大和町吉田地区西部、山裾の車道を北へ歩いて行くと、細い横道があって脇にきれいな水
が流れています。沢は無いので、山裾からの湧水でしょうね。
横道に入って行くと流れの緩やかな場所があって、そこにたくさんの浮草が漂っています。
しゃがみ込んで観察すると、イチョウの葉のような形をしていて、長径は5~15mm。
葉質は厚く、葉柄には毛が生えているように見えます。
浮草の多くが羊歯植物ですから、これも羊歯の仲間なのでしょうか。
二枚とも2020.3.19撮影
「浮草 イチョウ形」でネット検索すると、一発で見つかりました。
和名は「イチョウウキゴケ」で、羊歯植物と思っていましたが、コケの仲間なんですね。
水田や用水路、溜池などに浮いているコケで、かつてはどこででも見られたようですが、近
年は水田の乾田化や農薬散布などの影響で激減していて、準絶滅危惧種に指定している都府
県が多いようです。夏場に見かけることは少なく、秋に入ってから発生することが多いよう
なので、この自生地のものは越冬した葉なのかも知れません。
2020.3.19撮影
ウキゴケ科イチョウウキゴケ属の1年生の苔類で、北海道~沖縄に分布する。
水田や休耕田、溜池や湿地などの水面に浮遊する。水が干上がると泥土上で生育する。
夏期に見かけることは少なく、秋に入ってから発生することが多い。
葉状体はややふくらんでスポンジ状、外形はイチョウ葉状の半円形で、長径10~15mm。
縁は鈍頭、表面は濃緑~青緑色で、ときに赤味を帯びる。生長し半円形より広くなると、
中央から分裂して次々と増殖する。
裏面は紫紅色、多数の紫褐色の仮根が密生して下垂する。仮根は柔らかく長さ5~15mm。
雌雄異株で、稀に雌器・雄器が葉状体内に埋もれて生じる。
胞子体は葉状体の中央部に埋没して生じ、胞子は暗褐色で球状、直径50μほど。
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