里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アズマナルコ 林道の水溜り

2021-05-29 | 日記

登米市東和町米川地区北東部、なだらかな山地頂稜部の林道を北へ向かうと、山側法面下
に水溜まりがあって、その際にやや大きめなスゲの仲間が生えています。
葉幅は広めで10mmほどもあります。側小穂の長さは50mmほどと長めで、3~4本が垂れ
下がっています。このように特徴がはっきりしていますから、ネット検索すれば容易に素
性が判るでしょう。

                              二枚とも2021.5.25撮影

ネットで「カヤツリグサ科 スゲ属」で検索すると『湿生・水生植物図鑑 カヤツリグサ
科 スゲ属』という記事があり、そこに収載されているスゲ属の側小穂の写真を見ている
と、『アズマナルコ』というスゲの側小穂が私の写真のそれとよく似ています。
改めてアズマナルコで検索して各部位の特徴を見比べると、私の写真のものと合致するこ
とから、『アズマナルコ』と同定します。

                                  2021.5.25撮影

カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は40~80cm。
山地の沢沿いや湿った草地などに自生し、日当たりを好む。
根茎は短く、葉・茎を叢生する。基部は太く直径5〜10mmあり、鞘は葉身を欠き淡褐色。
葉はやわらかく幅5〜12mm。縁に上向きの小刺があり、ざらつく。
果期は5〜6月、有花茎は高さ40〜80cm。小穂は3〜6個、やや接近し、苞は葉状で無鞘。
頂部の雄小穂は長さ4~10cmの線形。側小穂は雌性、円柱形で直径4〜5mm、長さ3〜
12cm、点頭または下垂する。雌鱗片は淡緑色、狭卵形で鋭頭、果胞と同長。
果胞は狭卵形で長さ2.5〜3mm、平滑でほとんど無脈、嘴は短く口部は凹形、熟すと著しく
ふくらみ果実をゆるく包む。
果実は卵円形で断面はレンズ状、長さ1.5mmほど。柱頭は2岐。



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