里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤマカガシ 死亡例もある毒蛇

2017-03-04 | 日記
金成賢児地区の沢奥から、急な砂利敷きの林道を上がっていると、何か異様な
ものを見たような ? 振り返ると、赤黒いヘビが長々と横たわっています。
歩きながら色々なものを見ているのですが、その画像処理が追いつかず、通り過ぎ
てから「今のは何だ ? 」と振り返ることがあります。歳のせいでしょうか。
色柄からヤマカガシですね、ただこのヘビとしては大きい方で、体長80cmほどは
ありそうです。尻尾の方を通過したので、余計に気付くのが遅れたのでしょう。




                             二枚とも2016.7.20撮影

ヤマカガシは、私が子供の頃は毒のない普通のヘビと教えられていました。
あまり逃げないヘビなので、悪童たちに棒で叩かれて、よく殺されていたものです。
かつては爬虫類研究者の間でも、毒蛇であると認識されていなかったようなんです。
1972年に中学生が噛まれて死亡する事故が起きてから、毒蛇と認識されるようになり、
1984年にも死亡事故が起き、今までに死亡4例、重症は30例以上が報告されています。

ヤマカガシは本来大人しいヘビで、手を出さない限り噛まれることはありません。
それに、ヤマカガシの毒牙は口腔の後方にあり、全く目立ちません。
ただ、毒は出血毒と言われる猛毒で、人の血液中の血小板を破壊します。
腫れや激しい痛みはないようですが、噛まれてから20~30分で血液の化学反応が起こり、
血小板が破壊され、血が固まらなくなってしまいます。
その結果、全身で皮下出血が起こり、歯茎や内臓からの出血、腎機能障害や血便・血尿
などが起こり、最悪の場合は脳内出血を引き起こします。
初期症状が殆どないため、処置が遅れ、命を落とすこともある恐ろしい毒ヘビです。


                                 2016.7.20撮影

毒蛇の常識としてエラの張った三角頭があり、マムシの頭もこれに該当します。
しかしヤマカガシの頭はスラリとしていて、この常識から外れているため、余計に毒蛇
と認識されにくいのでしょう。
ヤマカガシは低地から里山の、水辺に棲んでいます。
河川敷や溜池、湿地や田んぼ周りなどですから、郊外や耕作地周辺で普通に見かける
ヘビです。主な餌はカエルやオタマジャクシ、小型魚類などで、その捕獲のために
水中を泳ぎまわることもあります。
泳ぐのに適した頭の形になっていて、それでスラリとしているものと思われます。
ウミヘビなどは殆ど頭の張り出しがありませんからね。



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