里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ノハナショウブ 尾根の防火帯

2017-03-26 | 日記

田束山北尾根の防火帯は過去に何度か歩きましたが、いずれも5月中旬でした。
その際に、アヤメなのかノハナショウブなのか、剣形の葉が草地のあちこちにあった
のを思い出し、ノハナショウブの開花時期を見計らって歩いてきました。

小泉地区の林道を最奥まで歩き、そこから雑木林の支尾根を登って、標高450mほど
の防火帯に出ましたが、剣形の葉のみで花が咲いていません。
標高300m辺りまで下ってくると、ようやく濃紫色の花がポツポツと咲いていました。
花びらの基部に黄色い筋が入っていますから、ノハナショウブですね。




                             二枚とも2015.6.30撮影

ノハナショウブは湿地や、その周辺の草地に自生すると言われていますが、ここでは
尾根上の草地に咲いていました。
海寄りの山ですから、雲がかかったり霧に覆われたり、けっこう湿潤なのでしょうね。

ハナショウブは野生のノハナショウブを品種改良したもので、花の色柄や形が
バラエティに富んでおり、多くの愛好者がいます。
多賀城市や栗原市一迫には立派なアヤメ園があり、新聞やテレビで開花状況を
報じていますから、今は来園者で賑わっていることでしょう。
ただ、アヤメの開花時期は前述したように5月ですから、今咲いているのはアヤメ
ではなく、ハナショウブですよね。アヤメ園なのにハナショウブ ?
尤も、来園者の多くが、花が綺麗ならアヤメでもハナショウブでもOKでしょうからね。


                              2015.6.30撮影

アヤメ科アヤメ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
湿地の周辺や、湿り気のある草地に生え、草丈は40~100cm。
根茎は古い葉の繊維に覆われ、よく分枝する。
根際から生える葉は剣形で、葉の中央には凸状の葉脈がある。
葉は長さ50~60cm、幅1.5cmほど。
花期は6~7月で、花茎の先に濃紫~赤紫色の花を咲かせる。
ツボミは花茎に数個付くが咲くのは1花のみ、ツボミのふくらみに従い順次咲いていく。
花はアヤメ科独特の構造をしており、花被片(花びら)は一番外側に垂れ下がった
外花被片3枚と、垂直に立ち上がっている内花被片3枚の計6枚で、外花被片の基部
には黄色の斑がある。よく似たカキツバタには白色の斑が入る。
花後の果実はさく果で、成熟すると下部が裂け、種子が散布される。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿