一関市室根町津谷川地区東部、山地中腹の林道を上がって行くと、林道端に光沢のある根
生葉が点々と生えています。まだ小さい葉は3出複葉のように見えますが、大きな株では
葉が5枚生えた奇数羽状複葉のようにも見えます。たぶんシシウドの根生葉でしょう。
山地の日当たりの良い、やや湿り気のある草地などに生え、夏から秋には草丈が1~2m
にもなる大型の植物です。
シシウドを漢字表記すると猪独活で、イノシシ(猪)が食べるウドということから名付けられ
た、或いは大きな草姿を猪に例えたとする説などがあります。
二枚とも2021.4.21撮影
シシウドの新芽や若い茎は食べられるようですが、アクが強いため茹でた後で、一晩水に
さらしてアク抜きしてから食べるようです。炒めたり煮付けにすると美味しく食べられる
とあります。なお、クマもシシウドの新芽を食べるようです。
生薬の「唐独活」はシシウドの塊状の根茎を乾燥させたもので、発汗、解熱、鎮痛、抗炎
症、駆風、利尿などの作用があることから、風邪やリュウマチ、神経痛、歯痛、頭痛など
に用いられるようです。薬効成分は精油のリモネン、サビネン、ジテルペン酸類など。
2021.4.21撮影
セリ科シシウド属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は1~2m。
山地の日当たりの良い、やや湿り気のある草地や林縁などに自生する。
根は太い直根。茎は太く中空、上部で分枝し、褐色の細毛がある。
葉は互生し、2~3回3出羽状複葉。小葉は長楕円形で長さ 5~10 cm、鋸歯がある。
頂小葉の基部は翼状に流れる。裏面の葉脈上には毛が密生する。茎の上部の葉は葉身が
退化し、袋状になった葉柄が花序のつぼみを包む。
花期は7~9月、枝先に25~50個の小散形花序からなる大きな複散形花序を付け、柄は
長さ3~18cmと不揃い。総苞片および小総苞片はない。花は小さく直径4 mmほど、
花弁は5個、白色で内側に巻く。雄しべ5個。雌しべ1個。
果実は扁平な広楕円形で長さ6~10mm、両側に翼がある2分果。
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