里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤマザクラ 赤い新葉 

2024-04-17 | 日記

東松島市宮戸島、丘陵地の山腹や海岸近くの崖地などのあちこちに、ヤマザクラの淡紅色
の花が咲いています。ソメイヨシノよりもやや紅色が濃い印象で、花と同時に赤褐色の新
葉も開き始めているので、それが淡紅色をより濃く見せているのかも知れません。
車道や遊歩道に沿ってもヤマザクラが植栽されているので、宮戸島ではソメイヨシノより
も本数が多いのではないでしょうか。

                                 三枚とも2024.4.13撮影

ヤマザクラの分布域を調べると、宮城・新潟県以西の本州〜九州となっています。
海岸近くの丘陵地から山地にかけて生えていて、鳥散布で増えるようです。
聞いた話ではありますが、まとまって生えているのは、宮戸島が北限の地とのこと。

宮戸島からの帰路、松島丘陵の山間を走行しながらヤマザクラの花を確認すると、海岸か
ら4~5kmの辺りまでは咲いていました。ただ、海岸から離れるにしたがって分布密度が
下がるように感じられました。5kmから先は丘陵から平野に変わるので、ヤマザクラが分
布しているか否かは確認できませんでした。

                                 二枚とも2024.4.13撮影

バラ科サクラ属の落葉広葉樹で、樹高15〜25mの高木。
宮城・新潟県以西の本州〜九州に分布し、海岸近くの丘陵~山地に広く自生する。
樹皮は紫褐色~暗褐色で、横長の皮目が多い。新枝は赤褐色で無毛。
葉は互生し、葉身は長楕円形〜卵形で長さ8〜12cm、先端は尾状に長く伸び、基部は広い
くさび形〜円形。縁には細くて鋭い単鋸歯または重鋸歯がある。表面は無毛で、裏面は白
色を帯びる。葉柄は長さ2〜2.5cm、無毛で赤みを帯びる。上部に赤い蜜腺が2個ある。
新葉の色は赤、茶色、黄色、緑色と変異が多い。
花期は3月下旬〜4月中旬、葉の展開とほぼ同時に開花する。前年枝の葉腋に淡紅色の花
が散房状に2〜5個つく。花序の枝は長さ5〜15mm。花の直径2.5〜3.5cm。花弁は5個、
長さ1.1〜1.9cmの円形〜広楕円形で先端は切れ込む。雄しべは35〜40個。雌しべは1個。
萼筒は長さ5〜7mmの長い鐘形。萼片は長楕円状披針形。花糸、花柱、子房、萼は無毛。
花柄は長さ1.4〜3.2cmで無毛。
果実は核果。直径7〜8mmの球形で、5〜6月に黒紫色に熟す。



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