一関市藤沢町大籠地区の千松集落上流部で、沢沿いの荒れた林道を歩いていると、
伐採跡地の藪の中に赤系の何かが見えます。
藪を掻き分けて近寄ると、枝垂れるように咲いているジャコウソウでした。
林の中や林道沿いに自生するジャコウソウは、茎を立てて咲いているのですが、
藪の中で陽射しを求めて茎を伸ばしているうちに、枝垂れた方が光を受けやすく
なり、このような変則的な草姿になったのでしょう。
二枚とも2015.9.20撮影
支流沿いの林道を上って行くと、そこの伐採跡地にも咲いていて、沢に面した斜面から、
同じように枝垂れて咲いていました。
今踏査の主目的がジャコウソウの観察にありましたから、二地点で自生を確認でき
たのは上首尾と言えるでしょう。
盛りを過ぎて花が散った株もありましたから、この地区での盛期は9月中旬ですね。
2015.9.20撮影
シソ科ジャコウソウ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
山地の沢沿いや、湿り気のある林内などに自生し、草丈は60~100cm。
茎は四稜形で、ほとんど分枝せず、多くは谷側へ前傾する。
葉は対生し、 葉身は卵状楕円形で長さ10~20cm、先端は尾状に尖り、縁には粗い
鋸歯がある。基部は狭まって急に切形となり、短い葉柄がある。
花期は8~10月で、茎の中~上部の葉脇に1~3個の唇形花を付ける。
花は紅紫色~淡紅色で、花冠先端部が淡色になる。
筒状部の長さが4cmほどあり、下唇は上唇より長く、先端が浅く3裂する。
萼は鐘形で長さ1~1.5cm、先が5裂し、花後にやや球状に膨れる。
花柄は長さ4~6mmで、白色の軟毛がある。
果実は4分果で、長さ2~7mm。
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