里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キッコウハグマの根生葉

2018-11-23 | 日記
栗原市栗駒鳥沢地区北西部、丘陵地の荒れた林道をゆるやかに下って行くと、杉林と
雑木林の間に木漏れ日の当る箇所があって、その周囲でキッコウハグマを見つけました。
常緑多年草で葉表に少し光沢がありますから、枯葉色の林床では目立ちますね。
林道内よりも法面や尾根筋に多く、やや乾き気味の場所がお気に入りのようです。




                             二枚とも2018.11.16撮影

種子には冠毛が付いているので風で散布されますが、林内では強い風が吹かないのでしょうか。
小さな株が相接して生えているのをよく見かけます。

キッコウハグマを漢字表記すると「亀甲白熊」。まず、葉の形が亀の甲羅に似ています。
白熊とはヤクの尾の白く長い毛のことで、これが僧侶の用いる払子の飾りに用いられました。
キッコウハグマの花被片は細くて数が多いので、それを払子に見立てて名付けたようです。


                                 2018.11.16撮影

キク科モミジハグマ属の常緑多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は10~20cm。
丘陵地~山地の林内で、やや渇き気味の半日陰かそれ以下の場所に自生する。
葉は茎の下部に5~10個ほどが固まって互生し、長い葉柄がある。葉身は5角形又は5浅裂し
長さは1~3cm、基部は心形。葉表は濃い緑色で、やや光沢があり、葉裏は緑白色。
花期は9~10月、花茎は直立し、先端部に数個~10個ほどの頭花を付ける。花柄は長さ1~5mm。
頭花は3個の小花からなり、花冠は白色で直径7~10mm。長さ9mmほど、先端は5深裂する。
総苞は長さ1〜1.5cm。ただ、開花しない閉鎖花が多く、開放花は少ない。
果実は痩果で長さ4.5mmほど、10本ほどの縦肋に毛が密生し、肋の間にも毛が散生する。
冠毛は長さ8mmほど、羽毛状に枝分かれし、褐色~赤褐色。密毛がある。


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