里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

黒米(古代米) 南三陸の棚田

2022-09-19 | 日記

南三陸町西部、山間の細い農道を下って行くと、周囲には牧草地や放棄田が続いています。
民家が点在する辺りまで下って行くと、稲が植えられた棚田が現れてきます。
さらに下って行くと、黒っぽい籾を付けた稲が植えられています。
これは古代米の一種の黒米(紫黒米)でしょうか ? 周囲を見ると黄色い稲籾もありますが、
これが熟すと黒くなるのかも知れません。帰宅後にネットで調べてみましょう。

                              二枚とも2022.9.13撮影

古代米とは我々の祖先が栽培していた、「古代のイネ品種」が持っていた形質を色濃く残
したイネのことです。その中には「紫黒米」や「赤米」「香り米」などがあります。
ただ、古代の品種がそのまま維持されているということではなく、古代米の形質は受け継
ぎながらも、現代になってから改良された品種のようです。
紫黒米の代表品種に「朝紫」があります。写真の紫黒米がこの品種か否かは判りませんが、
イネを見ると、ササニシキやヒトメボレよりも草丈が高く、茎も太いですね。

紫黒米は主として中国南部や東南アジアで栽培されてきましたが、これらは草丈が高く倒
伏しやすい、稲穂から籾がこぼれ落ちやすい、収量も低いなどの問題があって、栽培しに
くいものでした。そこでインドネシアのバリ島在来の紫黒米に、日本の改良品種をかけ合
わせることにより、1996年に改良型紫黒米「朝紫」が誕生しました。

                              二枚とも2022.9.13撮影

黒紫米の黒い成分は、アントシアニンと呼ばれるポリフェノールの一種です。
アントシアニンには様々な健康効果があると言われ、よく知られているのが疲れ目や視力
回復に対する効果でしょう。また抗酸化作用・肥満予防・美容などさまざまな健康効果の
あることが明らかになっています。



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