栗原市栗駒沼倉地区の林道を上がって行くと、山側法面に小さなボンポン状に
集まった白い花が咲いています。葉の形からガガイモの仲間と思われ、たぶん
イケマの花でしょうね。周辺のクズの藪を押し分けるように茂っているのが印象的で、
生命力の強いつる草であると想像できます。
イケマはアイヌ語からきたもので、「巨大なる根」という意味のようです。
根茎は太いゴボウ状で、これを横に這わせています。
二枚とも2016.7.25撮影
春にイケマのつるが伸び葉が開くころ、暖かい地方から飛んで来るアサギマダラと
いうチョウがいます。葉に卵を産み付け、幼虫はイケマの葉を食べて大きくなります。
実はイケマは毒草で、シナンコトキシンというアルカロイドを全草に含んでいます。
アサギマダラはこのアルカロイドを取りこむことで自らを毒化し、敵から身を守るのだ
そうです。幼虫・蛹・成虫の何れもが鮮やかな体色をしていて、これは毒を持っている
ことを敵 (主に野鳥) に知らせる警戒色と考えられています。
2016.7.25撮影
ガガイモ科カモメヅル属のつる性多年草で、北海道~九州に分布する。
山地の林縁や、日当たりの良い藪などに自生し、全草にアルカロイドを含む毒草。
太く長い根茎を横に這わせる。茎は数本束生して、他物に絡みついて生長する。
葉は対生し、葉身は心形で、長さ5~15cm、幅4~10cm。
先端は尖り、縁に鋸歯はない。長い葉柄があり、葉裏は淡緑白色。
花期は7~8月で、葉脇から長い花柄のある散形花序を出して、長さ1~2cmの小花柄
をもつ小花を多数付ける。萼は5深裂して開出する。
花冠は白色で、5深裂して外曲し長さ4~5mm。副花冠は淡黄色で直立。
果実は細長い袋果で、長さ8~10cm、幅1cmほど。
種子はガガイモのように絹糸状になり、風で飛ぶ。
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