気仙沼市本吉町、沢沿いの林道を上流側へ上がって行くと、山裾に小湿地があってカヤツ
リグサ科らしき植物が群生しています。茎の横断面は三角形で、その上部に直径10mmほ
どの球状の花序が、5~6個固まって付いています。
特徴がはっきりしているので、植物図鑑をめくれば直ぐに種を同定できるでしょう。
二枚とも2022.9.27撮影
カヤツリグサ科の図鑑をめくって似た植物を探すと、メリケンガヤツリとユメノシマガヤ
ツリが球状の花序を5~6個以上付けます。ただ、これらは花序を構成する小穂の様子が
違うし、草丈が70cm以上ある大型の植物ですから別物でしょう。
さらにめくるとタマガヤツリという植物があって、5~6個の球状の花序が付いていて、
その様子が私の写真の植物にそっくりです。また草丈も20~40cmと同じくらいですし、
花序群の上に一本の苞葉が伸びているところが同じです。
よってタマガヤツリで間違いないでしょう。
2022.9.27撮影
カヤツリグサ科カヤツリグサ属の1年草で、日本全土に分布する。草丈は15~40cm。
水田周りや湿地などの湿った場所に自生する。
茎は叢生して太く、横断面は鋭い3稜形。
葉は株元から出て茎より低く、幅3~5mmの線形。茎の先端に葉と同形の苞葉を2~3
個つけ、最下の苞葉は特に長い。苞葉のうちの一本が上に伸びる傾向がある。
花期(果期)は8〜10月、茎の先に短い花序枝を数本立て、密に小穂が集まった球状の花序
を散形状につける。花序の直径は8~15mm。小穂は初め淡緑色でのちに暗紫褐色を帯び、
長さ3~10mm、幅1mmの楕円形で、10~20個の小花をつける。鱗片は長さ0.6mmほど
の倒卵円形で全縁、上端が少しへこみ、中肋は淡緑色で縁は暗紫褐色。
果実は長さ0.6mm、幅0.3mmほどの狭倒卵形で3稜があり鱗片とほぼ同長。
花柱は果体の1/2、柱頭は3個、雄しべは2個。
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