大和町西部、集落背後の小沢沿いの杉林内で植物観察をしていると、島状に固まってヒト
リシズカが群生しています。ちょうど花が咲き始めたばかりのようで、新鮮で傷みのない
花がほとんどです。そんなヒトリシズカの島が杉林内のあちこちにあって、その多くが
窪地や段丘下のような、やや湿り気のある場所ですね。
二枚とも2023.4.14撮影
根茎は地中を横に走り、また分岐して、節から数本の茎を直立させるようです。
そうすると写真のような島状の群生は、これ全体で一株になるのかも知れません。
ある地方では新芽や若葉を茹でてさらし、おひたしなどで食べるようです。
また民間では全草を乾燥させて煎じて飲用、利尿などの効能があるとされました。
二枚とも2023.4.14撮影
センリョウ科チャラン属の多年草で、北海道~九州に分布する。草丈は15~30cm。
山地のやや湿った林内や林縁に自生する。
根茎は短く横に這い、節から数本の茎を直立する。
若い茎はふつう赤紫色で、後に緑色になる。茎の下部の節には膜質の鱗片葉がつき、上部
の節に葉が十字対生するが、節間が狭いため、4枚の葉が輪生しているように見える。
葉身は楕円形~広楕円形で長さ4~9cm、表裏とも無毛で光沢がある。
先端は急に狭まって尖り、基部はくさび形。葉縁には鋭い鋸歯がある。
花期は4~5月、花は頂生する穂状花序に、密に多数つく。花序の長さは花期に1~2cm、
果期には伸びて2~3cmになる。花に花弁はなく、3個の白い雄しべと1個の黄緑色の雌
しべがある。3本の雄しべは基部で合着して、葯隔が糸状に長く伸びるため、花序全体が
白いブラシ状に見える。子房は長さ1mmほど。
果実は球形で、長さ2.5~3mm。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます