大和町吉田地区西部、なだらかな伐採跡地の麓に湿地が広がっていて、そこに白~淡紅色
の花穂がたくさん立っています。花を撮影すべく湿地の中に踏み込むと、何かが掘り返した
ような跡が無数にあって、そこに水が溜まっているので歩きにくいこと甚だしい。
これはイノシシが餌を探して掘り返した跡でしょう。
場所は少し離れていますが、親子4頭がそろって歩いているのを目撃しています。
イノシシの掘り跡に閉口しながらも、花が群れ咲く場所まで入って観察すると、チダケサシ
の花ですね。花が傷んでいないので、今が花の盛期と思われます。
二枚とも2019.7.24撮影
チダケサシの名の由来は、きのこのチダケ(チチタケ)を、この茎に刺して持ち帰ったことに
よるとされます。茎が細く強いので、それができたのでしょう。
チダケサシやトリアシショウマは、地域によっては、山菜として食されます。
ただ、特に美味しいということではなく、他に採るものがなかった際に仕方なく採ったと
いう程度の山菜でしょう。ゆでてから水にさらし、ゴマ和えとかマヨネーズ和えにします。
二枚とも2019.7.24撮影
ユキノシタ科チダケサシ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は40~80cm。
湿地周辺や溜池畔、山間の耕作放棄田などの湿り気のある場所に自生する。
根茎は太く斜上する。葉は2回奇数羽状複葉~4回奇数羽状深裂。
小葉は楕円形~倒卵形で、長さ2~4cm、先は尾状とならず、ふつう鈍頭、まれに鋭頭、
基部は鈍形または切形、縁にやや不ぞろいの鋭い重鋸歯がある。
花期は7~8月、花茎は高さ40~80cm。花序は複総状で、側枝は下部では長さ3~5cm、
ほぼ直立し、密に花を付ける。花軸には長さ0.5mmほどの淡褐色の腺毛を密生する。
小花柄は長さ2~3mm。萼裂片は緑白色で楕円形、円頭、長さ1~1.5mm。
花弁はふつう淡紅色、線状さじ形で、長さ3~5mm、雄しべより長い。
雄しべは10個、長さ2.5~3mm、花糸はふつう淡紅色、裂開直前の葯は淡青紫色。
果実は蒴果で長さ3~4mm、熟すと2裂開する。
最新の画像[もっと見る]
- イタヤカエデの実 風散布 5日前
- イタヤカエデの実 風散布 5日前
- イタヤカエデの実 風散布 5日前
- ニシキギ 特大の翼 1週間前
- ニシキギ 特大の翼 1週間前
- ニシキギ 特大の翼 1週間前
- サワシバの果穂 樹皮で同定 2週間前
- サワシバの果穂 樹皮で同定 2週間前
- サワシバの果穂 樹皮で同定 2週間前
- サワシバの果穂 樹皮で同定 2週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます