里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クワ 黒熟した果実

2017-06-16 | 日記

新地町福田地区の県道を西へ歩いていると、路面に何かが散らばって赤黒いシミが
できています。「おや、クワの実みたいな色だね。でも、まだ時季じゃないよね ? 」と
呟きながら傍らの木を見上げると、大きなクワの木でたくさんの実が生っています。
「季節の巡りが早いね、もうクワの実の季節なんだ ♪ 」
ここでは単にクワと記述しますが、ヤマグワと識別するためマグワと呼ぶ場合もあります。
葉が大きく、葉表に光沢があるのが養蚕用のマグワで、山に自生するのがヤマグワです。
ヤマグワは葉が薄くて小さめで、葉表に光沢はありません。

垂れ下がった枝に手を伸ばし、5~6個摘み取って食べてみました。昔懐かしいクワの実
の味です。子供の頃はおやつなどたまにしか買ってもらえなかったので、自分たちで山の
畑へ行って、クワの実を摘んで食べたものでした。
甘酸っぱくて軟らかいクワの実は、最高のおやつでしたね。




                            二枚とも2017.6.10撮影

クワは蚕に食べさせる餌として、かつては盛んに植栽されましたが、海外からの安い生糸の輸入、
和装から洋装への変化等により、養蚕・製糸業が衰退してしまい、クワも利用されなくなって
放棄され、各地で大木に育っています。大木になればクワの実もたくさん生りますから、小鳥や
カラスも食べきれないのでしょう。それで落果して道路を汚しているわけですね。

クワの実はマルベリー(Mulberry)とも呼ばれ、健康効果の高い果実として知られています。
強い抗酸化作用をもつポリフェノールが非常に沢山含まれています。また、同じく強い抗酸化作用
をもつビタミンEもたくさん含まれているので、様々な成人病予防をはじめアンチエイジングにも
良いとされます。熟したクワの実を見つけたら、是非食べてみてください。


                                2017.6.10撮影

クワ科クワ属の落葉広葉樹で、樹高6~15mの高木。
ヤマグワと区別するためマグワ、或いはカラグワと呼ばれ、原産地は中国。
我国へは飛鳥時代に渡来したとする説がある。
樹皮は灰褐色で縦に筋が入る。枝は灰褐色で無毛。
葉は互生し、葉身は卵形~広卵形で長さ8〜15cm、切れ込みのないものから3裂するものまである。
先端は尖り、基部は切形~浅いハート形。縁にはやや粗い鋸歯がある。
表面はざらつくが、脈状はほとんど無毛。葉柄は長さ2〜4cm。雌雄異株。
花期は4〜5月で、本年枝の葉腋に花序が1個ずつ付く。雄花序は長さ4〜7cmの円筒形で、雄花が
多数つく。雄しべは4個。雌花序は長さ5〜10mm、雌花が多数つく。雌しべの柱頭は2個、
果実は集合果。長さ1.5〜2cmの楕円体。はじめは白く、6〜7月に赤色からしだいに黒紫色
になって成熟する。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クワの実は。。。 (ヒトジイです。)
2017-06-15 19:33:46
クワの実は今年は初めてみました。
近くに大きな木があるので数年まえに取って
食べたことがありました。
やはり道路に落ちて黒くなっていました。
もうそんな季節なんですね。
返信する
懐かしいクワの実 (グミ)
2017-06-16 07:43:58
ヒトジイさん、季節のめぐりは早いものです。自分は昨日と同じ今日を過しているつもりでも・・

クワの木をご存知でしたら、是非寄ってみてください。きっと熟した実もあるでしょうから。早く行かないとヒヨドリに食べられてしまいますよ(笑)

グミ
返信する
確かに季節は。。。 (ヒトジイです。)
2017-06-16 08:46:32
確かに季節の巡りは早く歳をとる程一年が短くなって来ている様に感じています。
思い出してみるとクワの実を食べたのは東北
地震の前ですからもう五年も経っていますが
つい最近のような気がしています。
返信する
6年前ですよ (グミ)
2017-06-16 11:06:04
ヒトジイさん、大震災は6年前ですからね。
もう、1年短縮してしまいましたね(笑)

今でも、海岸近くを歩くと、高い木の梢にズボンが引っ掛かっていますし、海岸には海底から打ち上げられた巨大な岩が残されています。あれ以来諸々やるきを無くし、荒れ庭にしていましたが、今年から手を入れています。大変な大仕事で、6年間の長さを実感しています。
返信する

コメントを投稿