気仙沼市本吉町の小泉地区から、田束道路を上がって中腹の空地に車を置き、
何本かの林道を巡って山野草を観察してきました。
林道から北向きの凹地を登って行くと、そこは杉混じりの雑木林で、林床には
水平に葉を広げた野草が群生していて、黄緑色の小さな花を付けていました。
葉と花が似たような色なので、近づくまで花と気付かないほどです。
ルイヨウボタンの花ですね。漢字表記すると「類葉牡丹」で、葉の形状が牡丹に
似ているとして名付けられたようです。
二枚とも2016.5.9撮影
6枚の花弁のように見えるのは萼片で、実際の花弁は中心近くにあると言いますから、
黄色い雄しべの周りの小片が花びらなのでしょう。
直径4mmくらいの小球が5~6個付いていますが、これはツボミと思われます。
首都圏や近畿・中国地方では、絶滅危惧種に指定している都府県が多いようですが、
宮城県内の森を歩いていると、そこそこ見かける野草です。
やや湿りのある場所を好むようで、杉林際や雑木林の北向きの斜面などで見かけます。
山手の耕作地周辺では、水路沿いで見かけることもあります。
2016.5.9撮影
メギ科ルイヨウボタン属の多年草で、北海道~九州に分布する。
山地の杉林際や、雑木林のやや湿りのある林床に自生し、草丈は30~70cm。
根茎は太く、横に這う。茎は直立し、茎や葉は無毛。
葉は普通、茎上部に2枚互生し、2~3回3出複葉で柄はごく短い。
頂小葉は長楕円形で先端は浅く2~3裂し、有柄。側小葉は長楕円形で、無柄。
葉の質は薄く、縁に鋸歯はない。
花期は4~6月で、茎頂、及び上部の葉腋に集散花序を出し、10個ほどの花をまばらに
付ける。花は緑黄色で直径は1~1.5cm、花弁のように見えるのは6枚の内萼片。
外萼片は3~6枚で、花期には既に落ちている。
本当の花弁は萼片より著しく小さく、萼片基部に重なるように付き、小さな蜜腺に
なっている。雄しべは6本、雌しべは1本。
種子は1個の花に2個ずつでき、直径8mmほどの球形で青藍色。
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