里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

コマユミ 裂開した果実

2018-11-13 | 日記
加美町宮崎旭地区西部、最奥の集落にある神社近くの木陰に、赤い実を付けた低木
を見つけました。立ち寄ってみると、実の果皮はすでに裂開していて、中の朱色の種子
が露出しています。これはニシキギの仲間ですね。

枝を見るとコルク質の翼がなく、葉が小さいのでコマユミでしょうね。
仲間のマユミは小高木で葉がもっと大きいですし、ニシキギは枝に明瞭な翼があります。




                             二枚とも2018.11.8撮影

先に「朱色の種子」と述べましたが、これは正確な表現とは言えず、正しくは仮種皮としなけ
ればならないようです。コマユミの本当の種子は仮種皮の中に入っています。
種子だけでは野鳥に食べてもらえないので、目立つ朱色の仮種皮で包むことにしたのでしょう。
ツグミやメジロ、シジュウカラなどの野鳥に食べてもらい、仮種皮は消化吸収されますが、種子は
そのまま糞として排泄されます。それで種子が遠くまで散布されるわけですね。




                             二枚とも2018.11.8撮影

ニシキギ科ニシキギ属の落葉広葉樹で、樹高1〜3mの低木。北海道〜九州に分布する。
丘陵地~山地の落葉広葉樹林内や林縁に自生し、半日陰かそれ以下の樹陰を好む。
下部から多数枝分かれする。紅葉が美しいので、庭木として植栽される。
樹皮は灰褐色。若い枝は緑色で稜がある。
葉は対生し、葉身は長楕円形~倒卵形で長さ2〜7cm。先端は尖り、基部はふつうくさび形。
葉縁には細かく鋭い鋸歯がある。両面とも無毛。葉柄は長さ1〜3mm。
枝に顕著な翼があるのがニシキギで、翼のないものをコマユミという。
花期は5〜6月、本年枝の芽鱗痕のわきから集散花序を出し、淡緑色の花を数個つける。
花序の柄は長さ1〜3cm。花は直径6〜8mm。花弁は4個、縁には鋸歯がある。雄しべは4個。
雌しべは1個。萼の上部は4裂する。花柄は3〜6mm。
果実は蒴果、1〜2個の分果に分かれる。分果は楕円体で長さ5〜8mm。
10〜11月に熟すと裂開し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が現れる。




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