里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

モミジガサ 沼倉の杉林

2017-03-03 | 日記

栗原市栗駒沼倉地区の林道から分かれた、荒れた作業道を下っていくと、北向きの
杉林に20株ほどのモミジガサが、白い頭花を咲かせていました。
頭花は5個の筒状花からなっていて、いま以上には開きません。
筒状花は両性花ですが、雄性先熟ですから今は雄花の時期で、雌性期に入ると筒状花
の先は縮れて褐色になります。その頃に雌しべの先の柱頭が現れ、2裂して外側に
カールします。花として見るなら、白い毛束のような今が最も目立つ時期でしょう。




                             二枚とも2016.7.25撮影

モミジガサは山菜として人気があり、東北での山菜名はシドケです。
独特の香り、ほろ苦み、シャキッとした歯触りで、山菜通にはファンが多いですね。
山菜サイトなどでは「山菜の王様」と持てはやされます。
和え物・酢の物・炒め物・てんぷら・汁の実でいただいたりしますが、おひたしがシドケ
の良さを味わえる最高の食べ方でしょう。


                                 2016.7.25撮影

キク科コウモリソウ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
沢沿いの湿り気のある場所や、半日陰のスギ林などに自生し、草丈は60~80cm。
しばしば群生するが、根茎を横に這わすことはなく、本年茎の脇に新芽を付ける。
茎は分枝せず、葉は互生し、下部の葉は葉柄が長く、葉身は掌状で5~7に深裂し、
長さ15cm、幅20cmほど。表面は無毛で、やや光沢があり、裏面にまばらに絹毛がある。
上部の葉は小形で中裂、葉柄も短くなる。
花期は8~9月で、茎上部に円錐花序を出し、多数の白色の頭花を付ける。
頭花は5個の両性の小花からなり、花柱の先が開花時に反曲する。
総苞は長さ8~9mmの円筒形。痩果は長さ5~8mm。
冠毛は白色で、長さ6.5~8mm。



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