5節ある。
葉は線形で幅3~4mm、葉質は堅い。苞は葉状で長い。
花期は8~9月、茎頂、葉腋に球形花序を5~6個、或いは1つだけ付ける。花序枝は分枝
しない。球状花序には小穂が10~30個集まる。小穂は長さ5~7mm。
鱗片は幅1~1.2mmの長卵形。
痩果は淡褐色の倒卵形で長さ1.5mmほど、表面に細かい凸凹がある。
刺針状花被片は6個つき、果実が熟すとが小穂の外に見えるようになり、傘の骨のように広
がる。刺針状花被片の基部にはやや長い小刺がつく。
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