南三陸町西部、山間の細い農道を下って行くと、山側斜面下にこんもりした藪があります。
よく見るとキウイフルーツのような ? 枝葉の間を覗き込むと、小さいながらもキウイフル
ーツのような緑褐色の果実が幾つも見えます。葉を観察すると、散歩の途中でよく見るキ
ウイフルーツと同じ丸い葉身ですから、キウイフルーツで間違いないでしょう。
果実は楕円体で長径は4~5cmしかありません。
実が小さいのは耕作放棄されて年月が経ち、栄養分を他のつる植物や雑草に奪われ、地味
が痩せたからでしょうか。或いは、これは野に逸出した株で、先祖返りして小さな果実し
か生らなくなったのかも知れません。
二枚とも2022.9.13撮影
キウイフルーツの名前の由来は、果実の色や形がニュージーランドに生息する、キウイと
いう鳥に似ていることから。別名にシナサルナシとかオニマタタビがあるようです。
キウイフルーツの原産地は中国の揚子江流域ですが、中国ではフルーツとして食されるこ
とが少なかったようです。サルナシの仲間ですから、えぐみが嫌われたのでしょうか。
20世紀初頭に、ニュージーランドの旅行者がキウイフルーツの種を持ち帰ると、品種改良
されて現在のキウイフルーツの原種が誕生しました。その後、熱心な育種家により、アリ
ソン、ヘイワード、ブルーノなどの優れた品種が育成されました。
ニュージーランドから日本に導入されたのは1970年代に入ってからで、ミカンの転換作物
として、ミカン産地を中心に栽培されるようになりました。
主な産地は愛媛、福岡、和歌山、神奈川、静岡などです。
2022.9.13撮影
マタタビ科マタタビ属の落葉つる性木本。原種は中国原産のオニマタタビ。
これをニュージーランドで品種改良、キウイフルーツとして栽培されている。雌雄異株。
若い枝には紫紅色の開出した毛が密生する。
葉は互生し、葉身は円形~広卵形で長さ6~15cm、基部は心形、長柄がある。
葉縁には浅い鋸歯がある。葉質は厚く、葉脈が明瞭で、裏面には綿毛が密生する。
花期は5〜6月、葉腋から集散花序または束生花序を出し、白色6弁花を下向きにつける。
雌花の直径は3~4cmで、雄花は少し小さく、雄しべ多数。
果期は10~11月、果実は長卵形の液果で原種は長さ3〜5cm、改良種は長さ7~8cm、
表面には褐色の毛が密生する。
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